年末調整の期限・期間はいつ?おさえておきたい年末調整の基礎知識
10月下旬になると、年末調整の書類が国税庁から会社に届きます。毎月の業務に追われていると、年末調整の書類を期限までに記入・提出するのも一苦労。しかし、年末調整は所得税に関係する業務ですから、しっかり行いたいところです。
今回は、年末調整の期限や期限に遅れてしまった場合の対処法、年末調整をし忘れてしまったときの処罰などについてご紹介します。
目次
1)そもそも年末調整とは?
会社には、従業員へ給与を支払うとき、所得税及び復興特別所得税を源泉徴収し、従業員の代わりに納める義務があります。しかし通常は、給与から源泉徴収した金額の1年間の合計と、1年間の給与総額に基づいて計算された税額は一致しません。
そこで、この不一致を精算するために行うのが年末調整です。もし、1年間で税金を納めすぎてしまっていたのであれば超過分を従業員に還付し、逆に1年間で納めた税金が足りなければ不足分を従業員から徴収し、納付する必要あります。
2)年末調整の期間・期限は?
年末調整の対象となるのは、その年の1月1日から12月31日の期間の給与などになり、その年の最後の給与が支払われるときに年末調整を行います。一般的に12月に年末調整を行い、12月または1月支払の給与で還付もしくは徴収を行います。
年末調整の期限ですが、年末調整の結果である源泉徴収票や法定調書合計表、給与支払報告書の提出期限である1月31日となります。
3)年末調整のやり直しはできる?
1月31日までであれば、年末調整はやり直せます。実際は年末調整にかかる事務の時間がありますので、1月31日よりも前に会社に申告することが必要です。年末調整後に扶養家族の人数が変わった場合や保険料の金額に変更があった場合には、所得控除の金額が変わるため年末調整のやり直しをすることになります。
4)年末調整の期限を過ぎてしまったときの対処
年末調整の期限である1月31日を過ぎてからやり直したい場合には、3月15日までに従業員が個人単位で確定申告を行うことで対応できます。期限を過ぎて変更された生命保険料等の保険料控除や扶養控除を申告したい場合には、確定申告を行うようにしましょう。
5)年末調整をし忘れてしまったときの罰則
雇用者にとって、従業員の年末調整は義務です。雇用者が年末調整を忘れてしまった場合は、所得税法上で罰則が定められています。
年末調整によって徴収し納めるべき所得税を納めなかった場合は、10年以下の懲役、もしくは200万円以下の罰金、またはこれら両方を課せられることになります。
6)源泉所得税の不足額の徴収
「年末調整では所得税の還付が受けられる」というイメージが強いかもしれませんが、場合によってはすでに納めた所得税に不足が生じることもあります。
所得税に不足がある場合は、通常12月の給与から天引きとなりますが、不足額があまりにも大きいと、その月の給与が極端に減ってしまい、生活に支障が出る恐れがあります。
この救済措置として「不足額徴収繰延」という制度があり、承認申請書を提出することで、不足している金額を翌年の1月と2月の給与にも分けて支払えるようになります。
なお、承認申請書の提出期限は「その年最後の給与支払日前日まで」となりますので注意しましょう。
まとめ
税金は給与や賞与が支払われるときに徴収されていますが、年末調整をすることで初めて1年間の税金の納付が完結します。年末調整はその年の最後の給与支払い時期に合わせて行い、会社によってスケジュールが異なります。年末調整を期限内に終えられるよう、余裕を持って従業員から書類の回収を行い、計算・提出書類の作成を行うようにしましょう。
年末調整をもっとラクにする方法
年末調整を、人事労務 freeeを使ってもっと効率化しませんか?
スマホやPCから、分かりやすいアンケート形式で従業員に入力してもらうことが可能です。
ペーパーレスな年末調整を実現できることはもちろん、分かりやすいUIによって担当者による説明・修正コストを減らせます。
労務担当者のみなさん、人事労務freeeをぜひお試しください。