正規・非正規にこだわらない「働き方」へ! プロフェッショナルに特化したビジネスマッチングサービスを提供する 〜株式会社みらいワークス
働き方改革や高度プロフェッショナル制度など、官民問わず新たな「働き方」を巡る動きが騒がしい。こうした時代の風雲児たりえる企業が、月収100万円以上のプロフェッショナルに特化した人材マッチングサービスを提供する「株式会社みらいワークス」だ。
従来の人材活用方法は、会社を中心に見て、主に正規雇用か非正規雇用かの2択しかなかった。しかし、同社では、優秀な個人に焦点をあて、彼らがフリーランス、起業、雇用の間を自由に行き来し、「プロフェッショナル」であることを武器に自らの人生を幅広く選択していける、そんな社会を作ろうとする思いがある。働き方の価値観を逆転させるインパクトを秘めた取り組みについて、代表取締役社長・岡本祥治さん、およびEngagement部マネージャー・久野芳裕さんにお話を伺った。
これから求められるプロフェッショナルの在り方とは?
—まずは岡本社長からお話を伺います。御社が定義する「プロフェッショナル」とはどういった人材を指すのでしょうか?
(岡本)プロフェッショナルというと、世の中にはいろいろな定義があると思いますが、弊社では「仕事に対する姿勢」だと考えています。具体的には、「時給」で働くのではなく、成果やアウトプット、つまり「何を結果として残すか」に主眼を置いて仕事をする人材のことです。別の言い方をすれば、「to do(何をするか)」、ではなく、「mission(何を成し遂げるか)」をベースに仕事をする。こういった方々がプロフェッショナルであると考えています。
弊社はフリーランスの中のプロフェッショナル人材に特化していますが、当然ながら企業に属しているサラリーマンの中にもそういった方々はたくさんいらっしゃいます。働き方の形態にこだわらず、「プロとして働く」という在り方、働き方をもっと世の中に広めていきたいと考えています。
—御社の紹介する「プロフェッショナル人材」には、どのような強みがありますか?
(岡本)弊社の場合、類似の業態がほとんどなく、比較されるのは顧問派遣やエンジニア派遣といった業態になるのですが、いちばんの強みは「ものごとを推進する力」を現場に提供できることです。アドバイスだけでなく、実行の部分も一緒に行える人材を紹介できるということです。今は、ものごとを進めている最中に新しいことがわかって、走りながら考えるような時代になっているので、実行力を提供できることは大きな強みです。
ある証券会社の事例では、もともといただいていたオーダーに沿ってプロジェクトを進めていたのですが、進めていく中で、もともとのオーダーは行わない方がいいことがわかってきました。そこで、これをやめて代わりにこちらを行った方が良いですよねと提案しました。クライアントが間違っているときには間違っていると伝えて、別の方法を導き出してそれを一緒に進める。単に言われたことだけをやるのでもなく、きれいごとだけ言って終わるのでもない。弊社の人材なら、改善策を出し、それを実行するところまで共に歩いていくことができます。
法人に所属している人がクライアント内でプロフェッショナルサービスを行う場合、会社の都合でものごとを進めなければいけないとか、このソリューションを売り込まなければいけないとか、どうしても何らかの縛りがあります。弊社の場合はそれがまったくないので、自由に、本当にクライアントのためにこうあるべきだという形で仕事ができます。恣意的なものが一切入りませんし、社内政治も関係ありませんので、型に嵌まらない働き方を提供できる使い勝手の良いプレイヤーとして大きな戦力になるはずです。
—プロフェッショナルに特化したビジネスマッチングサービスを通じて、御社が目指しているものは何ですか?
