仕事の生産性向上のために実験し、今も継続していること&辞めたことをまとめてみる
今の時代、長く働くよりも、限られた時間の中で成果を出す方が評価されます。生産性の高い働き方が奨励される時代の到来です。これからは結果だけではなくプロセスも重要になってきます。
私もこれまで、いかにして生産性を高められるか常に考えてきました。いわゆるタスク管理術もいくつか試しています。その試行錯誤の中で、成功した!効果があった!というものもあれば、あまり効果が出なかった…というものもありました。
今回は、個人事業主・経営者の方に参考にしていただくために、生産性向上のために実行して「役に立ったこと」、「失敗したこと」についてまとめてみます。
実際に試してみて、生産性向上の役に立ったこと
togglの利用
タスク管理ツールに「toggl」というものがあります。これは1日のうち、自分が「どの」タスクに「どのくらい」の時間が掛かっているのかを視覚化できるツールです。タスク(「経費計算」「資料作成」「メールチェック」など)を入力し、「Go!」ボタンをクリックすると、すぐに時間の計測が始まります。タスクを終えるときは「Stop」をクリックします。別のタスクを開始する際には、また新たなタスクを入力するだけです。タグ付けもできるので、プロジェクトごとにタグを変えて整理することもできます。
Togglの使い方については、こちらの記事などを参考にしてください。 >> togglの使い方と導入方法!時間管理で忙しさから卒業だ
このツールのすごいところは、どのタスクに一番時間を掛けているかが一目でわかること。私の場合は通勤時間に時間が掛かっていることがわかったので、会社近くに引っ越すことにしました。結果としてムダな時間を排除することができ、1日の時間を有意義に使えています。
「考える仕事」「単純作業」が向いている時間帯を探す
私は1日のスケジュールのうち、どの時間帯が一番仕事に集中できるかを実験してみました。「午前中」「13時〜15時」「15時〜17時」「17時〜19時」「19時〜21時」の区分にわけ、それぞれの時間帯に考える仕事と単純作業を両方行ってみたところ、考える仕事は「午前中」に、単純作業は「13時〜15時」に行うと集中して仕事ができることがわかりました。
分析するに、午前中は気候も穏やかで過ごしやすく、どこにいても比較的静かなので集中できるのではないかと思います。13時〜15時に単純作業が向いているのは、お昼休み後は眠気が襲ってきて生産性が下がってしまうため。よって、集中力をあまり要しない単純作業が向いているというわけです。
ちなみにこちらのサイトでは、1日のうち一番集中力が落ちる時間帯を13時〜15時と紹介しています。医学的観点から分析しているので面白いです。
>> もっとも集中できる時間帯は?【集中力についてのアンケート】 Doctors Me(ドクターズミー)
スマホの電源を切る
スマホをONにしておくと、様々な誘惑が待っています。Facebookメッセンジャー、LINE、電話などなど。せっかく集中しているのに、阻害してくる通知がスマホにはたくさんあるのです。私の場合は仕事中に飲み会の誘いが入り、集中力が切れてしまうこともありました。
一番良い方法は、スマホの電源を切ってしまうことです。もちろん仕事の電話が掛かってくることもあると思うので、電源は消さずともFacebook等アプリの通知を個別にOFFにするのが良いと思います。
休憩に入る時は、「休憩明けにすること」をメモしておく
休憩から復帰して自分の仕事机に戻って、「あれ?さっきまで何の仕事をしていたんだっけ?」と思うことはありませんか?それまでやっていた仕事を忘れ、関係のない仕事を始めてしまった経験のある人も多いでしょう。
そんなときは、離席時に付箋などに「離席前までやっていた仕事」をメモする習慣をつけることをおすすめします。そうすれば、席に戻ったときにそれまでやっていた仕事にすぐに復帰できます。かなりアナログなやり方ですが、仕事に復帰するまでの時間を省力化できますよ。
ちなみに私は付箋をタスク管理にも使っています。付箋を16枚ほど用意し、それぞれの付箋にタスクを記入します。そして縦4枚×横4枚のスペースに、左側に行けば行くほど優先順位の高いタスクが並ぶように貼り付けていきます。一番左上のタスクが最重要タスクです。左側のタスクを消化すると、2列目のタスクを左側にずらしていきます。このようにしてタスク管理もできるのです。
頭の中にあるものをとりあえず書き出す
これは今抱えているタスク、これからやらなければならないタスクをすべてノート(紙なら何でも可)に書き出すというやり方。週の初めにその週にやるべきこと&今抱えているタスクを書き出せば、今週何をすべきかがひと目でわかります。そして何より、頭の中でモヤモヤしていることを可視化することで、精神的にすっきりします。「なんだ、こんなことに悩んでいたのか」と冷静に自分を見つめ直すこともできるのです。
週の初めではなくても、時間が空いたときに悩み事などをひたすら書き出してみれば、頭の中が整理されます。詳しくは『ゼロ秒思考』という本に詳しいです。
参考記事 >> 紙・手書きが大嫌いな私が10日間で107枚書いた「ゼロ秒思考メモ」の効果 _ EX-IT.
