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クルーバー石田誠社長に聞く~システムを基盤にあらゆる車周辺ビジネスから深掘る成長ストーリーとは?

経営ハッカー編集部
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「アップガレージ」、「アップガレージ ライダーズ」、「アップガレージ ホイールズ」、「クルマ&バイクまるごと買い取り団」、「タイヤ流通センター」等々…車関連リユース領域で数多くのブランドを展開する株式会社クルーバー。業態開発意欲が旺盛な企業に見えるが、本当の強みは業界構造やビジネスフローを熟知し、ユーザーニーズを可視化する、統合的なシステムベースの事業展開力にある。代表取締役社長の石田誠氏が立ち上げた、前身の株式会社アップガレージは2004年、店舗とシステムが連携するビジネスモデルで、マザーズ上場を果たす。その後、リアルビジネスが順調だったとはいえ、EC市場の劇的な伸長が見えるなか、抜本的なDXに取り組む必要があった。しかし、システムを作り直すにはあと数億円の開発資金が要る。この資金をどう調達するのか? 石田氏が取った方法はMBOによる上場廃止だった。思い切ったシステムと体制改革を経て、2021年12月、JASDAQ(現東証スタンダード)上場。クルーバーは再び株式市場に帰ってきた。今回、今後の成長基盤が整った石田氏に話を伺った。

 

目次

    アップガレージの創業とシステムへの注力

    -創業から今日に至るまでの大まかな流れを教えてください。

    クルーバーは、1999年に中古カー用品販売を目的として設立した、株式会社アップガレージ(現子会社)が元になっています。アップガレージは設立後、積極的な直営店舗とフランチャイズ展開により順調に業容を拡大して、2004年に東証マザーズ市場に上場しました。しかしながら、更にステージを上げるにはシステムの刷新と事業改革が必要で、2012年にMBOを実施、上場を廃止しました。MBO後に、再成長の基盤が整ったことから、2021年12月にJASDAQに上場し、アップガレージ、ネクサスジャパンを子会社とするグループを形成するに至っています。

    -そもそものアップガレージの創業にはどんな背景があったのでしょうか?

    株式会社オートフリークという、兄が1983年に立ち上げた中古車販売の業態がありました。大学生のときに、この事業を手伝い始めたのがきっかけです。業績は好調で、そのままこの会社に就職しました。ただ、十数年事業をやっていくうちに90年代後半から日本経済の停滞が常態化し、会社の成長も踊り場に差し掛かりました。

    業界全体に閉塞感が漂う中、現状を打破しなければならない。次の展開を模索する中、あるとき中古車のパーツを外して、中古パーツとして別に販売したら、売れるのではないかと思い立たちました。つまり、オートフリークの新規事業部門として立ち上げたのがアップガレージだったのです。

    景気が停滞するなかで、消費者はどんどん低価格志向になっていく。今後もこのトレンドはそのまま変わらないだろうと考えていたとき、BOOKOFFなどのリユース業態も立ち上がってきました。もともと日本人には、ものを大切にするカルチャーがあります。バブル時代のように使い捨てることがむしろ異常で、本来は環境にも、経済にも優しいものが求められている。今後はリユースが再評価されるはずだという確信がありました。

    -もともと車がお好きだったのですか?

    私の家系は、いわば車一家です。父も車関連の整備の仕事をしていたので、子供のころから日常的に車に接する機会が多く、車が好きになるのは自然な流れでした。

    あるとき父に連れられて、東京のモーターショーを観に行ったとき、黒山の人だかりが出来ているコーナーがありました。人を吸引していたのは、ロータリーエンジンを搭載し、煌めきを放つマツダのコスモスポーツ。子供だったので大目に見られ、うまく人混みをかき分けて運転席に座り、ハンドルを握らせてもらいました。このときの感触は忘れられません。大きくなったら、こんな車に乗りたいと思いました。

    ただ、車好きだからといって、そのまま車ビジネスに関わろうとは、学生の頃は夢にも考えていませんでした。たまたま、兄がオートフリークの事業を立ち上げるとき、それならアルバイトで手伝うよという、本当に軽い気持ちで参画したわけです。ところが、はじめてみると意外にこれが奥深くて面白い。パパママストアや町の整備工場中心に成り立っているこの業界。システム化も遅れており、マーケットが巨大なのに大きなプレイヤーがいない。ここに近代的な経営を持ち込めば大きく伸ばせる、とビジネスチャンスに気づいたのです。

    -初期からシステム開発に力を入れられていますが、ECを最初から展望されていたのでしょうか?

