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2022年08月28日(日)

サイバー・バズ髙村彰典社長に聞く~コミュニケーションが変える世界、SNSの可能性とは?

経営ハッカー編集部
サイバー・バズ髙村彰典社長に聞く~コミュニケーションが変える世界、SNSの可能性とは?
株式会社サイバー・バズは、2006年、株式会社サイバーエージェントのアメブロをマネタイズするための子会社として設立された。その後2010年に、髙村彰典氏が代表取締役に就任すると、インフルエンサーを活用したSNSマーケティングへと舵を切り、そこから急激な伸びを見せはじめる。ECの拡大にともない、今やSNSは単なるブランドの認知向上手法から、購入促進、他者への推奨行動といった、マーケティングのメインストリームになりつつある。サイバー・バズは、この流れにいち早く対応し、インフルエンサーの会員組織化や、SNS上での認知獲得から消費行動に至るまで一気通貫のデジタルソリューション投入により、2019年、マザーズ上場(現東証G:7069)を果たす。今後もSNSマーケティング市場が拡大し、競合も増える中、サイバー・バズのポジショニングと今後の展開、そしてSNSに秘められたポテンシャルについて髙村彰典氏に話を聞いた。

ブログからSNSの時代に変わることを予測

-はじめにサイバー・バズの事業概要を簡単に教えてください。

当社は、「コミュニケーションを価値に変え、世の中を変える。」をミッションとして、SNSマーケティングを軸に事業展開しています。インフルエンサーの方々を会員として自前で組織化し、会員に対してクライアント企業様の商品無償提供、先行体験やイベント招待などの機会を提供しています。会員が商品の使用感などをソーシャルメディア上でフォロワーに発信することで、信頼される第三者視点でのユーザー体験を創出し、企業様が訴求したい商品の価値を伝えるというマーケティング活動などを行っています。

インフルエンサーが紹介する商品は、化粧品や日用品が多いです。そのほとんどは、日本を代表するメーカー品であるため、インフルエンサーも安心して商品を紹介することができるようになっています。

その他には、クライアント企業様の公式SNSアカウントの運用支援、インフィード広告などのソーシャルメディア広告の販売を行っています。

-髙村社長が、前職のサイバーエージェントに参画された背景からお聞かせください。


大学を卒業し、商社に1年数か月ほど勤めた後、サイバーエージェントの創業時メンバーに加わりました。きっかけは、共通の知人を介して藤田晋さんを紹介してもらったことです。「藤田さんは、インターネットの会社を立ち上げていて、今、人が足りないみたい」とのことだったので、ひとまず会ってみることにしました。

彼は、当時25歳で私と1歳しか違いませんでしたが、「若い力とインターネットでこれからの日本を変えていかないといけない!」と、インターネットが創る世界について大きなビジョンを持っておられました。それに大いに感化され入社を即決したのです。

勤務初日は、朝8時に出社し、やはり自分が一番乗りだなと思っていると、なんと、人が机の下から湧き出すように出てきて、急に服を着替えはじめるではありませんか。これには大いに驚きました。さらには、藤田さんの壮大なビジョンを実現しようというメンバーは私を入れて総勢5人であることに気づいたのです。

4,000人規模の会社から、一転、数名の会社に来て、一瞬「間違ったかな」と思いましたが、入社したからにはやるしかない。ところが、業務の手ほどきを受けようにも朝礼が終わると皆営業に飛び出し、オフィスには誰もいなくなる。残された私に、何かをやっておけと指示されることもなかったので、会社で過ごしていると、夕方帰ってきた先輩から「髙村君、今日は何してたの?」と突っ込まれるわけです。先輩が言うには「髙村君。ベンチャーってさ、自分で考え、行動するんだよ」と。そもそも何をやっている会社かよくわからないのに、ましてやインターネット広告について知識皆無の状況なのにです。

そこで、なるほど、新しい分野の仕事は、自分で考え、自分で創りにいくものなのだと理解しました。そこから私もインターネット広告の獲得に邁進し、かれこれ16、17年くらいインターネット広告の市場創りに関わりました。2005年からサイバーエージェントの取締役を務めさせていただき、広告全般の所管と子会社の立ち上げ、経営者育成に取り組みました。

-サイバー・バズに移られた経緯は?

