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2014年06月17日(火)

経営者として活動開始する前に準備したい9項目

経営ハッカー編集部
経営者として活動開始する前に準備したい9項目

会社設立

会社設立には様々な準備をしなければいけないもの。活動開始時に、知っておくと安心な事前準備をご紹介します!

1,オフィスを確保しよう。

不動産会社に行く前に候補地域を見て回る。

当初はオフィスはコンパクトにし、その分「仕入れ」や「営業費用」など、直接収益につながるものに投資すべき。オフィスの印象が業績に大きく影響する事業の場合は別。 オフィスを借りる際には不動産会社にいく前にやっておきたい事がある。まず開業予定地の下見を行い、気に入った物件には直接オーナーに交渉し仲介手数料を省く方法がある。 また、自治体が提供するインキュベーションオフィスは、入居時の保証金が不要な所や、格安の所も多い。民間でも、ビルオーナー会社によっては、礼金・更新料不要などを売りにしたケースもあるから、あらかじめこれらの物件を検索し当たりを付けるのも良いだろう。それでも見つからない時は不動産屋に連絡しよう。

賃料以外にも重要な事がいっぱい!?

次に、「契約条件」や「使用条件」などをチェックしたい。 ●契約面積について(20坪の店舗の場合。)

  •  ①事務所スペースは20坪なのか?
  •  ②トイレや給湯室などの事務所の外にあるスペースに含むのか?

●使用時間について。

  •  ①そのビルは24時間自由に使用可能か?
  •  ②一定時間で退去しなければならないのか?

③使用制限されている曜日はないか? ●ビル設備について。

  •  ①電気容量を確認(※小規模オフィスでも50アンペアは欲しい)。
  •  ②管理会社のサービス内容確認。
  •  ③ビル内や周辺環境の防犯レベルは良いか?

2,店舗物件を探す前に確認しよう。

店舗ビジネスの成否を決めるのは「場所が7割」といわれ、「業種・業態」、「主要ターゲット」、「競合状況」、「営業方針」、「資金力」などの5つの条件にもとづきながら、出店地域(商圏)や立地条件を絞ってゆく。地の利を活かすのか、知らない地域なら、通行量や周辺環境を徹底的に調査する必要がある。 商業地域か非商業地域か自分の店の個性に適応した地域に出店しよう。商業地域でも繁華街の裏路地や郊外の駅前など、立地ひとつとってもても様々な選択肢があるので慎重に調べたい。 スクリーンショット 2014-06-13 17.35.41

3,物件は即決せず慎重にチェックしよう。

昼や夜、平日や休日など条件を変えて自分なりに調査研究してみるといいだろう。通行量や客層の変化などを観察する事は物件選びをするうえで肝心だ。また、物件の状態を把握する事も必要だ。築年数や付帯設備の内容、保証金や賃料などの条件を総合的に考えて候補を絞る必要がある。 こちらのチェックシートで調査してみよう(check sheet

4,店舗を工事しよう。

店舗物件を確保したら、内装、外装、さらには設備などの工事を行う。店舗コンセプトや総予算、オープンまでの時間などによって決めよう。 ただし、最近は低予算で仕事を引き受けてくれるデザイン会社や内装会社もあるのであきらめずに声をかけてみよう。

  • 専門技術を要する工事(電気は・配管等)以外すべて自分で行う方法。
  • デザインのみ自分で行い施行は工務店に発注する方法。
  • 基本構想段階からプロに依頼する方法。

気に入った店舗から内装業者を聞き出してみよう。

物件を探していれば気に入っている店舗の1つや2つは見つかるはず。その店のオーナーに、発注先業者を聞き出せればイメージの共有はしやすくなる。 内装費用はデザイン次第で跳ね上がってしまう。その為、複数の業者から見積もりを取る事が大前提で、費用に関する条件もあらかじめきちんと聞いておくと良いだろう。 また、居抜き物件を探しているのであれば、不動産屋にその事を伝えればリストをだしてくれるはずだ。 スクリーンショット 2014-06-13 19.05.15