    ECが始まりではなく、基幹システムの構築がスタートです。一気に多店舗展開が可能だと思える新市場を発見したのですが、そのためにはクリアすべき大きな課題がありました。

    古物法による在庫管理の制約です。同じメーカーの、同じ型番の商品でも、中古品の場合は単品管理が必要となるのですね。一般の小売業のような同一商品の一括仕入れ、在庫管理といったことができない。そもそも入庫時期も読めませんし、状態も様々で、仕入れ価格もバラバラ、当然、売値も1件ずつ異なります。急激な多店舗展開に耐えうるためには、このような特性を持つ商材の単品管理、そして財務管理もしっかりしておく必要がありました。そこで、基幹システムの構築が必須となり、フルスクラッチで作り始めたわけです。それが、なんと年商1億円のときに、1億円もの投資になったのでした。

    初期に思い切って投資したのは、魅力的なマーケットなので早晩大手が参入してくるのが目に見えていたからです。これはもう先行逃げ切りしかないと。ただ当時は、私もシステムに無知だったので、一度作ると数年間は使えるものだと信じていました。振り返れば、累計数十億円投資をしており、今でも毎年数億円ずつ資金を投下しているわけなのですが…。

    さて、基幹システムができることによって、多量な単品商材の管理やデータ分析が可能となりました。それが、結果的にECに繋がっていくのです。リユース業態はどうしても仕入れが先行します。持ち込まれたリユース品は、余程のことがない限り買わざるを得ません。黙っていても在庫が増えるので、できるだけ多くの出口が必要となるのです。このような理由で、早期からのフランチャイズ展開もそうですが、チャネル多様化の一環としてのEC販売の取り組みは必然でした。

     

    さらなる飛躍のためにMBOを断行

    -なぜMBOに至ったのでしょう?

    上場した2004年当時は、ちょうどECが伸び始めた頃で、大手モール事業者も出展者獲得競争を行っていました。当社はすでに、30万点の商品を持っていたので、大手の事業者から、是非うちに載せないかと、何度も強く誘われましたね。こちらも、大手サイトに出店し、コンパクトに展開するのが良いのか、自前の開発に拘るべきか悩んだ末、ポータルの運用側に回り、一つの極になりたいと、後者を選びました。

    さらに、異業種も含めてリユース業界は同じような悩みを抱えていたので、単品管理のシステム開発でノウハウのある当社が中心となって、業界を束ねたモールをつくりたいと考えました。そこで、「大手の従属になるのではなく、小売りで苦労している我々がイニシアティブをとりませんか?」と声をかけ、2005年、異業種の数社共同で株式会社リーワンネットを設立。モール型サイトの開発、運営を行い始めました。

    実に、このモールは、カー用品に限らず家電、洋服等のあらゆるジャンルのリユース品を販売するサイトでした。しかし、リユース限定の品揃えだけでは、急速に出店数、商品数を増やしつつあった大型モールとの競争に太刀打ちできず、2007年に会社を清算する結果となりました。当社がリードした責任として出資金はお返しし、システムは買い取ることにしました。

    その後は、iPhone上陸を契機とするスマートフォンの爆発的な普及によって、EC利用が劇的に進んでいきます。中古カー&バイク用品のリユース市場も、Eコマースの成長性は無視できない規模まで発展することが予想されていました。そこで、買い取ったシステムを「Croooober.com」として活かし、車関連のリユース業態に絞り込む形で、事業の再構築を図ったわけです。

    しかし、事業改革を完遂するためには、さらにシステムに3億円以上の投資と、年間2億円の費用計上が必要でした。ただ、当時、リーマンショックに見舞われていた株式市場は、日経平均が8,000円くらいで低迷していました。これでは株式市場からの資金調達も困難ですし、実際にシステム投資をすれば一次的に赤字になり、そのまま赤字が2~3期続く可能性もありました。株主の皆様へ心配をおかけすることもなく、短期の業績に気をもまなくても良いようにと、MBOを決断したのです。自分の心の中では賛成と反対、51対49くらいの割合で意思決定に悩んだ末のことでした。

     