サイバーエージェントには、当時CA8(シー・エー・エイト)という制度があり、2年ごとに、8人の役員のうち2人が入れ替っていました。会社も大きく成長し、いつの間にか4,000人くらいの組織になっていて、組織の新陳代謝を考えると、そろそろ交替を申し出ようかなというタイミングが来ていました。申し出ようかなというのは、藤田さんも替わってくれとは言いにくいだろうと思ったからです。

そんななか、子会社の一つサイバー・バズが、アメブロの事業化のために設立されていたものの、マネタイズが結構難しいという問題に直面していました。役員会ではサイバー・バズを続けるか、やめるかという話になっていたのです。私はこの会社が、何となく行ける気がしていたので、それならば私が社長をやりますと、手を挙げることにした次第です。

-行けそうだと思われた理由は何でしょう?

当時、2010年頃は、携帯ユーザー端末の主流がガラケーからスマートフォンへと変わって行くなか、ガラケー向けのブログ以外に、Facebook、Twitter、Instagram…と次々に新しいソーシャルメディアが日本にも上陸しつつありました。

私は、主要なメディアは移り変わっていくけれど、個人が情報発信していく流れは変わらないだろうと見ていました。これまでブログを書いていた人は今後、新しいSNSに移行し、同じようにフォロワーを集めていくのではないか。そして、さらにスマホの普及によって世の中の流れが一気に変わるのではないかと予測していました。

サイバー・バズは、たまたまその流れをうまく捉えることができたのだと思っています。

インフルエンサー・ネットワークの構築

-実際には、たまたま成功という話ではなかったと思いますが、サイバー・バズでは、インフルエンサーを活用し、具体的にどのような事業を展開しているのでしょうか?

当社では、広告主の目的に応じて、独自のインフルエンサー・ネットワークを複数運営しており、企業のSNSマーケティング支援を行っています。インフルエンサーについては、トップタレントから、マイクロインフルエンサー、ナノインフルエンサー、インフルエンサーのレベルに至っている一般消費者までワンストップで対応することができます。

もう少し説明すると、インフルエンサーの活用については、次のように全部で4階層、3サービスに分かれています。


まず、1つ目にトップインフルエンサー層についてです。TVで活躍するような有名タレントやアーティストも公式SNSを開設し、積極的に情報を発信する昨今、マーケティング活動においてタレントのSNSを積極的に活用したいという企業のニーズが年々高まってきています。当社では大手芸能事務所50社以上と提携することで、有名タレントの方々を幅広く起用することが可能となっています。

2つ目に、マイクロインフルエンサー層では、フォロワー数が数万人以上のインフルエンサー会員によるマーケティングサービスを「NINARY」として展開しています。

インフルエンサーに商品をお送りし、実際に商品を体験した感想をSNSへ拡散する、サンプリング。そして、インフルエンサーを商品発表会や座談会に招待し、イベントでの体験内容をSNSへ拡散する取り組み。また、インフルエンサーに商品を体験して頂いた感想や商品の説明を、LIVE配信でリアルタイムに拡散していくことなどができます。

「NINARY」 会員は 20 代から 30 代の世代が中心で女性が多く、フォロワー数や知名度の点で強い影響力を持っています。 会員の獲得については、当社によるスカウトが 9 割を占めています。

3つ目に、ナノインフルエンサー層と一般SNSユーザー層によるサービスが「Ripre」です。影響力のあるSNSユーザーからなる承認制の「プレミアム会員」と一般SNSユーザーからなる登録制の「スタンダード会員」から成り、モニターサンプリングや、イベント招待等を通し、体験内容や感想をソーシャルメディア上に投稿・拡散していただいています。「Ripre」では、会員登録希望者による応募を受け付け、審査を経て活動いただいています。

インフルエンサーサービスで特に注意しているのは、炎上リスクなど安全性に万全を期していることです。審査は過去の投稿内容などをチェックしながら進めており、応募は多数ありますが、審査の通過に至るには狭き門になっています。

また、ステルスマーケティング(ステマ)と判別するために、WOMJ(WOMマーケティング協議会)及びJIAA(日本インタラクティブ広告協会)のガイドラインに従って、広告審査体制を強化しています。例えば、インフルエンサーへの指導を行うとともに、第三者機関を含めた二重チェックを実施し、投稿の全チェック、関係性の明示・広告/PR表記の徹底、薬機法抵触表現の禁止を徹底する広告審査体制を整えています。JICDAQ(一般社団法人デジタル広告品質認証機構)認証も獲得しています。

-SNSの運用を一括でお願いしたいというケースはどのような対応になりますか? 

