NPO法人とは？20の活動内容と法人設立のための費用・税金・給料などに関する基本知識まとめ
法人と呼ばれる団体のひとつ「NPO法人」とはどのような法人なのでしょうか。
NPOの定義と設立にかかる費用や税金、給料など、NPO法人の運営に関する基本知識について解説していきます。
NPO法人とは
NPO法人とは、「特定非営利活動法人」のことです。
NPO法人の活動内容は、特定非営利活動促進法という法律で20種類と決められています。
法律で決められている以外の活動でNPO法人を設立することはできません。
法律で定められたNPO法人の20の活動
特定非営利活動促進法で定められているNPO法人の活動は以下20の活動です。
・保健、医療又は福祉の増進を図る活動
・社会教育の推進を図る活動
・まちづくりの推進を図る活動
・観光の振興を図る活動
・農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
・学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
・環境の保全を図る活動
・災害救援活動
・地域安全活動
・人権の擁護又は平和の推進を図る活動
・国際協力の活動
・男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
・子どもの健全育成を図る活動
・情報化社会の発展を図る活動
・科学技術の振興を図る活動
・経済活動の活性化を図る活動
・職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
・消費者の保護を図る活動
・前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
・前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動
活動分野を変更もしくは追加する場合
NPO法人設立時の分野を変更もしくはついかしたい場合は、定款を変更してから法務局にて登記を行い、都道府県もしくは市区町村からの認証を受けなければなりません。
NPO法人設立のための要件
非営利活動とはボランティア活動のことではなく、行政や民間が提供できない地域活性のためのサービスを提供する法人として活動するということです。
NPO法人を設立するためには、以下の要件を満たしていなければなりません。
・営利目的ではないこと。
・宗教活動・政治活動を主な目的としないこと。
・特定の個人もしくは法人その他団体の利益を目的に事業を行わないこと。
・特定政党のために利用しないこと。
・特定非営利活動の事業に支障が出るほど他の事業を行わないこと。その他の事業については、特定非営利活動の事業の会計とは区分し、利益は特定非営利活動の事業に充当すること
・暴力団または暴力団構成員、暴力団の構成員ではなくなった日から5年経過していない者の統制下にはないこと
・社員資格の取得と喪失に関して不当な条件をつけないこと。
・10人以上の社員がいること。
・役員は法第20条に規定されている欠格事由に該当しないこと。
・役員に配偶者もしくは三親等以内の親族が2人以上おらず、役員総数の1/3を超えないこと。
・理事もしくは監事が定数の2/3以上いること。
・会計は要件にて指定されている会計の原則に従って行うこと。
NPO法人の社員は法人の議決権を持っているなど、一般企業の社員とは違う立場です。
＜参考＞東京都生活文化局：法人の認定等
NPO法人の税金
特定非営利活動法人であっても、法人税法で定められている収益事業については法人税が課されます。
特定非営利活動法人という名称であることから、NPO法人は営利活動を行わないというイメージを持たれがちですが、NPO法人も収益活動を行います。
NPO法人の目的は収益を得ることではなく、非営利活動の資金を作るために収益活動を行うことです。
収益活動を行う場合には、あらかじめ税務署に届出を行う必要があります。
収益事業が主な目的ではないため収益を社員に分配することはできず、会計処理についても「非営利活動」と「収益活動」は分離しなければなりません。
NPO法人の給料
NPO法人は職員に給料を支払うことができますが、給料額は民間企業の会社員が受け取る給料額のおよそ6割程度で、出資者に対する配当はありません。
まとめ
NPO法人の活動分野や設立要件について見ていくと、NPO法人が社会でどのように位置付けられているかをよく理解できます。
社会貢献活動をしっかりと組織化して行いたい場合は、NPO法人の設立を検討してみてはいかがでしょうか。
“社会的な使命を達成することを目的にした組織のNPO法人は、比較的身近な存在になりつつありますが、どんな人がどのように運営しているかの内情を知る機会はなかなかありません。”
＜引用元＞経営ハッカー：「NPO法人を立ち上げる人には、強烈な“〇〇〇”がある」 ～NPO法人専門の税理士さんは語る～