    リユース業態を核に、成長基盤が整う 

    -ブランドが極めて多岐にわたるため、どのような事業構造になっているのかご教示ください。

    MBO後は、先述のように事業改革と組織再編を行い、リユース業態(子会社アップガレージ)、流通卸(子会社ネクサスジャパン)、システム開発と新規事業(クルーバー)と、現在は3つの事業体に分けて展開をしています。

    まずは、リユース業態です。こちらは、株式会社アップガレージを中心とする、当初から行っていた中古カー&バイク用品に特化したリユース業態の店舗運営とEC販売です。2つのチャネルでユーザーとの接点を持っていますが、収益構成は、店舗、海外EC、EC手数料、FCロイヤリティ等から成り立っています。

    -リユース業態では、ECを強化してもなお店舗も重視されるわけですね。

    一番の目的は買い取りを行うためです。また、店舗があればタイヤ取り付け、パーツの取り換えなど、メンテナンスも可能となります。やはりパーツはこの車に合う、合わないがあり、深い専門知識も必要なので、有人店舗は不可欠なのです。

    また、車関連のリユース商品は、特に趣味嗜好性が強いため、実際にものを見て、触れて楽しみたいというニーズは今後もなくなりません。今後、いかにECが進展しても、Webに行かない層が相当な割合でいらっしゃいます。

    このようにECがどれだけ活発になっても、顧客接点としての店舗の存在は大きいのです。

    -店舗があるからこそ生きてくる強みは何でしょう?

    お客様の生の声を新規事業開発にも生かせることですね。例えば、カー用品を扱う「アップガレージ」の店舗展開を行う中で、徐々にユーザーのバイク用品の取扱い需要が高まってくるのがわかりました。ただ、カー用品とバイク用品ではユーザーが異なり、バイク用品を事業として成立させるためには、新たにバイクユーザーへの認知が必要になったことで「アップガレージ ライダーズ」を立ち上げました。

    さらに、この業態の利用が広まると、タイヤホイールの購入を希望されるユーザーが増えてきました。そこで、新たな店舗ブランド「アップガレージ ホイールズ」の展開を始めたのです。

    -店舗が、次の業態開発の起点にもなっているわけですね。

    次のブランド展開として、中古工具のリユース業態「アップガレージ ツールズ」をスタートしました。カー&バイク用品のカスタムユーザーは工具にも拘りがあることがわかったからです。

    さらに、カスタムカー・改造車の買取専門店といった「パーツまるごとクルマ&バイク買取団(現:クルマ&バイクまるごと買い取り団)」が新規業態に加わります。思い思いにカスタマイズした車は、中古車買取業者からみるとその後の販売につなげ難く、かつパーツの査定ができないという課題もあります。

    敬遠するか買取査定を低くするのが一般的ですが、当社では中古カー用品の買取・販売に長じているため、カスタムパーツを店舗で販売することも、在庫の純正パーツを使いカスタム以前の状態に戻すことも可能なのです。

    2022年3月31日現在(アップガレージ合計がリユース業態)

     

     

    ITプラットフォームを基盤とする流通卸

    -次に、卸売業態の特長を教えてください

    流通卸売業態は、株式会社ネクサスジャパンを通じて展開しています。こちらは、店舗の「タイヤ流通センター」、受発注プラットフォーム「NEXLINK(ネクスリンク)」から成っています。

    流通卸売業態の特徴は、リユースのような単品管理が必要なく、「NEXLINK(ネクスリンク)」により受発注を一元化することで、発注者(ネクサスジャパンにとっての販売先)側の各メーカーへの仕入発注、納品管理、支払管理やメーカー側の受注管理、納品日連絡、在庫有無連絡といった業務をプラットフォーム上で一括管理できるというものです。

    これにより、発注側、メーカー側の両社は様々な業務効率化ができ、ネクサスジャパンも卸売取引の拡大が実現できました。

    -今までとは商流の違う流通業態をはじめられた経緯は?

