ギークス佐久間大輔取締役、佐々木一成SDGsアンバサダーに聞く~フリーランスと共に築くESG経営とは?
ギークスの誕生から4事業業態への成り立ち
-はじめに、ギークスの事業内容を簡単に教えてください。
佐久間(以下同様):ギークスグループはフリーランスの方々の力を活かしたIT人材領域をメイン事業に設定しています。内容的には、日本で深刻な問題となっている慢性的なIT人材不足を解消すべく、フリーランスの技術リソースシェアリングや、スマートフォン向けゲーム開発・運営事業を行っています。
さらに、将来のエンジニア育成という観点から、フィリピンの日系最大級のテックスクールで培ったノウハウをもとに次世代エンジニアを育てています。また、新規事業開発も積極的に進めており、スポーツ領域でのコンサルティング・制作・運用を強みとしたデジタルマーケティング支援事業に取り組んでいます。
私たちはこれら各事業を「IT人材事業」、「ゲーム事業」、「Seed Tech事業」、「x-Tech事業」と呼んで、事業ポートフォリオを構成しています。
-メイン事業である、フリーランスを活かした「IT人材事業」のビジネスモデルとはどのようなものでしょうか?
「ROOT」という自社開発のシステムで、主にネット系サービス会社のアジャイル開発案件や、業務系システム開発会社のシステム開発プロジェクトの案件情報を管理し、同様にスキルや経験など詳細なデータで管理されているITフリーランス人材との最適なマッチングを実現しています。この仕組みにより、クライアントの開発案件に素早く対応することができ、企業のIT人材不足課題に対応しています。
ITフリーランスの方々に向けては、案件検索サイト「geechs job」により案件情報を提示したり、当社が営業代行をすることで企業との仲介役となり、ITフリーランスの方にとって安定的な案件の受注ができるようサポートしています。また、詳しくは後述しますが、フリーランス向け福利厚生サポートサービス「フリノベ」等の提供も行っています。
-「ゲーム事業」参入の経緯は?
次の柱となって育っているのがゲーム事業です。リーマンショック後から、業務系SIerの仕事が激減する一方、私たちは、大きく伸び始めていたインターネット系の開発案件にシフトしていきました。特に、パズドラ、モンスターストライクといった、ゲームアプリが大ヒットし、その影響でゲーム会社からの引き合いが増えてきたのです。
iPhoneのゲームアプリが先々も伸びそうだという状況下、ガラケー時代のコンテンツ制作経験のある代表の曽根原がその可能性を感じ、自らITフリーランスを集めて、独自のゲーム開発を始めたのです。
「ゲーム事業」は当初、パブリッシャー(タイトルの企画、配信、プロモーションを行う)としてスタートしましたが、業績の変動幅が大きくなるため、デベロッパー(タイトルの企画、開発、運営)の業務に特化することにしました。現在は、ゲーム事業を「G2 Studios」としてグループ会社化し、大手パブリッシャーからの自社IPを使ったゲーム開発を提案してほしい等のご依頼に基づき、スマートフォン向けネイティブアプリゲームの企画・開発・運営を受託しております。
もちろん、ゲームの開発工程においても、当社に登録いただいたITフリーランスに開発業務を発注することで、柔軟な開発ライン作りや開発スピードを向上させることができる点で「IT人材事業」とグループ内相乗効果を図っています。
-IT人材育成の「Seed Tech事業」は、フリーランスを投入しても足りない不足人材をさらに補う狙いがあったのでしょうか?
いえ、そうではありません。将来的には、ITフリーランスとして活躍する可能性は十分ありますが、日本のIT人材不足に対して、既にある技術力のシェアリングだけではなく、新たに人材を生み出すことも重要と考えました。そこで、「Seed Tech事業」は、グローバルに活躍するIT人材を世に送り出すことを目的に、スクール事業として展開を始めました。たとえば、非エンジニア職種の人材が転職前に、3ヶ月〜6ヶ月の合宿型で英語とプログラミングを学び、スキルアップしてから、ITエンジニア職としての転職を実現するというものです。
事業拠点としては、集中してプログラミングと英語を学ぶベストな環境を検討した際に、フィリピンのセブ島を選択しました。受講者が英米に渡るとコストもかかりますが、セブ島であればコストも時差の問題も少なく、そして言葉についても癖がなく馴染みやすい英語が話されていたので、この環境であればグローバルに活躍する人材を育成できると考えたのです。
事業は順調に成長していましたが、予期せぬコロナ禍によって渡航禁止期間が長期化し、サービスストップを余儀なくされました。ですが、現地フィリピン人エンジニアを活用したオフショア事業を伸ばしながら、将来性を考えて現地拠点を残し、現在では、これまでのITエンジニア育成ノウハウを最大限活用した法人向けDX/IT人材教育サービス「ソダテク」を2022年4月にローンチし、展開しています。つまり、「SEED TECH事業」をSaaS型による事業へと進化させたのです。
-「x-Tech事業」はどのように立ち上がったのでしょう?
