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2016年12月15日(木)

副業の確定申告で気になるところ

経営ハッカー編集部
副業の確定申告で気になるところ

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主要な収入が給与所得である方で副業収入がある場合、確定申告が必要となるケースがあります。副業の確定申告が必要となるケースは以下の2通りです。

① 給与を1か所から受けていて、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超える ② 給与を2か所以上から受けていて、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)との合計額が20万円を超える

たとえば、アフィリエイトやオークションサイトでの副業収入による所得が20万円超ある場合には、①のケースに該当し、雑所得又は事業所得として確定申告が必要となります。事業所得であるかどうかは、その副業収入が事業規模であるか否かで判断することとなりますが、通常、副業であれば雑所得に該当します。

駐車場やアパートの賃料収入による所得が20万円超ある場合にも、①のケースに該当し、不動産所得として確定申告が必要となります。主要な収入を得ている会社の他にも、アルバイトやパートタイムで働き、所得が20万円超ある場合には、②のケースに該当し、給与所得の確定申告が必要となります。

他には、FXや株取引による副業収入を得ている方もいるかと思いますが、FXであれば雑所得等として上記と同様に20万円超の所得がある場合には、確定申告が必要となります。一方で、株取引による副業収入については、特定口座による確定申告不要制度を適用している場合は、確定申告を行う必要はありません。

確定申告で会社に副業がバレる?バレない?

なぜ確定申告で副業がバレる?

 会社には内緒でこっそりと副業をしている方にとっては、確定申告で会社に副業が知られてしまうかは気になるところかと思います。なぜ、確定申告で会社に副業が知られてしまう可能性があるかというと、これは住民税の徴収の仕組みにあります。住民税は前年の1月から12月までの所得を基礎として計算されます。これを「前年所得課税」の方法といいます。

この方法により計算された住民税は、当年5月に各市区町村から給与収入を得ている各事業所へ通知され、当年6月から翌年5月までの12回で毎月の給料から差し引かれます。そのため、各事業所は前年所得が自社の支払った給与より多いときにはその違いに気づくことができるのです。これにより、確定申告で会社に副業が知られてしまう可能性があるというわけです。

副業がバレないようにする確定申告の方法

 前述の通り、通常の確定申告では副業収入が会社に知られ、副業をしている事実が会社にバレてしまう可能性がありますが、副業による収入を会社に知られないようにする方法もあります。

 確定申告時に使用する確定申告書の用紙の「住民税・事業税に関する事項」に住民税の徴収方法の選択する項目があり、「給与からの天引き」又は「自分で納付(普通徴収)」を選択できるようになっています。ここで「自分で納付」を選択すると、事業所・会社には副業収入に対する住民税の通知は行きません。この普通徴収を選択した場合には、副業収入に対する住民税の納付書が送られて来ますので、この納付書によりご自身で税金を納付することとなります。

副業が赤字の場合はバレないようにはできない

 ただし、副業が赤字であって、税金の還付となる場合には、この方法により副業収入をバレないようにすることはできません。普通徴収は住民税の追加納付が発生するときだけに使用できるため、税金の還付となる場合には、事業所・会社へ副業収入による赤字が差し引かれた住民税の通知が行き、副業の存在が知られてしまう可能性がありますので、副業が赤字で還付申告をお考えの方はご注意ください。  

副業の確定申告方法は?

 副業での確定申告は、所得の種類により異なりますが、どのような所得でも毎年1月1日から12月31日までの1年間に生じた全ての所得の金額と、それに対する所得税等の額を計算し、申告期限である翌年3月15日までに確定申告書を提出して、源泉徴収された税金や予定納税で納めた税金などとの過不足を精算する必要があります。確定申告の流れは以下の通りです。

1.申告に必要な書類の準備 2.申告書の作成・提出 3.納税・還付の手続

 申告に必要な書類は、所得の種類によって様々であり、給与所得であれば源泉徴収票、事業所得であれば決算書等が必要となりますが、事業所得や不動産所得等で複雑な所得がない限りは国税庁の確定申告サイトの指示に従いながらご自身で申告・納税のお手続きができるようになっています。わからない点は、国税庁や税務署のヘルプ、税理士の無料相談等を上手く活用しながら、適切な確定申告を行いましょう。

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