    やはりこれも「アップガレージ」店舗から汲み取ったニーズによるものです。車のメンテナンスをするときに、先ほどの中古ホイールに合わせた新品タイヤなど、新品に対する需要が高かったため、立ち上げたのが「東京タイヤ流通センター(現:タイヤ流通センター)」でした。これを実現するため、クラウドベースの受発注プラットフォーム「NEXLINK(ネクスリンク)」を開発し、直営店舗及びフランチャイズ店舗が行う発注・納品管理等の効率化を進め、その後フランチャイズ店以外にも積極的に販売するようになりました。

    整備工場やカスタムショップ等の独立店では、管理が煩雑であったメーカー発注、納品管理、支払がネクサスジャパンへ一元化できる等、管理業務が大幅に改善され、直営や、フランチャイズ店以外の「NEXLINK(ネクスリンク)」加盟企業増加という拡大施策が可能となったのです。

    -受発注プラットフォーム自体の外販も始められたと。システムのレバレッジが効いてくるという展開になってきたわけですね。

    そうですね。例えば、大手買取専門企業ではデッドストック対応という課題があります。買取した車を販売するときに、スタッドレスタイヤにしてほしいとか、カーナビやETCを付けてほしいとか、カスタマイズの付随依頼が多々あるのですが、事情により車がキャンセルになるケースもままあります。こんな時は、発注した新品のパーツだけが届くという事態になり、パーツの不良在庫がじわじわとたまっていくわけですね。

    そこで、当社の受発注プラットフォームを活用いただくことで、ロスが発生しないようなオペレーションが可能になったのです。以前は、5人で対応していた業務ですが、当社がオペレーターを1人置いて、業務ごと引受けたところ、大幅なコストダウンに成功し、デッドストックもなくすることができました。目下、このような取り組みを、いろいろな多店舗の業態の企業様に展開しているところです。

     

    DXやxTECHのシステム基盤が新規事業開発を支えるクルーバー

    -最後に、クルーバーはどのような役割を担っているのでしょうか。

    株式会社クルーバーは、本社機能としての経営管理もありますが、システム開発と新規事業開発の役割を担っています。先述のような基幹システム(売上・在庫管理・買取査定システム)や、ECサイト構築、受発注プラットフォーム開発等といったシステム開発は、25名のエンジニアから成るZERO TO ONE(ゼロトゥワン)事業部が行いました。

    システム開発部門は、DXにあたって弛まざる取り組みが必要であり、かつ全ビジネスモデルに関わることなので、本社に置いておく必要があります。また、システムをxTECH(既存技術とITで新たな付加価値を生み出す)の武器として捉えると、本社が統括し、経営資源を連結していく必要もあるのです。

    このようなシステム基盤を持つため、新規事業のビジネス展開も、「出来るといいね」という夢物語で終わらず、一定のユーザーの需要があればビジネスモデルが短期間で実装可能になるのです。

    -クルーバー主導の新規事業にはどのようなものがありますか?

    2019年に、自動車業界専門の人材紹介サービス「BoonBoonJob」を始めました。自動車業界は、人材の定着率や応募人員の減少等、広く人材不足が続いています。実際に、当社のフランチャイズの加盟店さんに、「地元で良い居抜き物件が出てきました」と紹介すると、やりたいのだが、人がいないので出来ないということが結構あります。

    そこで、この課題を解決するため、自動車業界に特化した人材紹介サービスを立ち上げることにしました。このとき「Croooober.com」のサイトは、商品点数も多いのでPVもかなりありますし、もとより車好きが集まるので、親和性があり、取り組むことにしました。

     

    再上場後、さらなる成長に向けた事業展開

    -再上場の狙いは?

    実はMBO後、2~3年どころでなく、何年も赤字が続くかも知れない可能性もあったので、当初は再上場を考えていませんでした。ただ、上場企業並みの管理レベルは維持しておきたかった。そこで、監査法人による監査は継続していました。

    ところが、システム再構築での赤字は覚悟していたものの、「アップガレージ」は思っていた以上に収益力があり、その他の業態も力強く成長してきました。

    その中で見えてきたのは海外展開です。商品の出口を増やすための、チャネルを多様化する動きのなかで、越境ECも行ってきたのですが、データで見ると米国からの注文が他国と比して圧倒的に多かった。ただ、米国内では一般のコンシューマーから中古品を買い、売るということが行われていません。

    eBayでの取引が多いですし、スワップミートという物々交換やガレージセールが盛んです。また寄付文化も根付いていて、自分が乗らなくなった車を他者に寄付することもあります。つまり、米国には洗練された車のリユース業態がまだないのです。一方で、他業態ではBOOKOFF、ゴルフパートナーといった店舗が現地でも流行っています。リサイクルショップは日本が進化しているのですね。

    この巨大な米国市場に進出して、現地で買取り、現地で売るという事業を展開しようと思ったときは、やはり上場していたほうが、当然、資金調達も有利になる。そこで改めて証券会社に相談し、上場することにしたのです。

    -システム基盤があったり、消費者ニーズをくみ上げる店舗があったり、それが業態開発の元になっていることはわかりましたが、新規事業のアイデアは社長が考えられるのでしょうか?