多数のプロダクトラインを持つ企業様からすれば、SNSアカウントは公式サイトをいくつも運用しているような状態になります。さらに、Facebook 、Twitter、LINE、Instagram、TikTok、YouTubeとプラットフォームも増え、ユーザーとのエンゲージメントを高めるためには、コミュニケーションの頻度も重要です。つまり、自社による独力運営には大変な負荷がかかっているのです。

そこで、われわれがSNS公式アカウントの運用代行を提案したところ、予想以上に好評でして、現在では、企業のSNSパートナーとして企画、クリエイティブ制作、投稿、効果測定などを当社でサポートしています。


-一方で、運用は自前でやりたいが、アカウントの運用業務自体をもっと効率化したいというニーズもありますね。

その通りで、運用代行により蓄積してきた、アカウント運用ノウハウを「Owgi(オウギ)」というSaaSの仕組みとすることで、管理の標準化ができるようになりました。SNS運用代行の場合には、このシステムが漏れなく入っていますが、システムのみでも月10万円程度からの費用負担でご利用いただけるようになりました。「Owgi」を活用すれば、投稿管理からUGC収集、クリエイティブ制作、レポート抽出までワンストップで運用することができます。


これらに、インフィード広告の運用などインターネット広告の販売を加え、ソーシャルメディアマーケティング事業を中核に展開していますが、派生して生まれてくる新規事業としてHR事業にも取り組み始めました。

SNSがEC販売と直結していく中、総合力とデータ活用により、SNSマーケティング界で独自のポジションを築く


-SNSマーケティングの世界は小規模事業者も含めて同業者も多いですが、サイバー・バズのポジショニングは?

本事業領域は、市場の成長性が高く、多くの企業が参入し、プレイヤーがひしめき合っているのが現状です。なので、各社がどのようなソリューションが強いのか、なかなかわかりにくいところです。そこで、われわれは「クリエイティブドリブンか、データドリブンか」という軸と、「横断型か、特化型か」という2軸で自社の立ち位置を整理しています。

横断型ソリューションとは、近年、ECの拡大にともない、複数のソーシャルメディアを横断して広告を展開したいというニーズに対応できることを示しています。Twitter、Facebook、Instagram、最近ではLINE、TikTokなど対象メディアが広がってきています。先述のように、企業が運用するSNSアカウントの数も以前とは比較にならないほど増えました。このため、統合的にソーシャルメディアを見ていく必要性が高まっているのです。


データドリブンという視点では、当社はブログ時代から約16年間ずっとソーシャルメディアに注力して事業展開してきたため、SNSマーケティングの過去から最新までの蓄積データが膨大にあります。加えて独自のインフルエンサー・ネットワークによるインフルエンサーデータや「Owgi」といった新しいデータを収集、分析していく仕組みもあります。これらにより、フォロワー属性などのインサイトデータや過去の案件実績をもとに、企業による消費者ターゲットへの効率的なアプローチが可能となっています。

このように当社は「横断型ソリューション、データドリブン」の領域で、独自の強みを発揮しているということになります。また、「NINARY」、「Ripre」、「Owgi」ともに自社プロダクトであるため、広告主の方から、こんなことができないかという要請があれば、手元ですぐに機能を作りこみ対応することもできます。

-これらのソリューションが求められている背景として、SNSマーケティングは商品の市場調査や認知拡大といった段階から、より販売成果を追うようになってきているということもありますね。

そうですね。SNSを使ってブランドの認知を拡げたいといったステージから、ユーザーの購入活動に直結するソリューションが一層求められるステージに来ています。今後もソーシャルコマースが拡大浸透する流れの中で、SNSから購買への導線がより強化され、企業のマーケティング活動において、認知から購買、他者へのお薦めといった、SNSアカウントをフルファネル型のフローで運用していくことが必須になっています。



大まかには、生活者の動線を踏まえ、上図のようなサポートが必要となります。認知から興味・関心段階では、普段から情報収集のためにSNSを回遊しているユーザーとの「きっかけ作り」のための広告やキャンペーン。比較検討段階では、検索行動時の「比較検討」ツールとしてSNSを利用するという場面でのインフルエンサーの活用。購入段階では、SNS公式アカウント、店頭、ECサイト誘導においての効果的なSNS広告の投入。

そして、推奨行動段階では、SNS公式アカウント、メルマガを活用し、ファン化したユーザーとつながりを持ち続けるための取り組み。このときに、インフルエンサーを活用し、ブランドとのエンゲージメントを保ちながら、「いいね」や「RT」を行っていただきます。フォロワーであるユーザーが商品を購入し、満足すれば、さらなる推奨行動になり、より多くの新規ターゲットにリーチが可能となるわけです。

