なぜ必要?飲食店の事業計画書 | 開業時に知っておくべき基礎知識
飲食店の事業計画書について、なぜ必要なのか考えたことはあるでしょうか? 「多くの人は融資の申請に必要だから」と答えるのではないでしょうか。実際のところはなぜ創業計画書が必要なのでしょうか? 今回は、事業計画書の必要性を中心に説明します。
1)事業計画書を作る意味
それでは、本当に融資の申請をするためだけのために事業計画書は作るものなのでしょうか。日本政策金融公庫のホームページには次のように書かれています。
「事業計画書は、金融機関や事業の協力者への説明の際に必要となります。また、説明する必要がない場合であっても、自分の事業が本当に実現可能なのかを確認する意味で、事業計画書の作成は必要なのです。」
後半部分に、金融機関等に説明する必要がない場合でも、自分の事業が本当に実現可能なのかを確認する意味で事業計画書を作成する必要があると書いてありますが、まさにこれが本質になります。ですから、融資のためだけに事業計画書を作成するというのは、本質から外れてしまっていることになります。
2)金融機関への説明に事業計画書が必要となる場合
本質を理解したところで、実際は金融機関への説明に事業計画書が必要なことには変わりありません。それでは、どのようなことに留意して事業計画書を作成すればいいのでしょうか?
事業計画では、不動産取得費や内装費、厨房機器、運転資金を合わせた総投資額見込み分を自己資金で賄えるのかが重要になります。
自己資金で賄えないと言う結論が得た場合は金融機関、親族からの資金調達を検討しなければ事業が実現できません。資金調達をするときにどのような計画で運営していくのかを金融機関に説明するのですが、このときに事業計画書が重要になるのです。
また、借入金返済が必要となった場合には、数値計画上、個人事業で始めるのであれば返済原資(税引後利益+減価償却費-生活費)がしっかり確保できているのか?という所も考えましょう。もし、返済原資が確保できていないのであれば、資金がショートしてしまいます。
3)不動産業者にも事業計画書は重要な意味を持つ
事業の協力者への説明にも事業計画書が必要な場合が多いですが、とくに用いる回数が多いのが不動産業者に対してであると思います。
同じような条件の借主がいた場合、事業継続の可能性が高い借主さんに事務所やテナントを借りてほしいと思うのは当然です。ですから、事業計画書を作成し、不動産屋にもしっかり説明できるようにしておくとよいと思います。
まとめ
今回は、事業計画書の重要性について紹介致しました。創業計画書を書くうえでは、定性面と定量面のどちらの面も押さえて記載していく必要があります。
定性面は ・創業動機 ・経営者の略歴等 ・取扱商品サービス ・取引先・取引関係等
定量面は ・ボトム ミドル アッパーのステージ別売上計画 ・5ヶ年数値事業計画 ・投資計画
を書いていく必要があります。今回は項目までの紹介になってしまいましたが、次回から項目ごとに書いていきたいと思います。
飲食店の具体的な事業計画書の書き方や開業資金の調達方法については「繁盛する飲食店が必ずやっている開業資金の調達方法」も是非ご覧ください。