    自分が考えることももちろんありますが、先述の人材紹介事業「BoonBoonJob」や先日(2022年3月31日)リリースしたばかりの中古自転車の買取販売「アップガレージサイクルズ」は社員の発案によるものです。こういった社員のアイデアが事業化されていっており、今後案件はさらに増えてくるでしょう。

     

    10年で社長を100人創出する

    -なかなかイノベーションが生まれない企業が多い中で、社員からのアイデアが事業化されていくというのは非常に良い企業文化だと思います。

    当社は業界で見ても、最も人材育成に時間とお金をかけている企業のうちの1社です。育成には特徴がありまして、最終的に経営者を創るという人材育成ゴールを置いています。昔のリクルートやIBMのような人材輩出会社になりたいのですね。人材が起業し、経営者になり、そのOBたちが起業後もビジネスで結びついていき、相互に発展していく関係が理想の在り方です。

    もちろん採用した人材が定着してくれればうれしいですが、自社店舗のFCオーナーとしてのれん分け制度を活用したり、自ら提案した新規事業で飛び出したりするのも良いです。もちろん本体や子会社の社長を目指すことも大歓迎です。

    なぜそう思うに至ったのか? 小売業界で良く言われているのが、各店舗で、店長や幹部に「経営者視点で店を運営せよ」ということです。それは違うのではないかと。

    サラリーマンが経営者と同じ目線で見るのは、取っているリスクもちがうし、意識がそもそも違う。無理がありますよね。社長並みの権限と報酬を提供すればまだしも、サラリーマンの権限と報酬で、「経営者と同じ視点を持て」、とはナンセンスです。そこで、同じ経営者目線の人材を創るためには、社長になってもらった方が早いという考えです。

    売り上げや、コストへの意識、人を育成することの重要性等々、言葉で言っても伝わらない、気づいてほしいことは肌で体験することが最も有効な教育方法になるのですね。

    -そういった中で大切にしている経営哲学は何でしょうか?

    「勝ち方に、徹底的に拘ろう」ということです。勝ち方に拘るとは、自分たちが何か仕事の成果を上げようと考えた時、不当に、相手に損をさせたり欺いたりするようなやり方は絶対にするなと社内では厳しく言っています。一時的に業績を上げれば良いのではなく、お客様に信頼を頂いて、長きにわたり共存共栄の関係が作れるようにしなさい。そして、お客様から見た時、無くてはならない、かけがえのない存在になれるようにと。

    そのためには、とことん勝ち方に拘って欲しい。インチキとか違法という低いレベルではなく、自身の良心にしたがって、ズルいやり方だと少しでも思うならばやるべきでない。もしかすると、成長が遅いかもしれないですが、フェアに戦い、その結果負けても、負けを認めて敗因を調べて、改善して、自分自身に対してリベンジをしていく。愚直かもしれませんが、勝ち方に拘ることで、常に虚心坦懐に自己を見つめることができ、人間として成長できるのだと考えています。

     

     

    <プロフィール>
    石田誠(いしだ・まこと

    1983年3月 ㈱オートフリーク設立 専務取締役
    1999年4月 ㈱アップガレージ設立 代表取締役
    2014年4月 当社設立 代表取締役社長(現任)
    2014年4月 ㈱東京タイヤ(現:㈱ネクサスジャパン)設立
    代表取締役
    2020年4月 ㈱アップガレージ 取締役会長(現任)
    ㈱ネクサスジャパン 取締役会長(現任)

    株式会社クルーバー
    Croooober Co., Ltd.

    https://www.croooober.co.jp/
    本社所在地:〒227-0063 神奈川県横浜市青葉区榎が丘7-22
    TEL: 045-988-5777
    代表者:代表取締役社長 石田 誠
    設立:2014年4月1日
    資本金:519,220千円
    上場市場:東京証券取引所スタンダード市場(証券コード: 7134)
    事業内容:グループ会社全体の経営方針策定および経営管理等
    システム開発事業、自動車業界専門の人材紹介サービス事業
    グループ企業    【リユース事業】株式会社アップガレージ
    【流通卸売り事業】株式会社ネクサスジャパン
    従業員人数(連結):188名(2022年3月31日現在)

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