2021年08月18日(水)0ブックマーク

全フリーランス必見! 嫌な思いをしないために知っておきたい法律の基礎知識

経営ハッカー編集部
シェア0
ツイート
ブックマーク0
後で読む

2021年3月26日「フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン」が策定されました。策定に携わった、内閣官房、公正取引委員会、厚生労働省よりゲストを招き、ガイドラインを解説するセミナーを2021年5月13日に開催しました。このセミナー内容をレポート形式でお届します。

目次

    第一部:ガイドラインの説明

     

    ―フリーランスが押さえておくべきガイドラインの要点―

     

    ガイドラインに関する解説およびガイドラインに対する質問への回答について、かいつまんで紹介します。

    <ガイドライン解説>
    内閣官房 成長戦略会議事務局 参事官 松下 和生 氏

    <質問への回答>
    内閣官房 成長戦略会議事務局 参事官 松下和生氏
    公正取引委員会 経済取引局 経済調査室 室長補佐 飯田 達也 氏
    厚生労働省 労働基準局 監督課 係員 杉本 恭平 氏
    厚生労働省 労働基準局 労働関係法課 法規第2係長 本安 貴登 氏

    ガイドラインの基本

    Q:このガイドラインはどのようなものなのか?

    A:フリーランスと発注事業者の取引について、どのような関連法令がどう適用されるのかを整理したもの。フリーランスの活躍の場が増える一方で、発注事業者とのトラブルも増えており、令和2年度の成長戦略実行計画において環境整備を図る流れのなかで策定された。

    Q:ガイドラインにおけるフリーランスの定義とは?

    A:「実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者」とされている。「実店舗」の判断基準はガイドラインに明記されている。たとえば、自宅の一部で小規模の仕事を行う場合や、コワーキングスペース、オンライン店舗などは実店舗にあたらない。

    Q:ガイドラインに関連する法令とは?

    A:フリーランスと発注事業者の取引全般に「独占禁止法」が適用される。発注事業者の資本金が1,000万円超の場合は「下請法」が適用される。また、業務の実態などから労働者性があると判断される場合は、「労働関係法令」が適用される。

    Q:会社員だが副業で個人事業主として働いている場合、ガイドラインは適用されるのか?

    A:個人事業主としての業務について、「フリーランス」として働いているということであれば、ガイドラインが適用される。会社員としての業務については、ガイドラインは関係なく、一般的な形で労働関係法令が適用される。

    「独占禁止法」「下請法」の適用について

    Q:フリーランスと発注事業者の取引において、独占禁止法および下請法はどのように適用されるのか?

    A:「優越的地位の濫用の禁止」および「発注時の取引条件を明確にする」ことに留意する。

    • 優越的地位の濫用の禁止:優越的地位にある事業者が、その地位を利用してフリーランスに対して不当に不利益を与えることを禁止している。
    • 発注時の取引条件を明確にする:発注事業者が取引条件を明確にする書面を交付しないことは、正当な理由がない限り、独占禁止法上不適切。下請法では書面交付は義務。

    ガイドラインにおいて、「独占禁止法(優越的地位の濫用)・下請法上問題となる行為類型」が、12のカテゴリ別に整理されており、優越的地位にある事業者がフリーランスに対して次のような行為を行なうことは問題となり得る。

    1. 報酬の支払遅延
    2. 報酬の減額
    3. 著しく低い報酬の一方的な決定
    4. やり直しの要請
    5. 一方的な発注取消し
    6. 役務の成果物に係る権利の一方的な取扱い
    7. 役務の成果物の受領拒否
    8. 役務の成果物の返品
    9. 不要な商品又は役務の購入・利用強制
    10. 不当な経済上の利益の提供要請
    11. 合理的に必要な範囲を超えた秘密保持義務等の一方的な設定
    12. その他取引条件の一方的な設定・変更・実施

    なお、これらの類型以外にも独占禁止法・下請法上問題となる場合がある。

    Q:「独占禁止法(優越的地位の濫用)・下請法上問題となる行為類型」における「3.著しく低い報酬の一方的な決定」とは、何を基準とした金額になる?

    A:一律の基準はない。ガイドラインにも記載されているが、報酬の決定にあたり十分に協議が行われたか、ほかの取引先と比べて差別的でないかなど、個別事案ごとに総合的に判断される。

    Q:発注事業者以外にガイドラインの対象となる事業者はいるのか?

    A:フリーランスと発注事業者をマッチングするサービスなどを提供する仲介事業者も対象。発注事業者と同様に、優越的地位にある仲介事業者が、一方的に規約を変更することにより、フリーランスが仲介事業者に支払う手数料が引き上げられたり、発注事業者からフリーランスに支払われる報酬が減るなどの場合には、優越的地位の濫用として問題となる可能性がある。

    労働関係法令の適用について

    Q:フリーランスと発注事業者の取引において、労働関係法令はどう適用されるのか?

    A:見かけ上は雇用関係にない場合でも、実際の働き方が発注事業者の指揮監督下にある、作業時間に応じた労務対価性のある報酬など、総合的に判断して労働者性が認められる場合、労働基準法または労働組合法が適用される。判断項目詳細はガイドライン記載。

    • 労働基準法における「労働者性」の判断基準
      仕事の諾否の自由の有無、業務遂行上の指揮監督の有無、拘束性の有無など、「指揮監督下の労働」であるかという点、作業時間をベースにして報酬が支払われるなど「報酬の労務対償性」があるかという点、などの要素から個別の事案ごとに判断されます。
    • 労働組合法における「労働者性」の判断基準
      事業組織への組み入れ、契約の一方的・定型的決定、報酬の労務対償性が基本的な判断要素となる。また、業務の依頼に応ずべき関係や広い意味での指揮監督下の労務提供、一定の場所・時間の拘束なども補充的な判断要素となる。一方、フリーランスに顕著な事業者性が認められる場合は労働者性が弱まる。

    Q:労働者性の有無は誰が判断するのか?

