知って得する! 会社設立1年目の人が経理を賢く進める方法
そこで、freee認定アドバイザーとして、会計・経理のリアルタイム化をサポートしている豊田啓彰(とよた・ひろあき)さんに、会社を設立したばかりの人たちが抱えるよくある不安についてアドバイスを伺いました。
ここでは、「役員報酬の決め方はどうすればいい?」「やっぱり最初は税理士にお願いするべきなの?」といったよくある疑問から、初めての決算をむかえるにあたって知っておきたいことについて教わりました。
役員報酬はいくらにしたらいい?
中小企業の主な役員報酬の支払い方は大きく2種類
役員報酬の支払いには、総会などの決議機関で決まった金額を決まったタイミングで支払う「定期同額給与」と、指定した金額を○月○日に支払うといった旨を定め、その内容を事前に税務署へ届出をすることによって給付する「事前確定届出給与」の2種類があります。
「定期同額給与」と「事前確定届出給与」をどちらも使うこともできますし、どちらかの支払い方法だけを使うこともできます。
金額はどうやって決めたらいいの?
会社を設立したばかりの人の多くは、「まだ売上も決まっていないのに役員報酬を決められない」、「役員報酬をいくらにすればいいのか?」という疑問を抱いたことがあると思います。この場合、まずは役員報酬の支払い金額を3パターンほど考えてみてください。
まずは「自分がどのくらいの金額を会社からもらえれば生活できるのか」といった視点で考えてみましょう。このときの金額は、生活に必要な最低限の金額を設定してみてください。そのために売上や利益がどのくらい必要なのかを逆算します。この支払いプランをAプランとします。
次にBプランを考えてみましょう。Bプランは、事業計画通りに目標を達成できたときに、役員報酬をいくら支払うことができるのかを考えながら設定してください。最低限の金額を設定したAプランに加算していく形で計算してみると、出来上がると思います。
最後にCプランは、事業成績が目標を大きく超えたときにいくら支払うかを設定してください。このときには「事前確定届出給与」を併用して活用するのがおすすめです。
こういったプランを立てておき、実際に業績が想定を上回った場合に、実際に期末の支払いを行うとよいでしょう。
この“期末の支払い”を行うために「事前確定届出給与」の申請が必要になるのです。「事前確定届出給与」で申請した役員報酬の支払いは申請の後から一定の要件を満たすことでキャンセルすることもできるので、もしも業績が上回らなければ受け取らないこともできます。
ただ、注意しなければならないのは、この設定する金額が不当に高額になってしまっていたり、届出や支給要件を満たしていない支給になってしまっていたり…ということなどもありますので、転ばぬ先の杖として詳しいことは税理士にあらかじめ相談いただくことをおすすめします。
事業計画が立てられていることが前提にはなりますが、このように3つの支払いパターンを立てておくと、最適な役員報酬の金額を決めることができるようになります。
役員報酬は0円でもいいの?
「役員報酬を0円にしてもいいか」といった疑問を抱いている人もいるかもしれませんが、税務上は問題はありません。
役員として給与を受け取ると社会保険の強制適用事業所となり、社会保険の加入義務が発生することも考えておかなければならないポイントのひとつです。加入できる最低金額などもありますし、中途半端な金額を設定することで、手取りにしてみるとほとんど残らないといったケースもあります。そのため、役員報酬を0円に設定するほうがシンプルになる場合もあるのです。
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決算までにやっておかないといけないことって?
初めての経理業務、一番不安になるのは無事に決算を乗り越えられるかどうか…という人も多いのではないでしょうか。そんな人は、まず以下の2つのことをやってみてください。
1.一年間のスケジュールを把握する
2.freeeに自動でデータが入ってくる仕組みをつくる
一年間のスケジュールを把握する
たとえば、「事前確定届出給与」をいつまでに税務署に申請しなければいけないといったことですね。会社を設立した人が使える制度には、行使可能な期間が決まっていることが多いんです。
自分が使える制度にはどんな種類のものがあって、いつまでに申請をしないといけないのかを見える化しましょう。以下ではその数ある制度の中からいくつかピックアップして見ていきます。
freeeに自動でデータが入ってくる仕組みをつくる
2つ目は、freeeとデータ連携を行うことができる仕組みを作っておくことです。
決算というのは、1年間の数字をまとめなければいけないので、自分が何もしなくても最低限のデータが連携されている状態を作っておくことが大切だと思います。
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最初は税理士にお願いするべきなの?
税理士にお願いするメリット
税理士と契約するメリットは大きく3つあります。
1つ目は、さきほど紹介したような制度をうまく活用することができること。本業に集中しながら、細かな制度まで調べて自分で申請を行う作業はなかなかに大変です。そういった部分をカバーしてくれるのは大きなメリットだと思います。
2つ目は、事業が成長フェーズに入ったとき、取引先が増えたり、従業員が増えたりすると思うのですが、そうした変化にしっかりと対応しながら会計の管理体制が築けることです。
3つ目は、本業に集中する時間を作れることです。「時間を買う」というイメージなのですが、経理業務にどれだけ時間をかけたとしても、そこから事業に価値が生まれるってことはあまりないんです。もちろん、数字の感覚を養うことでそれが事業計画に活きることもありますが、まずは自分がやりたかった仕事に集中することが一番の投資だと思います。
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税理士への相談は早ければ早いほどいい
自分が使うことのできる制度にはどのようなものがあるのかを調べて、いつまでに何をしなければいけないのか把握し、実際に行動に起こすのはハードルが高いと思います。
また、仮に時間をかけてやるべきことが把握できたとしても、100%の確信を持てるかというと、専門的な知識を持っていないかぎりは難しいかもしれません。自分だけで制度の調査や申請をやろうとするのは、多くの人にとって不安が生まれる作業なんです。
たとえば、事業を進めていく中で補助金や助成金のことを考えるタイミングがあると思いますが、申請するときに必要な書類を調べて、それを用意して記入して…みたいな作業に時間がかかってしまうのであれば、最初から税理士さんにお願いするのも1つの手段。
ちなみに、税理士への相談は早ければ早いほどいいと思います。その分、税理士から提案できるバリュエーションが多くなりますから。
決算申告の時期になってから税理士に相談しにいっても、おそらくできることって「申告をすること」だけなんですね。その前に来てくれていれば、「こういうこともできます」みたいな提案がしやすいんです。
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どうやって税理士を選んだらいい?
以前と比べると、会計業界は多様化してきています。従来であれば、どこの会計事務所の門を叩いても、得られるサービスもだいたい似たり寄ったりだったと思いますが、今は提供しているサービスが事務所ごとに違っていることもあります。
ですので税理士を選ぶときには、どんなサービスを受けたいのか、その軸を決めておくとよいと思います。「こまやかにコミュニケーションをとりたい」とか「経営レポートを素早く出してほしい」「顧問料という形ではなく成果報酬の契約がいい」など、人によって何を重視するかはそれぞれです。
税理士は経営のパートナーでもあるので、ゆずれない軸を3つほど考えてみて、freeeが提供している税理士検索サービスを使ってみるのもいいと思いますよ。
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