コネ無し・スキル無し・資金無しでも開業できたけど失敗した話
はじめまして、ゆうせいと申します。サラリーマンとして都内のWeb制作会社にてメディア運用業務を担当しつつ、個人事業主としてライター、プランナー、そしてフリー素材モデルをしております。
そんな私ですが、実は5年ほど前に石川県でiPhoneの修理業を営んでいたことがあります。それもコネ無し・スキル無し・資金無しで開業しました。失敗しましたけど。
そこで今回は、これから独立しようと思っている方の参考になればと思い、当時の経緯などをお話したいと思います。
サラリーマンを辞め、個人事業主として独立しようと思った理由
まず、iPhoneの修理業を始めようと思ったところからお話します。当時私は菓子メーカーの営業をしておりまして、ありがたいことに、あの『踊る大捜査線』の商品づくりに関わることができました。
ずっと好きだった作品に関われて、とても貴重な経験だったのですが、生意気ながら「これ以上の仕事ができるだろうか?」とも思ってしまいました。
自分ひとりで完結する仕事を求め、個人事業主へ
いま思い返しても増長そのもので恥ずかしい限りですが、当時はその思いが日増しに強くなり、自分の1人の力でのんびり何かをやってみたい、また営業という仕事柄、関わる人が多かったこともあり、次は自分だけでやれる仕事がしたいとも思うようになりました。
というわけで、個人事業主として開業することにしたのです。
コネ無しスキル無し資金無しで開業できるのか?
さて、開業すると決めたとは言え、当時はコネがあるわけでもなく、特別なスキルがあるわけでもなく、ましてや何百万円といった資金があるわけでもありませんでした。
そんな時、ネットを見ていて目に止まったのが「iPhoneの修理業」でした。ちょうど知人がiPhoneのガラスを割ってしまったこともあり、修理の方法を調べていて発見したのです。
当時、石川県には修理業者がなく、高額の修理費を覚悟してAppleの代理店に持ち込むか、郵送で県外の業者にお願いするしかありませんでした。つまり、石川県でiPhoneの修理業の需要があることはハッキリしていたのです。
フランチャイズ契約で独立を決める
とはいえ、コネもスキルもありません。そこでフランチャイズを利用することに。フランチャイズといっても、毎月いくら支払いますというタイプではなく、少しの加盟金と部品を継続的に購入する約束しかありませんでした。
これによって、修理業において必須である部品の確保と修理技術が手に入りました。つまり、コネとスキルの問題を一度で解決できたのです。 iPhoneの修理に需要を見出す
iPhoneの修理業において修理技術はもちろん重要ですが、それよりも修理部品を安定して確保することの方が大事です。中国と直接やり取りして個人輸入している方もいるみたいですが、ちょっとハードルが高いかなと。
もしフランチャイズ契約で独立をお考えなら、このような払いきりタイプがおすすめです。あとは定期的に部品を本部から購入することだけだったので、資金に関しての問題もクリアできたに等しかったですね。
初めから大げさな店舗を構える必要はない
独立開業と聞くと、いろいろと手続きが大変なイメージがあると思いますが、やると決めたら意外と単純で、難しいものでも何でもありませんでした。
個人事業主の開業に関しては開業届を提出するくらいですし、それには1円もお金はかかりません。それよりも店舗や事務所などはどうするとか、集客はどうするのかなどの方が面倒です。
店舗の種類を考える
正直なところ、修理するだけなら自宅でも開業可能です。でも、もし自分がiPhoneを修理したいと思った時、見知らぬ個人宅に足を運び、個人情報の詰まったiPhoneを渡すなんて考えられませんよね。また、修理する側としても、不特定多数の人を自宅へ招くことに抵抗を感じます。
そこで候補に挙げたのが、
- レンタルオフィス
- コワーキングスペース
- チャレンジショップ
です。
よく考えてみれば、受付スペースと作業スペースさえあれば十分なので、大げさな店舗は必要ないのです。レンタルオフィスやコワーキングスペースなら共有のラウンジみたいなところがありますので、そっちで受付をすれば問題ないです。
見つけた店舗はチャレンジショップ型
私の場合は、「チャレンジショップ」を利用しました。チャレンジショップとは、ある程度の期間限定ながら格安で借りることができる店舗です。将来自分のお店を出したい方が、まず手始めとして利用するのに丁度いいと思います。