こちらは、社員の提案で始めた新規事業が元になっています。当初は2次流通マーケットが大きいゴルフ業界に着目し、中古品を個人間で売買するアプリを中心に事業展開する構想でした。ところが、思ったようにアプリのDL数が伸びなかった。そこで、利用ユーザーを集客する目的でゴルフメディア「Gridge」を作ることにしたのです。当時のゴルフ業界は比較的シニア層のゴルフ好きをターゲットにした紙媒体での情報発信がほとんどでしたので、私たちは若手層で、ゴルフ初心者や女性にも分かるコンテンツを意識して、ウェブを中心に、特にスマートフォンによる閲覧をターゲットに情報配信を行いました。
これがヒットして、ゴルフの競技人口が5~600万人と言われる中、約93万人のMAUを獲得することができました。このメディア運営をきっかけに、ゴルフ関連のギアやアパレルメーカー様から広告を出稿していただけるという流れができました。メーカーとしても、紙媒体の減少と、若手ゴルファーへのリーチが課題だったこともあり、注目してもらえました。
現在はそういった、ゴルフ関連メーカー様の商品に関して、D2C構築、SNS、YouTube等を活用したデジタルマーケティング支援や、リアルイベント連動広告の配信などを手掛けるようになりました。
VC時代から注目していたギークスにCFOとして参画
-佐久間取締役が曽根原代表に出会われたきっかけを教えてください。
曽根原がギークスの前に創業した、既に上場しているベンチャー企業で、上場前最終ラウンドの資金調達がありまして、私が日本アジア投資(以下JAIC)の投資担当者として、そのディールの一角を担いました。投資家チームの顔ぶれは、すでに成功していたネットビジネスの上場事業会社がほとんどでしたが、JAICが唯一VCとして入ることができたのです。曽根原との強い関係はそこでできました。
JAIC時代には、米国のネットビジネスの流れを受けて、日本でもインターネットビジネスが勃興してくると予測し、年に100社以上の日本のネット企業を訪問しながら投資先を探していました。曽根原のその会社は、事業内容や成長性、利益水準において魅力的で、VCにとっては垂涎の投資対象先でもあり、2004年頃からこの会社に何とかして出資したいとアタックをかけ、取引先を紹介するなどのアプローチを行っていたことが実った形になります。
-佐久間取締役がそういったインターネットベンチャーに注目されていたのはなぜでしょう?
もともと、ベンチャー企業に興味をもったのは、1999年、大学3年の時です。大学の海外研修制度を活用して、シリコンバレーでの調査研究に行ったことがあります。そのころシリコンバレーでは、有望なネットベンチャーが次から次に湧き出してくるような感じで、まだ検索エンジンはGoogleではなく、ネットスケープが主流の時代でした。
学生の身でありながら、VCが集まるSand Hill Roadに飛び込み、英語も十分話せる状態ではありませんでしたが、質問を事前に考え、色々なVCや起業家の方々に話を聞いて回りました。そこで、インターネットで新産業を生み出す起業家を支援するVCの世界は面白そうだと思って、海外拠点もあるJAICに入社したという背景があります。
-ギークスに参画されようと思われた決め手は?
