2019年12月11日(水)0ブックマーク

資本金・資本準備金・資本余剰金の違いとそれぞれの役割を徹底解説

経営ハッカー編集部

資本金 資本剰余金 資本準備金 違い

「資本準備金」「資本余剰金」はどれも「資本金」に関係する用語ですが、その違いについてはよくわからない方も多いものです。
 
そこで、「資本準備金」「資本余剰金」の違いやそれぞれの役割について解説していきます。
 

 

会社設立に不可欠な「資本金」

事業を0から1にするとき、どうしても必要になるのがお金です。
 
事務所を借りるための賃貸料、事務所の環境を整えるための費用など、会社を設立するだけでも費用がかかりますし、社員を雇用するのにも費用がかかります。
 
多くの費用がかかるので、事業をスタートさせたら少しでも早く売上で巻き返したいと思うところですが、最初は売上がほとんどないような状況が続くことも珍しくありません。
 
そこで生きてくるのが「資本金」です。
 

 

資本金とは

資本金とは、設立した会社が最低限維持しなければならない金額です。
 
資本金と出資額は同額だと思われがちですが、資本金は出資額の一部としてもかまいません。
 
資本金を減らしたい場合には債権者の同意が必要で、その他にも複雑な手続きを行わなければなりません。
 

 

資本準備金とは

出資額を全額資本金としない場合「資本準備金」という名目を使います。
 
会社法では、出資金の2分の1を超えない額は資本金として計上せず、資本準備金として計上できることになっています。
 
例えば、出資金500万円に対して資本金を半分の250万円としたい場合には、残りの250万円を資本準備金として計上するということになります。
 
出資金の半分を超えなければいいので、資本金を200万円として資本準備金を300万円とすることも可能です。
 

資本準備金のメリット

資本準備金のメリットは、資金を他の用途に転用しやすいことです。
 
資本金を増減する場合は登記手続きや株主総会での特別決議など複雑な手続きが必要ですが、資本準備金を増減させるのは簡単です。
 
赤字が出れば資本準備金で補填してもかまいません。
 
法人住民税は資本金を基準に計算されるので、資本金をなるべくおさえておいて残りを資本準備金としておけば、法人税の節約にもなります。
 
法人住民税はどんなに赤字でも納税しなければならない税金なので、資本金を資本準備金に分けてリスクを回避します。
 

 

資本余剰金とは

「資本余剰金」という言葉を目にする機会があるとすれば、貸借対照表の「純資産の部」です。
 
資本余剰金とは、資本準備金とその他の資本余剰金の合計額を示すものです。
 
「その他の資本余剰金」に含まれるのは、自己株式を処分した際の差額や、増加した資本のうち資本金および資本準備金に含めなかった資本です。
 
資本準備金と資本余剰金の違い
資本準備金も資本余剰金も「純資産」ですが、配当原資とできるかどうかの違いがあります。
 
資本準備金は株主に対する配当原資として認められておらず、資本余剰金は配当原資として認められています。
 

 

利益余剰金と資本余剰金は違う

資本余剰金と似ている言葉として「利益余剰金」があります。
 
利益余剰金は事業によって獲得した利益からくるものであって、出資者から集めた資本とは性質が異なるお金です。
 

 

資本金と税金

会社設立時の資本金が1,000万円未満の法人は、最長2年間消費税が免除になります。
 
資本金が3,000万円以下の青色申告法人は、「特定中小企業者等」に区分され、対象資産の購入金額やリース金額の7%の税金が免除されます。
 
資本金1億円以下の法人については、年間800万円以下の所得に軽減税率が適用されたり、年間の交際費のうち800万円までは経費として計上できたりするなど、資本金を境界に定めている税の優遇措置がいくつもあります。
 
資本金と資本準備金は別ですが、税法上は「資本金等」という考え方も存在します。
 
「法人税法の資本金等」は「出資額」のことですが、自己株式の取得によって出資額が減少すると資本金等の額が減少します。
 
出資額を無償で増減させた場合については、出資金等が増減したこととはなりません。
 
「地方税法の資本金等」は、法人税法の資本金等に無償増資と無償減資をプラスマイナスした額で、均等割は、地方税法の資本金等の額と出資額で金額の大きいほうが均等割の基準になります。
 
地方税法の資本金等の額は、外形標準課税の資本割の課税標準として事業税の算出に用いられます。
 

“消費税においては、中小事業者の納税事務負担などに配慮して、その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下の事業者については、納税義務を免除する事業者免税点制度が設けられています(注1)。”
 
<引用元>国税庁:基準期間がない法人の納税義務の免除の特例

 

まとめ

資本金と資本準備金、資本余剰金の関係が理解できれば、効果的な節税対策を考えた上で会社を設立できます。
 
特に資本金は一度決めると後から変更するのは大変なので、最初によく検討してから資本金を設定しましょう。
 

“資本金が1億円以下の中小法人、より厳密には法人税法上の「中小法人等」または租税特別措置法上の「中小企業者」に適用される税制優遇措置のうち、主なものは以下の通りです。”
 
<引用元>経営ハッカー:【法改正】中小法人の税制優遇基準「資本金1億円以下」の見直しがもたらすもの
 

<参考>国税庁:「利益積立金額及び資本積立金額の計算に関する明細書」
 
 

 

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