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2016年10月13日(木)

飛び込めるならいってしまえ!齊藤壮の見たシンガポールとは

経営ハッカー編集部
飛び込めるならいってしまえ!齊藤壮の見たシンガポールとは

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シンガポールで自社サービスの開発を行っているCrispy Pte. Ltd.。代表の齊藤壮さんは、シンガポールに来るまでほとんど英語は話せなかったそうです。なぜ、そのような状況でもシンガポールを拠点にビジネスを始めたのでしょうか。普段の生活から仕事まで、密着取材しました。

妻のシンガポール異動が転機となる

僕がシンガポールに移住したきっかけは、妻の仕事が関係しています。僕が起業をしようかなと思っていたタイミングで、仕事でシンガポールへ異動できることになったと相談を受けました。もちろん賛同して、一緒にシンガポールへ行くことにしました。

以前から、東南アジアの盛り上がりと海外生活に対して、潜在的に興味を抱いていたものが、顕在化されたのだと思います。目の前に面白い選択肢があったので、「行くしかないな」と直感しました。

シンガポールに行く半年前に前職を辞め、シンガポールに移住したのは、2015年の11月。翌年の4月には、法人「Crispy Pte. Ltd.」を立ち上げました。シンガポールで法人を立ち上げるためにはカンパニー・セクレタリー(※1)を設置するなど手続きがいくつか必要でしたが、シンガポールですでにビジネスをやっている方を紹介してもらい、登記の手続きを進めました。

(※1)カンパニー・セクレタリー ・・・会社秘書役。おもに登記や法定事項の届け出、定款変更手続き、株主総会に関する業務などをおこなう

saitoh2広々としたオフィス。知り合い経由で特別に間借りさせてもらっているとのこと

オフィスは、知り合いに紹介してもらったオフィス。自宅からは地下鉄で通っているのですが、だいたいdoor to doorで30分くらいの位置にあります。

いくつかの会社が合同で使っていますが、あまり出社される方がいないので静かです。僕はロフトのスペースを活用させてもらっています。 saitoh3お昼時になったので、近所のお気に入りの飲食店へ同行させてもらうことに

世界中で使われるサービスを作りたい

独立前には株式会社nanapi(現:Supership株式会社)に所属していました。nanapiは創業当初に入社して、事業責任者として、トラフィック促進、組織マネジメント、マネタイズ、アライアンス、SEOなど、あらゆる業務に携わっていました。現在事業の一つとしておこなっているWebコンサルティング事業には、その経験が活きています。

メインの事業として共同創業者のCTOとともに自社サービス開発も進めています。CTOは日本にいますが、slackやGitHub、Trelloなどのサービスを活用しながらリモートで開発しています。サービス内容はシンガポール向けのものというわけではなく、日本向けにまずはスタートさせていき、グローバル展開を狙う予定です。この記事が出る頃にはCTOがシンガポールへ来たり、クローズドβ版がリリースできたりしているころだと思いますので引き続きがんばりたいです(笑)

saitoh4アジア系の料理が建ち並ぶフードコートのような場所。カオマンガイ(シンガポールチキンライス)が3ドル(約240円)

実は開発の初期段階では、シンガポールにいるから東南アジアらしいものを作ろうか悩んでいました。でも、最終的には、日本市場もターゲットにしたサービスをローンチすることに決めました。

今の時代、開発はどこでもできるので、起業家がどこにいるかはあまり重要ではない。そこにこだわって前に進めないくらいなら、一番良さそうなのからとりあえず始めちゃおう、と。しっかり戦略は練ってはいるものの何がヒットするかはわからないので、とりあえず色々なサービスを出せればいいなと思います。

大きなリスクはないと感じ、起業

初めての起業だけではなく、初めての海外移住って本当に大丈夫なの?と心配されますが、僕も最低限食べていける保証があったうえで起業しています。前職である程度実績を残すことができたので、とてもありがたいことに独立したタイミングでビジネスの話をいくつかいただくことができました。

それに、妻はフルタイムでがんがん働くタイプ。たとえ何かあったとしても、家族もろともすぐに食べられなくなることは100%ないと踏みました。それに失敗して本当にどうしようもなくなったら、東京に帰ればいい。死ぬわけではない。そう考えると、大きなリスクなんて存在しないと思いました。

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また起業する際、「貧すれば鈍する」という言葉についてよく考えました。この言葉は前職時代にお世話になった方からのアドバイスです。貧しくなるとどんどん身動きが取りにくくなり、ビジネス感覚が鈍くなって、負のスパイラルに陥る。

レバレッジをかけるために困窮する状態を敢えてつくるのもやり方の一つですが、ある程度余裕のある状態を保ちながら、アイデアの着想やタイミング、運気を捉えるチャンスを狙うほうが健全な選択肢を取ることができるなと思います。

この言葉を意識していた結果かはわかりませんが、運気が巡り、わざわざシンガポールに来てくれて共に創業してくれるCTOと巡り合うことができたりするなどしています。

生活については東京に住んでいたときとほとんど生活費が変わっていません。むしろ交際費がかなり減って節約できています。家はコンド(※2)ですが、よりシンガポールのカルチャーに触れたいと思っていたので、現地の方々が多く住み、あまり日本人がいないくて比較的賃料も安いエリアを選びました。

(※2)コンド・・・「コンドミニアム」の略。日本で言う分譲マンションを指す

saitoh6自らが住むコンドへ案内してくれた齊藤さん。エントランスは緑が生い多い茂り、広々としている

シンガポールで身についたのは「鈍感力」

シンガポールに来てからは、鈍感力が身についたと思います。様々な人種の人たちが暮らす国だから、さまざまな文化が共存している。多様性を認める社会です。

すると、他人が何をしていようとあまり気にしなくなる。例えば日本では電車内で電話をしていると眉をひそめられますが、ここでは誰一人として気にしていません。また、事情があってちょっと遅い時間に子供連れで食事をしていても変な目で見られない。僕もおのずとあらゆるものごとに対して心が豊かになりました。

saitoh7敷地内にプール完備のコンドも多い。休日には有志による子供向けスイミング教室がおこなわれているのだとか

英語が堪能ではなくても、人は優しい

おそらく、日本人がシンガポールに移住するにあたって、多くの人が英語をネックに感じると思います。でも、シンガポールにいるほとんどの人が純粋な意味での英語のネイティブではありません。英語が堪能でない人にも優しいです。

僕は受験勉強で使うような基本的な文法は頭に入っているのですが、話すというアウトプットをしてきませんでした。それでも、英語を口に出して、まずは伝えるということにについてはまったく臆さないようになりましたね。

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今は、子どもを通わせているプレスクールの先生をはじめ、ローカルのお店の店員さんとも積極的に話すよう心がけています。大事なのは、英語を話す機会を作ることなのかもしれません。シンガポールの英語は独特なので、いまだに聞き取れないこともあります。が、大丈夫な気がしますね。たいして喋れない僕が言うのも何ですが、間違いを恐れず、かっこつけないでアウトプットする姿勢が大事なのかもしれません。

それに、英語を使っていくなかでアメリカやヨーロッパでのビジネスも考えるようになりました。だから今は早く会社を大きくして、日本人以外をガンガン採用していきたい。グローバルで勝てる多様性のある会社をつくっていきたい思いが強くなりました。日本以外の空気に揉まれたくってしょうがないという状態です。

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齊藤壮
早稲田大学商学部卒業後、楽天株式会社に入社。その後株式会社ロケットスタート(現Supership株式会社、旧株式会社nanapi)を経て、Crispy Pte. Ltd.を設立。CEO。現在はシンガポールに移住し、自社サービスを開発している。

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