どうなる軽減税率の適用範囲 キーワードは「加工食品」
消費税が10%になる場合、食品などの税率のみ8%に据え置く軽減税率ですが、現在その適用範囲で各政党が激しい議論を重ねているようです。果たして、今回の軽減税率が適用される範囲はどれぐらいになりそうなのでしょうか? 今回は、軽減税率の適用範囲について紹介します。
1)確実に軽減税率の範囲に含まれるとされるのは「生鮮食品」
まず、確実に軽減税率の範囲に含まれるだろうと予想されるものから紹介しましょう。各政党で軽減税率を適用すると意見が一致しているのは野菜や魚などの生鮮食品です。確かに、野菜や卵、魚などの生鮮食品は生活に欠かせないという人が多いのではないでしょうか?
2)意見が分かれているのは「加工食品」
生鮮食品に対して、各政党で意見が割れているのが加工食品の取り扱いについてです。自民党は、加工食品を全く入れない、もしくは、刺し身やミンチ肉などの一部の加工食品だけ対象とすることを主張しています。それに対して、公明党は、菓子や飲料を除いた加工食品、もしくは加工食品全部を主張しています。さらに、外食も盛り込むべきだという意見も公明党の中にはあるようです。
なぜ、これだけ意見が分かれてしまっているのでしょうか。加工食品を盛り込むべきだ、という意見は市民の意見に基いているようです。読売新聞の世論調査によると、約6割の人は加工食品も軽減税率に盛り込んで欲しいという意見を持っているそうです。これに対し、自民党は財源確保が難しいことから、範囲を縮小させることが狙いのようです。品目や範囲が広がれば広がるほど、増税による歳入の増加見込が減ってしまいます。その分を補う財源を確保することを考えると、厳しい判断とならざるを得ないというのが本音だと言えるでしょう。
3)そもそも、「生鮮食品」はどこまで?
そもそも、生鮮食品は含むことで合意していますが、どこまでが生鮮食品となるのでしょうか? たとえば、ミックスサラダなどは一度加工されているため、生鮮食品の扱いにはならないとされていますし、国民食といえる醤油やお米なども生鮮食品には含まれません。
市民としても、どれが加工食品であるのか見分けがつきにくいですし、小売店などはレジのシステム変更や、加工食品と生鮮食品の税率の付け間違いなどが起きる可能性もあるでしょう。
まとめ
加工食品と生鮮食品にスポットライトを当てて紹介しましたが、本質的な問題は、軽減税率に伴ってどれぐらいのコストが国民や企業にふりかかるのかということではないでしょうか。軽減税率がどのように決定されるのかをチェックし、さらには軽減税率の財源として、どのような税金にしわ寄せが来るのか動向を知っておく必要があります。