ギークス入社前に、先述の上場会社で3年間、新規事業として海外ビジネスの日本導入や、自社事業の海外展開、IR、M&Aに関わりました。これが一段落したタイミングで、独立系VCからのお誘いもありベンチャーキャピタリストに戻る選択肢もありましたが、久しぶりに曽根原と会って話したところ、上場を目指す意向を知りました。私自身も、未上場から上場企業へのIPO経験ができることも魅力に感じ、経営企画本部長として手伝うことになりました。
JAICでは、かれこれ13年の在籍期間でネットベンチャー以外も含めて26社に投資をして、そのうち10社を上場させるという経験をさせていただきました。ある程度場数を踏んできたことで、「この社長は成功するな」と肌感覚でわかるようになってきて、曽根原もそう確信できる経営者の一人でした。
曽根原の魅力は、人間力であり、事業に対する考え方です。社会の問題解決に対する意識はもちろんのこと、フリーランスとIT業界の共創というユニークな着眼点などに惹かれました。
そして、事業のポートフォリオ経営という考え方は、当社のような業態の場合、非常に的を得ていると認識しています。事業が一本足打法だと、何かあったときに全体が倒れるというリスクがあります。よって、現状の中核事業が複数あるだけでなく、さらにその先の事業を見据え、将来への投資とのバランスを取るといった感覚は非常に重要なのです。
ギークス中期経営計画「G100」から見る今後の発展の姿
-将来の姿をイメージするため中経について教えてください。
中期経営計画「G100」では、計画策定の始まりである2021年3月期から計画最終年度の2025年3月期にかけて、年平均成長率、売上高30.7%、営業利益35.6%と見込んでいます。
2025年3月期の到達目標は、売上高100億円、営業利益25億円、営業利益率25.0%(IT人材事業では営業利益率50.0%、ゲーム事業では同26.0%)としています。
主なKPIとしては、IT人材事業ではグロスの取扱高190億円、稼働人月数24,500人、受注単価812千円としています。ゲーム事業ではパイプライン15本、従業員数400人体制を目指しています。
-中期経営計画を公表されているのはいつからでしょう。またその狙いは?
私が入社した2012年から中経自体は策定していました。当時は幹部間での共有のみで、外部には出していませんでしたが、今回は、投資家の皆様に、先述のようなポートフォリオによる経営をしっかり理解いただこうという意図がありました。特に、「IT人材事業」と「ゲーム事業」の主要事業が、コロナ禍、働き方改革、フリーランス認知度向上といった環境変化によってどの程度成長ポテンシャルを持つのかをお伝えしたかったということです。
また、KPIの設定と売上の関係性についても、当社は会計上の解釈としてグロスの流通総額を売上計上せず、ネット数値を売上計上しているので、グロスの数値を売上げ設定している類似事業者と比較すると、規模が小さく見られる懸念がありました。そこで、投資家に向けて当社のIT人材事業は、見え方として売上規模が小さく見えること、その一方で利益率の高いビジネスであることを分かり易く説明する必要があったのです。
また内部的には、上場後ひと段落した状況下で、一般社員に向けても経営として次にどこを目指しているのかを、明確に提示したいと考えていました。
-中期経営計画達成の鍵となる要素は何でしょうか?
最重要ポイントは、ITフリーランスの方々とのエンゲージメント強化にあります。なぜなら、DXの進展にともない、IT産業だけでなく、小売業のような伝統的産業からも開発案件依頼が増える中、ITエンジニアの確保が最重な経営課題となってきているからです。
そこで、私たちはITフリーランスの方が、エージェント登録時に当社を選んでいただけるよう、一歩踏み込んでフリーランスのお困りごとに寄り添っているのです。案件を営業してくるだけでなく、契約の調整、法務面のサポート、バックオフィス業務である各種帳票の作成等々…です。これらを含め、ITフリーランスにとっては案件が途切れないようしっかりサポートし、エージェントとして長期的なパートナーシップを築くことが重要だと考えています。
また、一般的な企業の福利厚生に代わるサポートとして、ITフリーランス向けのサービスも充実していく必要があります。そこで、先述のITフリーランス向け福利厚生プログラム「フリノベ」によって、ライフイベント、金融スキームなどの分野で、様々なソリューションを持っている企業様との提携を増やし、割り引き等の価格で受けられるようなサービスを厚くするなど、働く周辺の環境サポートも用意しています。
また、キャリアアップに関しても、新しい技術の勉強会の機会を設けたりするなど、あらゆる面で良く面倒を見てくれると評価いただける状況をつくっています。
このようにITフリーランスとのエンゲージメントを高め、当社が良いエージェントだと思っていただけると、既にご登録いただきサービスを利用しているITフリーランスの皆さまから知人の方やフリーランス予備軍の方を紹介してくださるというケースがかなり増えております。
おかげさまで、フリーランスの方の登録は、年間1,000人以上増えていて、月稼働人数では1,300人月を超える稼働となって参りました。企業の開発案件が潤沢にあるなか、ITフリーランスを増やせばさらに多くの受注が見込める環境にあります。
-今後の成長が期待される「Seed TECH事業」、「X-TECH事業」の見通しはいかがでしょうか?
