SDGsに取り組む中小企業を3000社に!日本青年会議所のその狙いとは

コンプライアンスが重視されるようになってからというもの、大企業を中心にSDGsに取り組む企業が増えている。SDGs経営に取り組む企業は機関投資家からの評価も高い。そのため、SDGsへの取り組みは上場企業にとって必須条件となりつつあるといえるだろう。
上場企業のみならず中小企業までこの取り組みを広めようとしているのが、日本青年会議所だ。日本青年会議所ではSDGsに関し、どのような取り組みを行っているのか。日本青年会議所の2019年度 第68代会頭 鎌田長明氏にお話を伺った。
国連と密接な関係がある日本青年会議所だからこそ、SDGsに取り組む

―日本青年会議所ではSDGsを推進されているそうですが、そもそもSDGsって何ですか?
SDGsとは、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のことで、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中で提唱されたものです。この中では、貧困や飢餓の撲滅、ジェンダー平等、気候変動への対応など、2030年までに達成すべき17の目標(ゴール)とそれに付随する169のターゲットが掲げられています。
我々日本青年会議所(以下「日本JC」)では、2016年以来このSDGsに取り組んできたのですが、地域の青年会議所により取り組み方がバラバラでした。そこで、今年2019年1月にすべての青年会議所の理事長が集まった日本JCの総会で、改めてSDGs推進の宣言をすることで、組織内の意思統一を行いました。
―でもSDGsは国連で採択された目標ですよね。国連は我々にとってとても遠い存在に見えるのですが、JCとはどのような関わりがあるのですか?
もともと青年会議所って国連とかかわりが深いんですよ。今の国連本部がある土地は、もともとアメリカJCの理事だったロックフェラーが寄付したもので、そこから国連と国際青年会議所との関係が始まったんです。以来、国連とJCは密接に連携して運動を進めていて、SDGsについても日本全国にある694の青年会議所すべてで取り組もうとしています。JCのロゴに国連のマークが入っているのも、そういう理由からなんですよ。今、JCは日本で最もSDGsを推進している団体だと思いますね。
―そう言えるのはなぜですか?
今SDGsを推進しているのは、一部の大企業とSDGs未来都市を推進している自治体くらいしかなく、組織として全国的にSDGsに取り組んでいるところはありません。一方、JCでは694の青年会議所でSDGsに取り組んでいますし、そこに何千人何万人という規模のリソースも割いています。
私がJCのメンバーに話しているのは、自分が17のゴールのうちどのゴールを目指すかを考えてほしいということです。次に、それに向けてやることを決めていく。前述の通り、SDGsには169もターゲットあるので、どのターゲットを選んでいただいても良いと思います。
―JCが目指すSDGsのゴールとは?
JC全体として、全国各地でSDGsの企業導入を推進できる人材を育成したいと考えています。たとえば、どこかの中小企業が「SDGsに取り組みたい」と言っても、おそらく具体的に何をどうすればよいかわからないでしょう。その相談に乗れる人材や、セミナーを開催できる人材を47都道府県すべてに確保すべく外務省とタイアップし、50人のSDGsアンバサダーを生み出しました。今年度中にSDGs推進企業を最低3000社作ることを目標にしていて、そのためにKPIを設定して実際に取り組みを進めています。
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