会計システムは経営の意思決定のためにある。事業拡大に耐えうる仕組みづくりにfreeeが寄与
スマートニュース株式会社は、日米世界3,000万以上のダウンロードを誇るニュースアプリ「SmartNews」を提供するテック企業です。同社は2012年に創業し、2015年にはアメリカに進出を提供し「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」ミッションのもと、世界中のユーザーに、いま知るべき大切なニュースを提供しています。
企業の規模拡大にともないバックオフィスに生まれた課題は債権の消し込み作業について。会計システムをどう整え、今後の企業規模拡大にどのように備えるか。スマートニュース株式会社の経営管理責任者 黒岩篤様と、経理担当高橋千紗子様に、freee導入までの経緯と会計システムの本質的価値をうかがいました。
設立の経緯や御社サービスへの想いを教えてください
世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける
黒岩 スマートニュース株式会社のミッションは「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」。一昔前、ニュースの中心といえば新聞でした。今はスマホを使ってインターネットで消費する時代。スマートニュース株式会社はニュースアプリ「SmartNews」を展開しています。フェイクニュースなど、ニュースの品質が疑われる社会問題も生じているなか、我々は質が担保された情報をユーザに提供することを大事にしています。
最近では、新聞が取り上げるような社会的なニュースだけでなく、個人の趣味など、よりユーザの方に価値を感じていただけるコンテンツを届けています。
私自身もSmartNewsのユーザで、運営会社に興味を持ったのが入社のきっかけでした。IT企業の経理は未経験でしたが、自社プロダクトが好きだからこそ、バックオフィスの立ち場から現場を支えるモチベーションにつながっています。
freee導入のきっかけとご利用状況を教えて下さい
事業拡大に耐えうるバックオフィスの仕組みをつくりたい
黒岩 弊社は日々、規模拡大中です。私が入社した2016年の従業員数は50人ほどでしたが、今では日米あわせて160人ほど。今後も毎月2〜3%で事業が伸長していくと、半年から1年で従来のやり方ではすぐに立ちいかなくなってしまいます。事業に遅れを取らないよう、先手を打ってバックオフィスのシステムも、その考え方も柔軟に変えていく必要があるのです。
バックオフィスという土台が堅牢であれば、事業を拡大しても営業部門と開発部門はアクセル全開で攻められます。経費申請を例に挙げましょう。無駄な経費は使わないよう歯止めをかけるべきところはかける。しかし、なんでも無駄だとNGにするのではなく経費精算のルールを構築することが大切です。
経費精算のルールがないと、「あれは申請が通るのだろうか?これは駄目?」などと、社員同士で余計なコミュニケーションに時間を取られてしまいます。誰もが公平に申請できるルールを作ることで、従業員は余計な作業に時間が取られることなく、本業に集中することができるのです。事業拡大に耐えうるバックオフィスの仕組みを作らなければならないと考えています。
成長中の企業は往々にして、サービスやプロダクトといった事業には投資してもバックオフィス系の投資は後回しにしがち。担当者もExcelと目視チェックで頑張ってしまうケースが多いのです。業務を古い手法でやらざるをえないため、時間も気力も浪費してしまい、クリエイティブな仕事まで手が回らない。バックオフィスの人間が気付いているにも関わらず、会計システムを刷新できていない他社の事例は度々耳にします。
スマートニュースはエンジニアが多く、ITリテラシーが高い社風が特徴です。会計システムの刷新以前より、工数管理は厳密でした。そういった土壌もあり、バックオフィスのシステム化への機運を高めやすかったのです。
会計システムは経営の意思決定のためにあるべき。将来を見据え最も可能性を感じたのがfreeeだった
黒岩 freee導入以前、スマートニュースのバックオフィスには大手会計ソフトやマクロだらけのExcel、請求書発行サービスといった多種多様な仕組みがありました。しかし会社規模が拡大し取引量が増える中、それらを駆使して毎月の会計業務をこなすことに限界を感じていました。
会計システムは本質的には経営の意思決定のためにあるべきだと考えています。しかし経理は普段の業務が忙しく、なかなかそこまで手が回りません。