「Seed TECH事業」では、先ほどの「ソダテク」については、現在取引しているインターネット、IT系企業以外の、大手非IT企業など等からも社内エンジニア育成研修の引き合いが増えています。また、ITコンサル会社や運用系の強い大手Sierの中からも、開発系を強化したいとのニーズがあり法人研修を請け負っている場合もあります。
また、先述したオフショア開発は、ラボ型と言われる共創開発をコンセプトにしており、単なる請負型ビジネスではなく、当社が人材採用・育成したフィリピン人エンジニアとお客様で共に開発チームを作り上げるスタイルです。例えば、日本の会社がグローバルでECに取り組みたい場合に、Shopifyを活用したECシステム構築のプロジェクトチームを一緒に作って運用しています。
「X-TECH事業」については、今手がけているゴルフ領域はまだまだ深堀の余地がありますが、今後は他のスポーツにも横展開していく計画になっています。
5つのマテリアリティからなるESGへの取り組み
-広報チームのリーダー兼SDGsアンバサダーを務められる佐々木さんのギークスへの参画経緯を教えてください
佐々木(以下同様):私自身、生まれつき両足に障害があり、そういった背景から社会問題への意識が高まり、特に「生きづらさ」や「マイノリティ」をテーマとしたメディアを運営していました。
ギークスに入社したのは、2020年3月です。東京2020パラリンピック競技大会に、シッティングバレーボールの日本代表として出場するために、8月の本大会までの集中した練習環境をサポートしてくれる企業を探している中で、出会い、入社に至ったという経緯です。
ただ、入社後に、コロナ禍の影響でパラリンピックの延期が決定してしまいました。その間の業務として、今までのキャリアを活かし、広報の仕事に就かせていただきました。その流れで現在は広報チームのリーダーに就任するとともに、SDGsアンバサダーとしても活動しています。
-ESG経営に取り組まれた背景は?
東証プライム市場の上場企業として、社会的責任をどう果たしていくかを考えた時、チャリティや寄付という選択肢もあるなか、やはり事業を通じて社会問題を解決していくことを軸にしようと考え、ESG経営に取り組む意思決定をしました。
アクションとしては2021年4月に「ESGステートメント」を発表しました。フリーランスという新しい働き方の推進や人材育成、自社の技術力を活かしたDX推進やプロダクト開発などのあらゆる事業活動を通じて社会に貢献していくこと。そして、持続可能な社会の実現に資するべく、継続的な企業価値の向上とも両立させるため、ESG経営に取り組んでいくという決意を表明したのです。
そして、私たちはESGマップを作成し、マップに基づいて5つのマテリアリティの設定をしました。さらに、マテリアリティとSDGsと紐づけていきました。
-マテリアリティはどのようなものになりますか?
持続可能な社会の実現を目指して、SDGsへも貢献しつつ、5つのテーマに取り組んでいます。
まず、1つ目にIT人材の不足問題への対応として、「技術リソースのシェアリングでIT人材不足を解決」を挙げています。
IT人材不足がますます深刻化するなか、企業にとってIT人材の育成・確保は喫緊の経営課題となっています。ところが採用するにも、即戦力になるIT人材の争奪戦が起こっていて採用時の人件費が急騰しています。一方、社内育成の取り組みも行われていますが、時間がかかりすぎ間に合わないという状況があります。そこで、柔軟性に富んだフリーランスがより一層注目されるようになってきました。
私たちは「技術力をシェアするプラットフォーム」の役割を担い、ITフリーランスの方々の有する技術スキル・経験・志向性を踏まえ、企業の抱えるIT開発案件との最適なマッチングを行います。社員にこだわらない人材活用の道を拓いて拡げ、社会のIT人材不足を解消することを目指しています。
これに対応する事業が先述の「IT人材事業」という位置づけになります。
2つ目は、働き手からの観点で「フリーランスが安心して働ける社会・環境の整備」です。
政府の働き方改革による「雇用によらない働き方」の推進や、働く側の多様なワークスタイルへの意識が高まったことで、フリーランスという働き方が一般化してきました。これまで、私たちは20年以上かけて、ITフリーランスの声をもとに働き方を支援するサービスを生み出してきましたが、さらに、フリーランスが社員同様「当たり前」になるよう、ITフリーランスの方々が安心して長く働ける環境づくりを目指しています。
先述のITフリーランス向け福利厚生プログラム「フリノベ」によって、社員と同程度の福利厚生が行き渡るよう、例えば、医療面においては定期健康診断や人間ドックといった機会を提供しています。2022年7月末現在で、37社・47サービスと提携していますが、今後も提携サービスをどんどん充実させていこうと考えています。