試してみたけど、効果が薄かったので辞めたこと
ポモドーロテクニック
ポモドーロテクニックとは、高い生産性でタスクを消化していくテクニックのこと。定期的な休憩をあえて取り入れることで、常に集中できる状態をつくり出します。詳しくは以下の記事に詳しいですが、「25分タスクに集中したら5分休憩する」というのを4回繰り返し、その後少し長めの休憩を取るまでで1セット。これを1日に数セット繰り返すというものです。
スポーツ選手がよく「ゾーンに入る」という表現を使いますが、このテクニックはまさにゾーンに入りやすい状況を作ってくれます。集中力を必要とするクリエイティブな仕事をしている人や、経営方針を練りたい社長に適している仕事術と言えます。
参考記事 >> 今日から始める生産性アップ術。ポモドーロ・テクニック再入門ガイド
私も実践してみましたが、そもそも25分集中して5分休憩を繰り返す、という仕事の仕方自体が、私に合わないことがわかりました。私の場合、1時間集中できる日もあれば30分しか集中できない日もあるなど、集中できる時間にムラがありました。なので、いつも同じ時間集中するというこの方法は、私には向いていません。この方法は、人によって向き不向きがあるのではないかと感じています。
チャットでのやりとり
Facebookメッセンジャーやチャットワークなどに代表されるチャットアプリは、いつでも相手とコミュニケーションを取れるので便利。記事リンクや画像データも送れますし、やりとりを「履歴」として残せるのでビジネスシーンで重宝します。
とくに複数プロジェクトを抱えている経営層にとって、1人で複数のグループチャットに入れるチャットワークは便利。簡単にグループチャットを作れるので、新しいプロジェクトを立ち上げてすぐにやりとりを行えます。
しかし、メリットばかりではありません。ほぼテキストを中心としてやりとりを行うため、時に長文を送ってしまうことがありました。「(長文を送ってくるなら)電話の方が早かったですね」とメンバーに指摘されたこともあります。
また仕事とは関係のないグループも作れるので、そこで雑談をしてしまうという罠もあります。私もネットで話題になった動画のURLを貼り付けたり、ほかのメンバーをいじるコメントを書いたりと、業務とは関係のない内容を投稿してしまうことも多々ありました。このように、チャットには生産性を落とす可能性もあります。
早起きしてタスクをこなす
「早起きは三文の徳」という言葉もある通り、早起きすると良いことがあると昔から言われていました。私もある時期、早起きして仕事をしている時もありました。
しかし、私自身の問題でもあるのですが、早朝(5時〜6時ころ)に起きて仕事をしていると、眠くて全然仕事が進みませんでした。むしろ、8時ぐらいに起きて仕事をしたほうが捗ることに気が付いたのです。自分の体質的に、早朝に仕事をするのは向かないのだということがわかりました。
こちらの記事にもありますが、朝時間は体温が低くパフォーマンスが低下します。また人によって仕事が捗る時間帯も違います。早起きは絶対的に効果があるというわけではないので、自分に合った「捗る時間帯」を探すのが良いと思います。
スマホでスケジュール管理
スマホで何でもできる時代。スケジュール管理もスマホでしている人も多いと思います。
しかし私はあえて紙のシステム手帳を使っています。高橋書店の「フェルテ」をここ8年近く使っています。見開き1週間のバーティカル式です。平日だけではなく、土日も1時間ごとにタスクを管理できるのが魅力です。
「これならスマホアプリでもできる」と思う方もいるかもしれませんが、紙の手帳には枠外にメモができるのが魅力。私も枠外に今週の未消化タスクやなどを記入しています。終わったタスクは赤色ペンで日付脇の余白スペースに記入していきます。そうすれば、後で見返したときに「いつ」タスクを消化したのかが一目でわかって便利です。
実は私も以前はスマホでスケジュール管理をしていました。しかし、重要な会議の前にバッテリーが無くなってしまい、会議の場所を参照することができなくなってしまうということがありました。この”失敗”以降、私はバッテリー切れの心配がないシステム手帳を使っています。
昼休みは仮眠する
昼休みに昼寝をして集中力を高める、という人も多いと思います。シエスタが見直されていることからも、人々の「昼寝」への関心度の高さがわかります。
しかし私の場合、昼休みは同僚や部下とランチに行く時間です。ランチ中は仕事のこと、プライベートのことを話しています。その中で、部下の悩みや会社への不満など、業務中は聞けないけど重要な課題を見つけることが可能。経営層としては、普段なかなか話す機会を持てない一般従業員の動向を知ることができます。
昼休みに仮眠をすることで、自分の生産性は上がるでしょう。しかし、本当に大切なのは、会社全体の生産性を上げること。メンバーの悩みを吸い上げて、働きやすい会社をつくっていきたいものです。
まとめ
以上、「生産性向上の役に立ったこと」と「辞めたこと」を見てきました。まだまだ私も生産性を上げるために、様々なツールや手法を取り入れていくつもりです。ある程度まとまったら、また記事にしたいと思います。
注意したいことは、試行錯誤している目的がタスク管理術に詳しくなることではなく、自分の生産性を高めることであること。管理術を極めて満足するのではなく、仕事の質を高めていくことがゴールだということを忘れないようにしたいものです。