事業がどんどん進むチーム作り4つのポイントと、チームを回すためにリーダーがすべき5つのこと
株式会社JQの下田です。
プロジェクトマネジメント支援事業を軸に会社経営をしています。
チームビルディングは、事業が成功するかどうかの要となる部分であるため、経営や事業責任者の立場の方にとっては、永遠のテーマだと思います。
私は日頃、プロジェクトマネジメント支援をしていますが、プロジェクトマネジメントというものはチームの作り方と非常に似ていると思う部分が多々あります。過去にさまざまな会社から相談を受けてきて、なかには素晴らしい事業を展開しているのにも関わらず、チームが適切に組成されていないために事業がグロースしなかったケースをいくつも見てきました。
そこで今回は、これまでのプロジェクトマネジメントするなかで見えてきたチームビルディングのポイントと、チームリーダーがすべきことはなにか? について書こうと思います。
チームを作る時の4つのポイント
①アサインする人を決める前にタスクを洗い出す
事業やプロジェクト、チームを作るということは、「チームでこんな仕事をしてほしい!」「この課題を解決してほしい!」という目的が必ずあるはずです。それを前提に考えると、その目的を達成するためにチームでやってほしいことを洗い出せていないと、どんな人をアサインすべきか定まりません。
したがって、先にどんなタスクが発生しうるのか、可能な限り洗い出すことが重要です。そのタスクの一覧からチームにアサインすべきメンバーを決め、職能に応じてタスクを振り分けていきます。
②タスクが明確でない場合には、まず少人数のタスク洗い出しチームを作る
これはPOINT①に関連してくることですが、最初の段階で関連しそうな人をかき集めてチームを作るのは避けましょう。
なぜなら、タスクや全体像が見えていない状態で人を集めてしまうと、やるべきことが見えていないために動かない人が出てきたり、多くの人の時間を無駄にしてしまったりと、いいことがありません。
プロジェクト開始時にタスクが見えていないのであれば、まずはタスクの洗い出しをするだけのチームを2〜3人で作って、その洗い出し・明確化から行います。
「まずは少人数ではじめる」というのがポイントです。
③チームや役割ごとの管掌範囲を明確にする
職能に応じてタスクを振り分けていくときに、管掌範囲(管轄と内容の範囲)もできるだけ明確にしましょう。
特に、いくつものチームで成り立つ大きなプロジェクトになると、管掌範囲が明確になっていないために関係者が増えます。こうなると、調整や承認にやたらと時間を要してしまったり、最終承認者が不明瞭になったりして、物事がうまく進まないことがあります。
もちろん、最初から完璧に決めるのは難しいかもしれませんが、その都度でも良いので、可能な限りチームや役割ごとの管掌範囲を明確にしていきましょう。
なかでも重要となるのが
- 各領域(企画、業務設計、システム設計など)において誰が責任者=意思決定者なのか
- 誰がほかの部署や会社との窓口になり相対するのか
を適切に分担することです。
関係する部署や会社から「誰と会話したらいいかわからない」というような混乱を招かないよう、窓口を明らかにしておくとスムーズに物事が進められます。同時に、関係する部署や会社への説明責任も生まれるので、“誰かが伝えたはず“という伝達漏れも防げます。
また、プロジェクトを進めていくと「これは、誰が決めてくれるのだろう」というあいまいな状況が発生してきます。この状況を放置していると、次から次へと仕事が遅延していきます。仕事をしていくなかで、その都度誰が何をやるか決めるのもチームリーダーの重要な仕事です。
④チームにはリーダーを必ず1人配置する
以上を踏まえた上でチーム編成ができたら、あとはチームリーダーを必ず1人決めましょう。リーダーのいないチームは意思決定がうまく進まなかったり、進むべき方向性に乱れが生じたりしてしまいます。
チームがチームとして機能するためには、それを取りまとめるリーダーの存在が不可欠です。逆に、リーダーらしき役割を複数人配置するのもNGです。「リーダーは必ず1人」が鉄則です。
もちろん、リーダーを決める際には素質がある人をアサインすることが重要にです。素質とは、後述する「チームを回すためにリーダーがすべきこと」を実践できる人です。
チームを回すためにリーダーがすべき5つのこと
①定例会議を設ける
チームを動かすためには、まずチームのメンバーが動きやすくなるよう、リズムを作ってあげることが大事です。そのリズム作りには、定例会議が有効です。
定例会議は、メンバーが仕事を進める際のマイルストーンにもなりますし、メンバー同士のコミュニケーションを深める場にもなります。逆に言えば、会議をその都度設定していくと、チームがダレてしまったり、タスクがうまく進まなかったり、コミュニケーションが雑になってしまったりするものです。
プロジェクトマネジメントをする際には、必ず定例会議を設けるところからスタートしています。朝会や夕会、週に一度のミーティングでも構いません。リズムを作って仕事に取り掛かりやすくしましょう。
ちなみに、定例会議への参加意義をメンバーに示してあげることで、その定例会議の質を上げることができます。議論が必要な会議は、必ずアジェンダを用意しておくようにしましょう。
②メンバーのタスク状況を整理する
仕事を進めていく上で、すべて計画通りに進むことはありえません。
たとえば、上からの指示で新たな検討要件が加わる、ほかのメンバーが休んだことで別のメンバーが対応するなど、タスクそのものや優先順位は状況に応じて流動的に変わってきます。
そんな時には、タスクを一度洗い出し、どのタスクを誰がやっていて、どのタスクが宙に浮いてしまっているのかなど、整理していく必要があります。それを全体だけでなくメンバーごとに整理してあげることで、常にメンバーが動きやすい環境を整えていくことが大事です。
③チームの品質管理をする
チームというのは、まとまりがあってこそ機能するものです。そして、常にまとまりを出すためにはチームの品質が良い状態であることが重要。質の良いチームは、メンバーの認識が一致していて、整合性が取れている状態だと思います。
チーム内で「この人はこう言っている」「あの人はこう言っている」となると、チームのまとまりがなくなります。リーダーは、常にメンバー間で認識や方向性のズレがないか、整合性とレベル感に注意を払いましょう。
④課題を見つけて吸い上げる
問題が発生したり課題に躓いたりして、タスクやプロジェクトそのものの進みが悪くなるという状況は、どんなチームでも発生しうるものです。
そうした状況下でメンバーが困っていたら、リーダーはその課題に気づいて吸い上げることが重要です。
そのためには、違和感を見つけたりメンバー間の会話に耳を傾けたり、チーム内に課題が発生していないかということに対して、常に気を配っておく必要があります。
また、課題を見つけた場合にはフットワーク軽く課題を解決しに行きましょう。たとえば、上流での意思決定が必要なときにエスカレーションする、情報不足が原因で作業が滞っていたらほかのチームに情報を取りに行く。
チームメンバーが動きやすい環境を作ることが、リーダーの役割です。
⑤メンバーのメンタル管理をする
④と関連しますが、メンバー間の会話に耳を傾けることで彼らのメンタル状況に気配りできるようにしておくことも大切です。
会話の雰囲気や内容など、メンタルの状態を確認できるポイントには気を配り、違和感を覚えた場合には積極的に介入して、できるだけ解決の糸口を探ってあげましょう。
以上を踏まえて適切なチームづくりをし、適切なリーダーを配置できるとチームがうまく機能し、プロジェクトや事業はうまく進みます。これからのチームビルディングに役立てば幸いです。