(岡本)弊社は「プロフェッショナルが挑戦するエコシステムを創造する」というビジョンを掲げています。ここで言う「エコシステム」とは、プロフェッショナルが正規雇用や独立、フリーランス、起業といった多様な働き方を、その時々の価値観やライフステージ、家庭の状況などに応じて選択しやすい社会ということです。
たとえば、子どもがまだ小さいので子どもとの時間を大切にしたい、週2日ぐらいで働きたいと思ったとき、それはサラリーマンでは許されませんが、フリーランスになればできるのです。日本の子育ての制度は、形式的には男性でも子育てができるようになっていますが、完全に休むか働くかという極端な選択を迫られます。しかし、本来であればこうしたことは個人の価値観に基づいて選択できるべきです。雇用という立場ではそれができないのであれば、いったんフリーランスになり、子どもが小学校に上がったらまたフルタイムで働く。そのときに再び雇用という立場になるのか、フリーランスとしてフルタイムで働くのか。それはそのときの状況に応じて決めれば良いでしょう。
—「エコシステム」という考え方はユニークですね。
(岡本)昔であれば、一度独立してしまったら片道切符で、二度と雇用には戻れないのが当たり前でした。これからは、自分の価値観やライフステージに合わせて自由に選択できるようにしたい。我々はこういったフレキシブルに人生の選択肢を持てる社会を作ろうとしていて、それを「プロフェッショナルが挑戦するエコシステム」と呼んでおり、弊社はそのエコシステムを支えるプラットフォームになろうとしているわけです。
こうした社会ができあがったときには、プロフェッショナル人材は雇用と同じ感覚で、独立や起業を選択肢として選べるようになるので、転職や、社内で別の部門に異動するのと同じように働き方を変えてしまえる。たとえばプロジェクトワークが立ち上がったときに、プロフェッショナルにとってはそのプロジェクトが社内のものでも、社外のものでもあまり関係ない。その時々で必要な人材がワッと集まってイノベーションを起こし、それが終わったらまた散っていく、こういう働き方が世の中に広まって、当たり前のようにものごとを変えてしまう。弊社が目指しているのは、エコシステムを作ることによって日本を元気にすることなんです。
—そうした社会の実現は、経営者にとってはどのようなメリットがあるのでしょうか?
(岡本)従来、人材は主に新卒で採用して、一生懸命一人前に育てて活躍してもらうものでした。ところが、ビジネスのスピードが非常に早くなり、社内のみで人材をイチから育て上げて戦っていくというやり方は難しい時代になっています。一人前になるまでの5年、10年の間に世の中が変わってしまうんです。あるスキルを磨いて欲しいと思って育てても、一人前になったときにはもう遅い。そのスキルは必要なくなっていることもあるでしょう。
そのときそのときで必要な人材を調達してくる考え方は、これからの経営にとってはリーズナブルでやりやすい方法なんです。需要のあるときだけ必要な人材を連れてくることができれば、経営を行う上での選択肢も増えます。人材の教育を自分たちで行わなくて良くなるメリットもあります。経営者自身にとっても、また、外部の血を入れることで、変化へのカンフル剤、起爆剤になります。何かを変えなければと思っていても、内部のみで自分たちを変えるのは難しいですからね。
ヘルスケア、ライフサイエンス分野に特化したプロフェッショナルへのニーズは?
-ここからは久野さんに伺います。久野さんはみらいワークスが運営する医療系プロフェッショナル人材に特化したマッチングサービス「ヘルスケアプロフェッショナルズ.jp」の発起人であり、マネージャーと伺っています。ヘルスケアチームの活動状況はいかがですか?
(久野)昨年6月25日のリリース以降、登録コンサルタントの数は順調に増えています。ただヘルスケア、バイオ、医療といった業界の特性上、どうしても堅い企業が多く、我々のマッチングが浸透には他業界よりも時間がかかる感触がありますね。現在はヘルスケアチームを二手に分け、従来私が手がけていたコンサルタント紹介の部分は別の者に任せています。
私の方は、新たなプロジェクトを立ち上げて、そちらに軸足を置いています。我々の登録者はフリーランスですが、業界全体で改革が叫ばれる中、即戦力へのニーズとして、フリーランスに限らず正規の中途採用へのニーズも大きいと感じています。そういった状況を踏まえて、優秀な方であれば正社員希望のほう方にも登録していただいて、従来のフリーランス人材の業務委託でのビジネスマッチングと合わせて両軸で紹介を行っていこうとしています。合わせて、ヘルスケア業界全体を変えたいという目標の中で、これまで弊社がターゲットにできていなかったベンチャー企業などへの即戦力人材の紹介も始めようとしています。
—ヘルスケア業界を変えるためにベンチャーもターゲットに含める狙いは何なのでしょうか?