    A:一義的には、労働基準法については労働基準監督署、労働組合法については労働委員会に対する不当労働行為の申立ての審査の中で判断されることになる。最終的には裁判で判断される。

    Q:最近増えているフードデリバリ―には労働者性は認められる?

    A:日本では、フードデリバリ―サービスのひとつ「Uber Eats」について、労働委員会で係争中であり、労働組合法における労働者性が認められるかどうか、その動向を注視している。
     

    第二部:トラブル防止・解決の方法

     

    ―「フリーランス・トラブル110番」を活用しよう―

     

    東京第二弁護士会 弁護士 山田 康成 氏による、フリーランス・トラブル110番のご紹介です。

    Q:フリーランス・トラブル110番とは?

    A:第二東京弁護士会が運営している、フリーランス・個人事業主の受発注に関するトラブルの相談窓口。厚生労働省より委託を受け、2020年11月25日に運営を開始した。相談員は第二東京弁護士会の弁護士であり、特にフリーランス・個人事業主の契約関係や働き方の問題点に知見や関心の高い弁護士が交代で対応している。

    Q:相談に対してどのように対応してもらえるのか?

    A:基本的に最初は電話かメールで相談を受け、相談内容に応じて対面で話をすることもある。対面はWeb対応も可能。

    法的アドバイスのほか、トラブル解決のためのさまざまな手続きを行う。アドバイスを受けて自身で発注事業者に交渉するケースが多いが、労働基準監督署、公正取引委員会や中小企業庁への相談・申告手続きを案内する場合もある。

    特徴的なのが「和解あっせん手続き」。フリーランス・個人事業主と事業者との取引において、弁護士があっせん人として間に入り、双方の話を踏まえて合意できるところを探っていくという、民間の調停手続きを弁護士会で担っている。
     

    第三部:下請法に対応したサービス紹介

     

    ―「freeeスマート受発注」を活用しよう―

     

    ガイドラインを守るにあたって重要になるのがフリーランスへの受発注です。従来発注業務における課題として、事務処理で煩雑なやりとりの往復をされているケースがあります。複数の書類を作って、メールでやりとりをすることは、受注者にとっても発注者にとっても負担になっています。これが原因で、発注書の送り忘れや支払漏れが起こってしまいガイドラインを守れないというケースも珍しくありません。

    そこでスマート受発注は、発注者と受注者がクラウド上で同じデータを共有しあうことで、転記作業は一切不要になります。また、PDF出力などをすることなく、全て電子データとしてサービス内でやりとりを完結することができるため、受発注業務全体のプロセスを短縮することが可能です。

    消費税や源泉徴収税も項目を選択すれば自動で計算されるため、金額の記載間違いも防ぐことが可能です。また自動で作成される書類は下請法で定められている項目を網羅しているため、発注者としても受注者としても安心して取引を行うことが可能です。

    詳しくはこちら

    まとめ

    今回紹介したガイドラインについて知っていることで、フリーランスの働きやすさは大きく向上します。発注事業者がガイドラインに違反しているが伝え方がわからない、伝えても対応してもらえないなど、困ったことがある場合は、フリーランス・トラブル110番も活用しましょう。

    また、freeeスマート受発注サービスを利用すれば、効率的な受発注や、下請法に対応した書類のやり取りが可能になります。無料で利用できますので、ぜひ活用しましょう。

    以下のURLから登録不要で一連のフローもご体験可能です。

    freeeスマート受発注
     


    ■登壇者一覧

    主催:一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会
    「全フリーランス必見!嫌な思いをしないために知っておきたい法律の基礎知識」

    <第一部>
    内閣官房 成長戦略会議事務局 参事官 松下和生氏
    公正取引委員会 経済取引局 経済調査室 室長補佐 飯田達也氏
    厚生労働省 労働基準局 監督課 係員 杉本恭平氏
    厚生労働省 労働基準局 労働関係法課  法規第2係長 本安貴登氏

    <第二部>
    東京第二弁護士会 弁護士 山田 康成 氏

    <第三部>
    freee株式会社 プロダクトマネージャー 小暮 貴大

    文責 freee株式会社
     

    シェア0
    ツイート
    ブックマーク0
    後で読む

    関連する事例記事

    • フリーランスの働き方05月19日経営ハッカー編集部

      フリーランス美容師になったら確定申告は必要? おすすめの方法をご紹介!

      0ブックマーク
    • フリーランスの働き方05月11日経営ハッカー編集部

      企業経営者に求められるフリーランスとの付き合い方【セミナーレポート】

      0ブックマーク
    • フリーランスの働き方2020年08月07日経営ハッカー編集部

      「なんとなく」フリーランスで早7年 実績重ねプロフェッショナルに ライター・PRコンサルタント 井澤梓

      0ブックマーク
    • フリーランスの働き方2020年06月25日経営ハッカー編集部

      個人事業主の廃業手続きと間違えやすい5つのポイント

      1ブックマーク
    • フリーランスの働き方2019年11月05日経営ハッカー編集部

      世界で加速する、フリーランス・ファーストの波。いま身につけるべきスキルとマインドセットとは

      0ブックマーク
    関連記事一覧