5,仕入れ先や外注先を確保しよう。

どんなにいい立地でも、どんなにいい技術を持っていても、顧客を持っていても、仕入れ先が外注先の質が悪かったり、そのサービス体制に問題があったりすると、独立を成功に導く事は難しくなる。仕入れ先・外注先の決定・確保は、失敗が許されない根幹作業と心得てほしい。

希少品を少量ロットで仕入れる努力が基本。

物販店の場合、業種によってオーソドックスな流通ルートはまったく異なっている。自分が独立する分野の「常識」は理解しておきたい。 新しい仕入れ先を開発したり、既存ルートの隙間をかいくぐったりして、低コスト・低リスクの仕入れを目指そう。 例えば、海外から商材を仕入れるとしたら、商社を通したり、船便を利用すると費用がかさむ。そこで、自分で買い付けしたり、頻繁に海外に出かける航空会社の添乗員などに、品物を指定して買い付けを頼むと、少量・低コストの仕入れが実現する。 また、仕入れ費用ゼロの委託販売という方法もある。リサイクルショップを始め、最近では雑貨店などでも用いられる。 小売店の仕入れの流れ(kouriten_shiire

食材は卸売以外にも多彩なルートあり。

飲食店の仕入れ先として一般的なのは卸売業者(仲卸)である。数ある業者の中からどうやって取引先を決めればいいのか? 価格、店舗からの距離、配達サービスの有無などは基本だが、それ以上に必要なのは、自分が求める品物を安定的に供給してくれるかということだ。例えば、希少な食材が必要な時、それに対応してくれる力があるとか、料理法やメニューなどの提案をしてくれる仲卸もいる。 一方、出店予定地の近隣にスーパーマーケットはないか。折り込みチラシなどを見ればわかる。その日の特売品などは卸売価格より安いはずだ。これを利用し安値の商品を仕入れてメニューを考えるのも良い。また、食材が欲しい時間に届かないといった問題もある。そういう時は、近所のスーパーマーケットを活用すると便利なので、出店する予定地選定の一つの基準として考慮したい。 食材などをインターネットを利用して仕入れる方法もある。インフォマートは、広範囲の食材や食品の取り寄せに利用すると便利だ。 飲食店の仕入れの流れ(inshoku

6,人材を確保しよう。

自分にはない能力を補ったり、事業を発展させる為には、一緒に頑張ってくれるスタッフが必要だ。その際「どんな職種の人が何人必要か?」「どんな能力を優先するか?」「従業員として雇用するのが良いのか?」「業務委託契約などのアウトソーシング形態がいいのか?」事前に決めたい。 確保する人材がはっきりしたら、採用・契約に向けてのスケジュールを組む。募集期間や選考期間などは、勤務開始日から逆算して余裕のある日程にしたい。

求人方法は多彩にある。

知人や縁故、ハローワーク、各種学校の就活課、求人情報誌や求人サイトなど。自社サイトがあるならそこも活用したい。また、新聞や業界紙などに掲載する方法もある。 内容は、「求める人物・人数・活用形態(雇用契約・業務委託契約)」など予算などを考え合わせて募集方法を選択しよう。なお、正社員(期間を定めない雇用契約による従業員)採用は、固定費の増加や、経営環境変化への対応力の鈍化につながる可能性もあるので経営を圧迫する恐れがある。雇用するなら期間契約を結ぶ、あるいは雇用せず、派遣社員の導入やアウトソーシングの活用やアウトソーシングの活用、さらには、同業者同士でのフォローなどの手段も積極的に検討してほしい。 オフィスワークの外注先探しについてエージェントを利用してみるといい。以前からの人間関係に頼った偏りのあるスタッフ探しではなく、広がりのある人材雇用に便利だ。また、想像以上に低コストで人材確保してくれるはずだ。

7,備品を調達しよう。

リサイクル品を積極活用するには?