多くの場合は自治体などが所有する物件であり、大きなスペースをいくつかに分割してインキュベート施設として展開されていることもあります。お住まいの地域でも、検索すると見つかるかもしれません。
私が見つけたチャレンジショップはシャッター通り商店街の一角にありました。立地は良いとは言えませんでしたが、格安の家賃と共用の無料駐車場があり、スタートには打って付けでした。
ブログで集客することでコストを抑えた
部品、技術、店舗が揃えば、あとはお客様を集めるだけですが、まずはブログだけを利用しました。
お店のブログを作成し、営業時間や修理代金はもちろん、iPhoneに関わることをアップしたのです。また、Twitterアカウントも作成し、「石川県 iPhone 修理」などのキーワードをいれてツイートしました。
当時使用していたWebサイトのデザイン
効果はすぐに現れ、チャレンジショップの準備が整う前から修理の依頼が殺到し、最初の数件は結局自宅で対応することになったほどです。
その後も修理依頼は途切れることなく、毎日のように予約が入りました。
順調だからこそやらなければいけないことがある
修理業は順調でした。何もしなくても予約が入ってきましたから。しかし、いまだからわかりますが、順調なうちにやっておかなくてはいけないことを私はおろそかにしたのです。
ブログだけでの集客に頼るのではなく、チラシを作って配布したり、タウン情報誌に広告を載せるなど、アナログで地味だけどやっておかなくてはいけないことがあります。
また、いつまでもシャッター通り商店街の一角に店を構えるのではなく、もっと立地の良い店舗を探す必要もありました。たとえば、携帯ショップの一部を間借りすることも考えられます。iPhoneを販売しているショップであれば、修理の問い合わせも多いでしょうから一石二鳥と言えます。
資金集めをおろそかに
そして、それらを実現するための資金を集める努力も必要です。これを私はおろそかにして、失敗しました。
資金に関しては、まともな事業計画書を書くことで国民政策金融公庫から比較的簡単に借りることができます。それも、順調なうちに作成することで見通しも明るいわけですから、より多くの資金を借りることが可能と思われます。
事業が上手くいかなくなってからでは見通しも暗く、事業計画書の数字もパッとしないものになります。当たり前のことですが、事業計画には根拠を示す必要がありますから、前月の売上が低いのに今月から急に高くなるなんてものは通用しません。
競合他社の登場による経営不振
私の場合は、修理業の大型チェーン店が1店舗、石川県の市場に参入してきた時点で気がつくべきでしたが、日々の修理件数に大きな変化がなかったので後回しにしていたのです。ただのバカですね。
その後、次々と新たな修理店がオープンし、価格面では対抗できたものの、立地や、ケース販売を併設されるなどあって、売上は一気にガタ落ちしました。そこで慌てて事業計画書を作ったところで、まともなものができるわけもなく、結局は希望額の半分しか借りることができませんでした。資金の使いみちは広告費に回すことで精一杯で、結局は焼け石に水。移転などを含めた計画は流れ、結果的に事業は立ち行かなくなりました。
初めての個人事業は失敗に終わったけれど
こうして私の初めての事業は、1年ほどであっけなく失敗しました。今思えば失敗して当たり前で、タイムマシンで当時の自分に会いに行けるものなら飛んで行って、全力で叱ってやるところですが、そのおかげで今の私がいます。
短い間ではありましたが、本当にすべてを自分の責任で実行することの楽しさと厳しさを知ることができましたから。
ブログ経験からメディア運用の仕事へ
ただ、その後に救いがあったのは、ブログを書いていたことでライターの仕事を受注することができて、それが元でWeb制作会社のメディア運用の仕事に就けたことです。
冒頭でも触れましたが、現在は別の会社でサラリーマンとしてメディア運用に関わりつつ、新たに開業した個人事業にてライター、プランナー、そしてフリー素材モデルをしております。
今の私があるのも、全部そのWeb制作会社のおかげなのですが、それはまた別の機会にお話したいと思います。
それではまた。 ご存知、ゆうせいでした。
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