軽減税率導入により検討される「インボイス方式」とは?
2017年4月に消費税を現在の8%から10%に引き上げることが決定していますが、それと同時に導入される日用品などの軽減税率についての議論も現在活発に行われています。自民党・公民党は請求書のインボイス方式の制度案に合意し、インボイスの発行を義務付けることなどを検討しています。果たして、この「インボイス方式」とはどのようなものなのでしょうか。今回はインボイス方式について解説します。
1)インボイスとは?
インボイスとは日本語にすると「請求書」という意味を指すこともあり、制度自体が非常にわかりにくいです。まず、インボイスとはどのようなものを指すのでしょうか。
インボイスとは、会社同士が取引をする際に、商品ごとに税率や税額を一覧にして記載した明細書のことを指し、日本語では「税額表」と言われることもあります。既存の日本の請求書では、商品をまとめた形(例えば、「食料品等」という書き方などです)で記載し、金額自体も、税込み価格のみを記載してよいこととしておりました。
しかし、インボイスでは、一つひとつの商品に対し、それぞれの税率と税額を記載することが必要になり、それに伴い取引ごとに記載が必要になります。
2)なぜ、インボイス方式が必要?
インボイス方式では、先ほども述べたように、全ての商品や取引に税率の記載が必要になります。現在の日本の請求書のシステムは、消費税額が一律の場合は簡単に計算ができるのでいいですが、これが品目によって税率がまちまちになってしまうと、不正が発生する要因になってしまったり、ミスが発生しやすくなってしまう恐れがあります。
3)中小企業は導入によるコスト増加が懸念される
不正が防止されるなど、メリットが多く語られるインボイス方式ですが、中小企業にとってはデメリットの方が大きいと言わざるを得ません。まず、インボイス方式に対応するための事務的な負担や、システムの対応による金銭面での負担が大きいという見方もあります。
まとめ
軽減税率は品目の決定の仕方などとともに、非常に多くのアイデアが日々議論され、検討されています。対応が必要になりそうな中小企業の経理担当者や、経営者はニュースをチェックして、新制度がどのようなものになるのかを把握する必要があるのではないでしょうか。