本来、バックオフィスがより本質的な業務に注力すべきなのに、時間が割けない。会計システム刷新前、一番悩んでいた会計業務が、債権管理と請求書の発行でした。従来の仕組みでは請求書と債権は連動しているものの、売上データ・請求書の発行データ・入金データが分断されていたため手作業で統合する必要がありました。紙の請求書も多く、目視でチェックしながらの債権消し込みも一苦労。郵送しなければならない請求書も、発行後の印刷と封入作業に工数を取られていました。郵便局へ持ち込んでの発送が深夜になることも頻発。毎月第1営業日は請求書の発行だけで終わってしまっていたのです。
freeeと出会ったのは、会計システムを刷新し、効率的に業務を進める方法はないかと模索している最中でした。債権管理データと請求データの連動だけでなく、郵送など、紙ならではの問題も全て自動で済むような仕組みを構築したいと考えていたのです。
はじめは当時使っていた大手会計ソフトのアップグレードも検討しました。しかし、カスタマイズの見積りをとったところ、500万円超と大変高額。しかも仕組み自体、私たちが本当にやりたい全自動化のイメージと乖離がありました。
最初はSaaS系の会計サービスにヒアリングしさまざまな会計システムを検討。しかし、freeeであれば理想のバックオフィスが実現しそうだと考えました。決め手は効率性と将来性。freeeを使えば請求書の処理が大幅に効率化し毎月の定型業務がスムーズに回ります。さらに、今は実装されていない機能でも、freeeであれば近い将来、私たちが欲しい機能が追加開発されるはず。将来を見据え最も可能性を感じたfreeeを導入しました。
毎月2時間かけていた目視確認から解放。ミスへのプレッシャーもなくなる
高橋 freeeを導入し、大きな課題となっていた債権の消し込みが大変楽になりました。大手会計システムを使っていた当初、債権の消し込みの目視確認に要した時間は毎月2時間。ダブルチェックできるほどの人員もありませんので、間違ってはいけない大きなプレッシャーがあります。
freeeを導入した今では、債権と入金をクリックするだけで自動的に消し込み処理が完了。2時間かかっていた作業が30分ほどで終わるようになりました。時間にすると75%ほどの工数削減ですが、freeeを使うことでミスへのプレッシャーから解放されたため、所用時間が75%削減された以上の成果があると感じています。
今後の展望について教えて下さい
経営陣の要求を反映したレポートで意思決定をサポートするため、業務を効率化し続ける
黒岩 会計システムは経理担当者が最も使用頻度が高いもの。しかし、会計数値などの経営指標・会計情報はそもそも経営の意思決定まで繋がってこそ、初めて価値が出るものと言えます。
世の中の会計システムは、経営の意思決定まで繋がっていないものがほとんどで、システムでそこまでカバーできていないのが実情です。経理担当者も業務に忙殺されて経営の意思決定に繋がるような仕事までたどり着けません。そこで業務を効率化し、経理担当者が時間と気力の余裕を持てるような仕組みづくりが必要です。
効率化だけで満足するのではなく、スマートニュースではファイナンスチームが会計データを加工してレポートにしています。
弊社の経営層はさまざまなKPIから、マーケティング投資やシステム開発スケジュール策定といった意思決定を行っています。
経営の意思決定を支えるため、さまざまなKPIが絡んでくるレポートを作り、経営陣に共有する。本当はそのままシステムから吐き出されるレポートで意思決定が終了すれば良いのですが、「こんな見方がしたい」「あれも見たい」と、要求は様々。そこで弊社では、freeeを使うことで日々の業務を効率化しつつ、浮いた時間を使って経営陣の意思決定を手助けする仕事をしているのです。
高橋 現在、スマートニュースではアメリカ現地法人も社員が増え続けています。人数が少ないときの基幹システムでは間に合わなくなっていますので、人事システムとワークフローが導入できないか検討しているところです。
スマートニュースは現在、将来の上場を視野に入れ、さらなる会計システムの効率化を進めています。プロダクトの改善スピードが早いのもfreeeの強み。経理の世界はある意味カスタマイズする必要がなく、会計の基本的なルールに従っていけば良いものです。しかし業務がさらに効率化できれば、より本質的な業務に時間を割ける。今後、freeeには経営情報の整理と判断のスピードアップにつながる機能が追加されることを期待しつつ、ますます会社の規模拡大を担っていけるような部署を目指していきたいです。
IPOを支援するfreee株式会社
freee株式会社は2019年7月より、新しくIPOを目指すお客様のご支援に特化したIPO事業部を創設いたしました。
現在、会計・人事労務システムにて各種ワークフローを実装し、内部統制に対応したプランを提供させて頂いております。
上場準備、上場企業様での導入事例も増えておりますので、ご興味がある方はぜひ下記よりご覧になってください。