起用したインフルエンサーに対しては、ブランドや商品に対する好意度の変化などを長期的に観測し、これらと親和性の高いインフルエンサーのデータベースを蓄積しています。また、施策前後のデータ分析結果やインフルエンサーとブランド単位での独自スコアなどから最適な指標を抽出し、インフルエンサーの選定に活用する最適化システムによる「IMO(influencer marketing optimization)」サービスなども行っています。

さらに言えば、インフルエンサーには、流行り廃りがあり、急に注目されたり、トレンドでなくなったり。また、本人の事情でインフルエンサーを止めますといった、個人の環境変化もあります。そこで常に、今リーチがとれて、影響力が強いインフルエンサー群が構成されるようアップデートしていかなければなりません。こういった管理は正直、当社でなければ難しいと思いますね。

-今後の市場の伸びについてはどのように見えていますか? 

当社がデジタル市場や産業の調査機関であるデジタルインファクトと共に実施した「インフルエンサーマーケティング市場調査」によれば、インフルエンサーマーケティング市場は2021年時点で、420億円程度ですが、2025年には700億円以上に拡大していくと予想されています。

さらに、SNSマーケティング市場はもっと大きく、2021年では6,714億円ですが、2025年には2020年時点からの約2倍、1兆1,000億円以上の規模になると見込まれています。他の色々なデータを見ても、SNSの利用者や滞在時間は増えていますし、滞在時間内では動画視聴もありますが、ほとんどの時間はSNSで情報探しや会話をしたり、購買活動をしたりという行動に費やされています。

今後、テレビや従来型のインターネット広告がなくなるわけではありませんが、ECマーケティングの中心は確実にSNSに移行すると思われます。したがって、まず始めにSNSユーザーにどういうリーチをとっていくかが今後のマーケティング活動の中心的な課題になってくるのではないでしょうか。

また、SNSが定着して時間が経過すればするほど、ソーシャルネイティブな世代が次第に増えていきます。今の、10代はやがて、20代になって購買層に変わっていく。人口の割合からいうと、今後もソーシャルメディアで買い物をする人の比率が高まっていくのは明らかです。さらに、メタバースを含め新しいSNSのプラットフォームも出てくるでしょう。自身がよく使うSNSプラットフォームで、好感を持つ人の情報発信を見て行動をするパターンがますます増えていくと思われます。

-SNSの進化形とも言える、メタバースについてはどのように見られていますか?

最近、WEB3やNFTなどいくつか流行っている概念があり、その中の一つがメタバースです。ただ、まだプラットフォームの姿が見えていないため、ビジネスとしては何とも言えない状況です。

メタ社に代表されるように数百、数千億円の規模で投資し、これから世界を創りにいく段階で、まだ、われわれベンチャーが参入するような市場ではありません。先走ってやりすぎると、失敗する確率が高いです。

むしろ、重要なのは多数のユーザーに好まれるプラットフォームが見えてきたとき、今後大きく伸びそうなプラットフォームにいかに乗っていけるか。それに対して、どのようにインフルエンサー等の組織を柔軟に編成できるかといったことです。なので、メタバースの動向が見えたら、すぐに動けるように準備はしています。

「コミュニケーションで世の中を変える」ための企業文化と事業開発

-サイバー・バズでは「7Value」といった社内の価値基準を設定されていますが、今後の成長において重視されている価値観は何でしょうか?

それは、冒頭の原体験の影響もありますが、「自考自創」です。「自考自創」とは、「自分で考え、自ら新しい価値を創造する」ことを四文字にした造語です。

価値を生み出すといったとき、われわれはSNSの潜在的な可能性は非常に大きいと考えています。なぜならレッドオーシャンだった事業ドメインをSNSがあれば、ブルーオーシャンに変えることができるからです。例えば、HR分野にSNSを投入すれば、新しい展開が可能となります。2021年に始めた「BuzzJob(バズジョブ)」では、SNS・デジタルマーケターに特化した転職支援サービスを展開するなど、通常の人材会社とは違うやり方で企業の採用支援を進めています。

今後は、採用コンサルタントにインフルエンサーになっていただき、企業の採用のやり方について情報発信したり、キャリアコンサルタントのインフルエンサーが転職希望者にアドバイスしたりしながら、この会社がいいんじゃないかとお薦めするといったサービスが考えられます。転職するときに、人を介して仕事を変える一つの流れが生れてくるかもしれません。信頼できる第三者からのアドバイスがあれば、進路決定はよりやりやすくなりますので。

-実際に新規事業はどのように開発されているのでしょうか?