3つ目に、将来に目を向けた「DX/IT人材の育成・リスキリング」です。
2013年より始めた「Seed Tech School」によって、IT人材の育成・母数拡大に寄与してきました。また、2022年4月よりサービス開始した法人向けSaaS型DX/IT人材育成サービス「ソダテク」によって、法人へのサービスを取り込むことで、リスキリングやリカレント教育の機会を通じ、より多くのIT人材の輩出に貢献できるようになりました。これがSeed Tech事業を中心にした社会課題解決モデルとなります。
4つ目に、ESGのGに当たる項目でもありますが、「コーポレート・ガバナンスの強化」を挙げています。
プライム市場の上場企業としても当然に取り組むべきテーマでありますし、先述の3つの事業の特性からも、社会からの信頼を得るに足る組織である必要があります。そのため健全な組織運営を行うべく、法令・社会規範・倫理などについて継続的に意識向上を図り、コーポレート・ガバナンスの一層の充実に努めるという意志を示しています。
最後に、社員を中心とする各ステークホルダーとのエンゲージメントの強化を掲げており、これが「パートナーシップ」になります。
私たちにとってのステークホルダーとは、従業員・家族・ITフリーランス・パートナー企業・株主・社会であり、これらのパートナーの皆様とともに、共創関係を築き、ギークスが創出する価値を最大化させることを目指しています。
とりわけ、様々な事業活動を通じて業績を向上させつつ、社会に貢献するには、まずその原動力となる当社従業員とその家族の心身の健康が不可欠です。つまり広い意味での人的資本がもっとも重要な経営資源の一つであると考えています。
そこで、従業員の家族を含めた取り組みとして、健康経営を推進し、健康管理・促進の取り組みやワーク・ライフ・バランスへの配慮、メンタルヘルス対策などを推進しています。その成果の一つとして、2022年3月に「健康経営優良法人2022(大規模法人部門)」に認定されました。
-経営計画、業績向上とESGが完全にリンクしている良いお手本のように見えますがこれらの源流になっている考え方などがあるのでしょうか?
当社のグランドビジョンである「21世紀で最も感動を与えた会社になる」が源流ですね。
いかなる環境の変化があろうとも、世の中に感動をもたらすには、私たちは常に困難な課題に「挑戦」しクリアすることを意識しています。その過程を「楽しみ」、自らの「成長」に繋げていくことが企業文化としても根付いています。佐久間から話のあった4業態の成り立ちもまさにこれを体現していくプロセスでした。
また、マテリアリティの最後の「パートナーシップ」は、SDGsの17のテーマをすべて包摂する概念でもありますが、当社のグランドビジョンを支える行動規範「10の心得」の中に、「感動創造集団」という考えがあります。
私たちは、マルチステークホルダーからなる多くのパートナーの皆様に、日々の仕事のなかで満足を超えるアウトプットを提供し、その積み重ねがさらに大きな「感動」を生み出すと考えているのです。これによって、強いポジティブな共創関係が生れ、さまざまな要素を巻き込んで、営利事業としての方向性も、ESGもまったく矛盾なく一つのベクトルに向かって進んでいけるのだと確信しています。
<プロフィール>
佐久間大輔(さくま・だいすけ)
1999年4月 日本アジア投資㈱入社
2010年12月 同社 ゼネラルマネージャー
2012年1月 クルーズ㈱入社
2015年1月 当社入社経営企画本部長
2015年2月 当社執行役員経営企画本部長
2016年1月 当社執行役員経営企画室長
2017年10月 当社管理部門管掌取締役 兼 経営企画室長
2018年7月 当社 取締役CFO 兼 経営管理本部長(現任)
佐々木一成(ささき・かずなり)
2020年にギークスに入社。仕事とスポーツの二刀流を実践し、SDGsアンバサダーとしてギークスグループの社会貢献活動を推進。社員投票で決められるBuddy賞を2021年度上期に受賞。2022年4月より経営企画部広報チーム リーダー。
東京2020パラリンピック競技大会 シッティングバレーボール日本代表。
ギークス株式会社
https://geechs.com/
英語表記:geechs inc.
設立:2007年8月23日
資本金:1,101百万円(2022年3月31日現在)
従業員数:384名(2022年3月31日現在)
所在地:本社 東京都渋谷区渋谷2-24-12渋谷スクランブルスクエア 39階(WeWork内)
事業内容:
・IT人材事業
・ゲーム事業(G2 Studios株式会社)
・Seed Tech事業(シードテック株式会社)
・x-Tech事業