(久野)ある特定の業界で、経営もできてその業界のことも知っているプロフェッショナルはなかなかいません。そこを埋めるために弊社のプロフェッショナル人材を使いませんかというのが、弊社が行ってきた提案です。ベンチャーというフェーズにある企業においても、ここは同じです。ベンチャーに興味があり、業界への知見にも富んでいるプロフェッショナルを紹介することで、新しい種やビジネスアイデアを世に出していける取り組みを行えればと思っています。まずはヘルスケア、そこができたらもっとフィールドを広げて、様々な業界で取り組みができると面白いかなと。
弊社の既存の登録者の平均年齢は40代ですが、これからは、若手から50代まで、より幅を広げたいと思っています。たとえば、ずっとひとつの企業で働いてきて、機動力はないけれども技術やスキルは高い50代の方。そういった人材に対して何かできないか。そのために、こういう人材が余っているから仕事を与えたいというニーズを企業から吸い上げ、企業から企業への業務委託というビジネスモデルも始められればと思っています。これまで行ってきた個人への業務委託ではなく、企業からの案件に対して企業を紹介する形ですね。
—フリーランスを業務委託で、という枠を超えて「働き方」にアプローチしているのですね。
(久野)今私が行っているのは、企業からこういう部署、こういう人材が余っているという話があれば、その人たちが得意なことをヒアリングして、たとえば営業をやらせたらピカイチだということであれば、営業のリソースが足りない企業に紹介する。こうした動きをヘルスケアに限らず業界を跨いで行っています。
それから、転職市場からは溢れてしまうけれども、経験や人脈を持っている早期退職者の方々。ただ年齢だけで弾かれているような優秀な人材に対して、弊社が業務委託のマーケットを作りたいと思っています。
実は、人で困っている企業と、ベンチャーに興味がある方を会わせる場を作りたいと思っているんです。企業側、個人側、それぞれアピールする場を設けて、何かマッチングにつながればと。お見合いイベントやピッチイベントのようなものですが、弊社ならではの面白いものにしたいですね。オンラインでもオフラインでも良いのですが、電話やメールではなく、企業と個人が直接、タイムリーに会話できる場を作れればと良いと思っています。
—企業側にとっても、幅広い相談ができそうですね。
(久野)私にとって弊社は、ただ人材を紹介する会社ではなく、「働き方」や「人に関する問題」を解決する会社だと思っています。「人」で困っていることがあったら何でも言ってほしい、それに対する提案はできますよということです。こんな人が欲しいというだけではなく、この人をこう変えたいというご相談でも良いのです。たとえば、管理職の海外派遣に向けて、実践的な現地生活のノウハウやハウツーをお話しする研修講師の紹介も行っています。バラエティーに富んだ登録者を活用して、いろいろなご提案ができます。相談ベースで構わないので、なんでも言っていただければと思います。
(岡本)弊社が運営する「フリーコンサルタント.jp」に載せている事例ですが、ジェネリック薬品の製薬会社である東和薬品さまから、世の中にこんな人材がいるわけがないと思うような人材のオーダーを受け、そこに対してバシッと嵌まる人材をご紹介して、「いるはずのない人材を連れてきてくれたね」と喜んでいただいたこともあります。ぜひ一度ご相談ください。
【プロフィール】
岡本祥治(おかもと ながはる)
2000年に慶應義塾大学理工学部を卒業後、アクセンチュア株式会社に入社。ITコンサルタントとして基幹システム導入などのプロジェクトに参画。戦略グループ転籍後は事業戦略策定や新規事業立ち上げなどを推進。ベンチャー企業へ転職後は経営企画室責任者として事業管理や新規事業立ち上げなどを牽引。2007年に株式会社オンサイドパートナーズを設立し、フリーランスのコンサルタントとして活動を開始。独立プロフェッショナルの需要に着目し、プロ人材に特化したフリーランス派遣事業を立ち上げ、2012年3月に株式会社みらいワークスを設立。創業者として事業を推進し、働き方改革の広がりやフリーランス需要の拡大とともに急成長し、2017年12月に東証マザーズへ上場。趣味は読書、ゴルフ、焼肉、旅行(日本47都道府県・海外は80ヵ国渡航)。経済同友会会員。一般社団法人日本スタートアップ支援協会顧問。
久野芳裕(ひさの よしひろ)
アメリカの大学卒業後、心臓外科医としてキャリアをスタート。帰国後、自身で立ち上げた法人で医療コンサルタントとして活動。現在は医療業界で誠心誠意、医療に携わっている人たちが報われる環境を作りたいという思いでみらいワークスに参画し、現在は製薬医療チームの人材コンサルタントとして活動。
【会社情報】
株式会社みらいワークス
所在地 東京都港区東新橋二丁目8番1号 パラッツォアステック7階
設立:2012年3月
資本金:197,795千円 (2018年12月31日現在)
連絡先:電話:03-5860-1835
E-mail:info@mirai-works.co.jp
主な事業:人材採用・調達支援- 有料職業紹介事業許可証 13-ユ-305507
- 労働者派遣事業許可証 派13-305405