あらゆる場面で、現場を巻き込んで進めています。例えば、JJ会議(自考自創会議)では、役員以上がリーダーとなって、全社員からドラフトで部署横断のチームを組み、経営課題についての施策を考え、私に対してプレゼンを行ってもらいます。

他にも、新規事業を生み出す会議をやっていますし、社長主催の新規事業会議としては、メンバーを抜擢して、毎週やっています。週ごとに、一人1案ずつ出してもらって、良いなと思うものをブラッシュアップしていく流れです。また、ニューコンテストという事業テーマを決めたイベントもやっていて、これは優秀チームの企画を採用するといったもの。今、そこから動画に関する新規事業が生まれようとしています。

また、すでに立ち上がった事業では、子会社の社長へとどんどん任用していき、失敗してもかまわないので挑戦を促しています。それは、失敗してもそれを糧として、取り込みさらに前に進むという経験が人を育てると考えているからです。

さらに、トレパス(Training Pass Ticket)という制度もあります。これは、若手を抜擢し、半年間、毎回の役員会に参加させるというもの。リアル役員会で、どのような議論がされているか、役員のレベル感を知れる機会も提供しています。

自分で考えて自分で創るという姿勢は、ベンチャーであればこそなおさら重要で、自創し、自走できる組織カルチャーの醸成に努めています。

-お話のような自考自創の企業文化を支えるにあたって最も重要なのものは何でしょう?

そのときに大事なのは、やはり人。事業は誰とやるかが極めて重要です。サイバーエージェント時代からの経験を踏まえても、事業を何十個と創っても、結局5、6事業程度しか残りません。このとき、事業の存続に失敗しても、もう一回同じメンバーで事業を新しく創ろうと奮起できるかどうかです。

このときに人間性は非常に大事ですよね。例えば、常に自分が先立つ「I」で語る人ではなく、われわれ「We」で語る人が良いなどです。常に全体を意識して、発言している社員から成る組織であれば、永続する可能性が高い。仮に、上手く行かなかったことがあっても、もう一度一緒にやろうかと思える。これが最終的には、残っていける、変化に強い組織になるのだと考えます。

今、確実に言えることは、世の中が不確実であることです。10年後、20年後にはインフルエンサーは全く別のものに変わっているかもしれません。変わっていても良いと思います。われわれが拘っているのは、インフルエンサーのビジネスではなく、コミュニケーションによって世の中を変えることだからです。

-世の中を変えたいといったとき、変わった世界のイメージをお聞かせください。

非常に基本的なことですが、コミュニケーションによって成り立つ世の中において、良い情報が、正しく、きちんと伝わり、ちゃんと理解できることがもっとも重要だと思います。

今日、フェイクニュースが増え、何が本当なのか、うそなのかわからない状況となってきました。そこで、この人が言うのだったら、どれくらい正しいかという、情報の信頼性がスコア化されるなど、客観的な評価基準が、今後ますます重要になってくると思います。

人が生きていく上で、騙されたりしないような、健全な情報化社会のベースになる世界の基盤を創っていきたいですね。

<プロフィール>
髙村彰典(たかむら・あきのり)

1997年4月 興和株式会社入社
1999年1月 株式会社サイバーエージェント入社
2005年8月 同社広告事業本部担当執行役員就任
2005年12月 同社取締役就任
2006年4月 株式会社サイバー・バズ取締役就任
2010年10月 株式会社サイバー・バズ代表取締役社長就任(現

株式会社サイバー・バズ
CyberBuzz, Inc.
https://www.cyberbuzz.co.jp/

所在地:〒150-0031 東京都渋谷区桜丘町20-1 渋谷インフォスタワー 18階
設立:2006年4月
資本金:4億7,014万6千円
事業内容:ソーシャルメディアマーケティング事業
子会社 株式会社ソーシャルベース
子会社 株式会社BuzzJob
子会社 スタイル・アーキテクト株式会社
主な取引先:オルビス、花王、カネボウ化粧品、資生堂ジャパン、第一三共ヘルスケア、マンダム、ロート製薬 など
(※五十音順・敬称略)
加入団体:一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(JIAA)、WOMマーケティング協議会(WOMJ)、一般社団法人 デジタル広告品質認証機構(JICDAQ)、新経済連盟(JANE)

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