「節税対策」になる!? フリーレントについて知っておきたい6つのこと
フリーレントのメリットは物件の貸し手側にしかない!?
北陸新幹線の開業で北陸エリアは都内の企業の本社移転や支店開業などで活気づいていますね。これまで東京から金沢間は3時間50分かかったのですが、約1時間20分短縮され2時間28分になりました。氷見の鰤(ぶり)や、富山ブラック(ご当地ラーメン)を食べに行くにもこれまでは東京から富山まで3時間11分かかっていたのですが、2時間8分と約1時間短縮されました。首都圏からのアクセスが良くなった事で、企業も続々と事務所移転や、新展開しやすくなったので、人口の流動が起こっています。
また、春は進学・就職・新展開の季節ですので、転居や事務所開設など新たな動きもあり不動産業界は繁忙期です。そこで今回は、税金対策として、借り手側には初期費用が下がるメリットのある「フリーレント」についてまとめました。「フリーレント」は、借り手側に物件を借りやすくなるなどのメリットがありますが、実は物件を貸す側にこそ様々な利点があるのです。それでは上手な「フリーレント」の節税対策についてご紹介しましょう。
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1)支払家賃が増えるカラクリ
フリーレントを適用した場合、借り手の家賃は以下の計算式で求められます。フリーレント期間-居住期間分の家賃=実質的な支払家賃
たとえば1か月の家賃が5万円の物件を賃貸に出し、2年ごとの更新があると仮定します。 もう一つは1か月のフリーレント付きで、家賃を5千円上乗せした5.5万円のケース。
1.フリーレントを適用しない場合
1年間の合計賃料は5万円X12か月=60万円 2年間では60万円X2年=120万円2.フリーレントを1か月適用した場合
1年間の合計賃料は5.5万円X12か月-1か月=60.5万円 2年間では60.5+(5.5X12か月)=126.5万円以上のようになります。 仮に1年で退去された場合でも5千円の儲け、2年後の退去なら6.5万円の儲けと、1年で5.4%の利回りを得たことになります。これはヘタな株や投資信託よりもはるかに高い利回りです。
2)客寄せに最適なカラクリ
物件を借りる側からすれば、今住んでいる家から別の家に住み替えようとする場合、2種類の費用が掛かります。・新居の契約費用 ・引越し料金
どちらも高額になるため、少しでも費用負担を軽くしたいと思うのが人のココロというもの。 そのような状況で「フリーレント○か月」「敷金礼金ゼロ」といった言葉に目がいかないはずはなく、そうしたサービスを提供している物件を中心に家さがしをしている方もたくさんいます。 そのような理由から、「フリーレント」は客寄せのためのキャッチコピーとして、高い利用効果を持っています。
3)違約金のカラクリ
フリーレントをする場合、儲けが出る前に引越して欲しくないものです。それをさせないために違約金の発生を賃貸契約書に明記しています。たとえば、 「○○か月居住しなかった場合フリーレントは無効」「中途解約の場合は、フリーレント分の家賃支払いが発生します」等といった要領で、契約者をけん制しておきます。そうすれば賃料が安くなることだけを目的にしている客をふるいにかけ、寄り信頼度の高い借り手を獲得できる可能性も高まるでしょう。
4)空室率が下がるカラクリ
「フリーレント」をダシにしても居住者が増えれば、空室率はその分下がります。物件は居住者が入ってこそ収入を生み出します。つまり空きがある状況こそがリスクであり、損失となります。「フリーレント」を活用し、空室率を下げていきましょう。5)売上計上のカラクリ
フリーレントを行った際の売上計上は、中途解約に関する定めがある場合とない場合では方式が異なってきます。1.中途解約できる場合> 実際の賃料収入が、税法上の収益計上額となる。
例)5万円X12か月=60万円(収益)
2.中途解約できない(違約金などの発生)を明記> フリーレント期間を含めた期間の売上を帳簿上で「未収金」として計上するものの、税法上は賃料収入として、全期間の賃料を収入として計上。
例)5万円X12か月=60万円(収益)
フリーレント1か月分=5万円(未収金)
ちなみに消費税は契約の内容関係はなく、フリーレント期間中に課税売上を計上する必要はありません。
6)節税対策のカラクリ
先ほど「フリーレント」は客寄せのための良いキャッチになるとかきましたが、これを節税対策として利用することも可能です。ここでフォーカスしたいのは「不動産所得」を得るために「必要経費」をどう使うかということ。 必要経費にはいくつか種類がありますが、とりわけ「宣伝広告費」(不動産会社に支払う仲介手数料や広告費)と「管理委託費」管理を委託している不動産会社に支払う費用に注目です。
保有物件を「フリーレント」にすれば、宣伝効果を生み出し、対外的な価値も上がります。やるとやらないとでは月とスッポン、とまでは言いませんが、宣伝広告費や取り扱ってもらう不動産会社や仲介業者を増やしてでも、アピールする価値は大いにあります。その際使った費用は「必要経費」として計上できますから、節税効果を生み出すのです。
7)まとめ
私自身、過去フリーレントを利用し1か月分の家賃を浮かせて借りましたけど、お得感が出るのは借りる時だけですね。2年で更新が来るので、その1か月分の家賃を2年間でならして、月平均で3千円ほど安くなってはいたのですが…。住み始めてからしばらくして、同じような間取りの周辺物件をいくつか調べたら、自分の家が相場より1万円ほど高いことに気が付き、後悔したのを今でもよく覚えています。初期費用が安いからと言って安易に飛びつくと、結局トータルでは高い賃料を支払わなければならなくなるので、借りる側はその点を注意したほうが良いかもしれませんね。貸し手側にとってそこは「最高のうまみ」へと変わるんですが。
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