退職所得の源泉徴収票の書き方と読み方をわかりやすく解説
退職金には、給与とは別の源泉徴収票が必要です。
今回は、退職金の源泉徴収票の書き方について解説していきます。
退職所得
長年勤務した会社を退職する際に退職金を受け取る方は、退職所得に対する源泉徴収が必要になります
退職所得とは
退職所得を受け取ることができるのは以下のようなケースです。
・一般の社員で、定年退職など自己都合による退職
・社員として在籍中に障がい者となったことによる退職
・役員の退職
・一時恩給
“定年退職や転職などで会社を辞めたとき、一般的に日本企業では退職金を受け取ることになります。「退職所得」とは、退職により勤務先から受ける退職手当などの所得のことです。”
<引用元>経営ハッカー:退職所得とは?退職所得を受け取ったあと、確定申告はすべきなのか?
退職所得の源泉徴収票の書き方
退職所得を支払う会社は、給与と同様に退職所得の源泉徴収票を作成しなければなりません。
源泉徴収票は税務署提出用と交付用の2種類を作成しますが、マイナンバーが記載されるのは税務署提出用の源泉徴収票のみとなっています。
源泉徴収票の記載項目
・退職金を受け取る人の氏名・住所
・区分
・退職金の金額
・源泉徴収税額
・特別徴収税額
・退職所得控除額
・勤続年数
・支払者名・住所
受給者の氏名や住所は給与所得の源泉徴収票と同じです。
退職金を分割して支給した場合や、退職金を一括ではなく分割にて支給した場合においても源泉徴収票の書き方に変わりはありません。
退職所得の源泉徴収票の読み方
退職所得の源泉徴収票と給与の源泉徴収票を比較すると、退職所得のほうは内容がかなりシンプルです。
記載されているのは次のような項目のみです。
・退職金を受け取る人の氏名・住所
・支払い区分
・退職所得控除額
・勤続年数
・就職年月日
・退職年月日
・支払者名・住所
支払い区分の欄には、会社が支払った退職金の額と源泉徴収税額が記載されています。
退職金の受け取りが「1ヶ所の会社のみ」なのか「2ヶ所以上」あるのか、「退職所得の受給に関する申告書が未提出」かによって退職所得が記入される区分が決定します。
退職所得控除額は、勤続年数が1年から20年であれば年間で40万円、21年以上になると年間70万円です。
就職年月日は、労働契約書に記載されている入社日のことです。
勤続年数は1年未満切り上げとなるため、勤続年数が20年6ヶ月であれば勤続21年ということになります。
<参考>国税庁:退職所得の源泉徴収票・特別徴収票
転職先に退職所得の源泉徴収票を提出する必要はある?
転職をすると、前職の「給与」の源泉徴収票を提出しなければなりませんが、退職所得は年末調整を行わないということで、退職所得の源泉徴収票を転職先に提出する必要はありません。
ただし、退職所得に課税されている人が確定申告を行う場合には、退職所得の源泉徴収票が必要になるので大切に保管しておきましょう。
退職金の源泉徴収票を再発行したい場合
源泉徴収票は再発行が可能な書類なので、発行元の会社に依頼すれば再発行されます。
源泉徴収票の再発行申請に必要な書類等はなく、口頭での依頼で申請できますが、会社の都合によっては再発行までに時間がかかる場合があります。
税務署で源泉徴収票は発行できる?
税金のことを取り仕切っているのだから税務署なら源泉徴収票を発行できるのではないかと思われがちですが、源泉徴収票は会社が発行する書類です。
税務署が源泉徴収票の発行にかかわるとすれば、どれだけ依頼しても会社側が源泉徴収票を発行してくれない場合です。
もしそのような状態になってしまったら、税務署に相談して「源泉徴収票不交付の届出手続」を行い、税務署から会社に直接指導してもらうようにしましょう。
源泉徴収票を発行すべき会社が倒産している場合はまず破産管財人に依頼し、それでも難しいようであれば税務署に相談しましょう。
まとめ
退職所得の源泉徴収票は給与所得とは記載内容も扱い方も異なりますが、どちらにしても重要書類であることに変わりはないので、失くさないよう大切に保管しておきましょう。