店舗によっては、必要不可欠な器具や什器類、設備などは決まってくる。またオフィスを開くにしても、事業用品や事務機器は最低限度必要だ。100万円単位でコストダウンできる可能性もある備品選定はとても重要になってくる。独立当初これらの備品は焦らずギリギリまで絞り込んで、新品に関わらず、リサイクルショップなどを活用し賢く揃えると良いだろう。また、タダで備品を手に入れるテクニックもある。閉店準備で備品類を整理しようとしている店舗に譲ってもらう方法、友人・知人などに開業祝いとして必要品を指定する方法、フリーペーパーなどに記載された「譲ります」コーナーでお宝入手する方法などなどフル活用し、無駄な経費を遣わないようにしたい。

8,名刺や営業ツールを作成して告知や宣伝をしよう。

名刺は超軽量小型の強力営業ツール 営業開始前に作成しておきたいツールは、名刺と事業内容を記載した印刷物やホームページだ。特に名刺は絶対必須アイテムだ。

名刺を作る際の留意点。

  • ①氏名、屋号、肩書きを必ず記載する。
  • ②相手の名刺ケースから見つけやすくする工夫。
  • ③アクセス方法をわかりや表示し文字が小さくならないようにする。
  • ④TPOに応じた数種類の名刺を作成しておくといい。

インターネットを最大限活用する。

ホームページは自分で作り宣伝コストを下げよう。もちろん資金に余裕があればデザイナーなどプロに依頼してもいい。コストのかからない有効な宣伝方法にメールマガジンがある。事業内容に関連したテーマに沿って話題を提供していけば、おのずとファンも増える。また、携帯コンテンツ配信会社などを利用して宣伝する方法もある。

まだまだあるコストのかからない宣伝方法。

「まさか自分がマスコミに取り上げられるはずがない」と決めつけず、ニュースリリースを作ってマスコミに売り込んでみよう。その際、参考資料としても使えるので、営業パンフレットも自分で作るといい。また、何かと協力してもらえそうな知人向けに案内状を配ると良い。

9,当面の資金繰りを計画しよう。

目を話すと大変な不規則な入出金について。

事業の収入は給料と異なり不定額で不定期だ。売り上げもバラバラで、入金時期もまちまち。現金取り引きだけならいいが、請求書を発行する掛け売りがあると、月末締めの翌月末払い、翌月5日締めの翌々月15日払いまど、相手の支払条件に従わざるを得なくなる。更に支払方法が、現金・集金・口座振込ならいいが、約束手形を振り出す取引先も少なくない(※約束手形とは▶︎指定した期日に、指定の銀行で、指定の金額を現金にできるという証文のこと)。通常、現金化の期日は手形振出日の90日〜120日後が多い。

最悪の場合黒字倒産もある。

事業は黒字でも赤字でも、資金さえあれば続けられる。どんなに赤字でも、借り入れをして資金を回す事ができるし、反対にどんなに黒字でも手元に資金がなければ身動きできない。したがって収支の管理とは別に、「いつ・どこから」実際に資金が入ってくるかを管理しないといけない。それを表したのがこのシート(資金繰り表)。 この表は、事前に先の入出金を予測して書き込むものである。その予測を書いてみて、表の最下段にある「当月資金残高」がマイナスになるようなら、それまでに資金の手当をしないとまずい。もしそうなったら、取引先に予定より早く支払ってもらうよう依頼するか、現金払いや、それに近い支払い速度の仕事を急に受けるか、あるいは支払先に待ってもらうか、どれもだめなら借り入れを起こすなど、方策をとらねばならない。 なお、独立当初は多くの場合に売り上げの回収ができていないのに、支払が起きるため、資金繰りが苦しい時期がある。従って独立資金は、全額開業時に投下せず、数ヶ月先までの資金繰りを計画し、不足しそうな支払のために、一定額を残しておく必要がある。

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