飲食店開業をする際に導入するクラウド型POSレジ比較
飲食店の開業をするとなると、内装工事や什器備品・材料の仕入れなど、多額の初期投資がかかってきます。
「もうこれ以上、設備にお金をかけられない…」とお思いのあなたは、ぜひクラウド型POSレジの導入を考えてみてください。
iPadがPOSレジにあっという間に変身し、手書きの作業からも解放されて業務効率が大幅に上がるはずです。
目次 1)飲食店でクラウド型POSレジを導入するメリットは? 2)代表的な無料クラウド型POSレジの比較 3)クラウド型POSレジ導入の際に気をつけること 4)まとめ
1)飲食店でクラウド型POSレジを導入するメリットは?
・コスト削減
POSレジは20~30万円することもあるのに比べて、クラウド型POSレジは初期費用が無料または非常に安いです。4~5万円で揃うレシートプリンターやドロワーなどの周辺機器の購入だけで済みます。
・省スペース化
クラウド型のPOSレジは従来のPOSレジに比べ、狭いスペースでも設置可能です。さらにレシートプリンターやドロワーも別々に置くことが可能なため、レイアウトのアレンジ幅が広がります。
・どこからでもデータを確認できる
クラウド型POSレジはクラウドを利用することで、どこにいてもリアルタイムに売上状況を把握することができます。また、クラウドにデータが集まるので、紙で売上台帳を保存しておく必要もありません。
・利益の拡大策を検討できる
販売分析で売れ筋を把握して売上アップにつなげる事や、在庫管理で不良在庫を減らす事ができます。
・他のサービスと連携できる
freeeなどのクラウド会計ソフトに自動的に売上計上されるため経理が簡単になります。また、モバイル決済を使うことで、クレジットカード決済に対応が可能です。
・操作が簡単 クラウド型POSレジはiPad等の画面ボタンを押すだけの操作で簡単。アルバイトの教育時間も削減できます。
・機能拡張が行われる クラウド型POSレジはソフトウェアのアップデートが自動的に行われるので、常に最新版のソフトを使い続けられます。また、随時機能が追加され、より便利になっていきます。
2)代表的な無料クラウド型POSレジの比較
代表的なクラウド型POSレジを集めてみました。基本的なメリットは先ほど述べた通りですが、最近は会社ごとに強みとしている点、特徴が異なってきています。今回は無料で使える代表的なクラウド型POSレジについて比較してみました。 (情報は2015年12月現在のものとなります) 無料のクラウド型POSレジの中では、「Airレジ」が一通りの機能が揃っているといえます。細かい点で不足している機能はありますが、開業してしばらく1店舗でやるという事でしたら十分の機能と言えるでしょう。
クレジットカード手数料率は現状、モバイル決済を使えば差は出てきません。手数料が比較的安いのはクラウド型POSレジ自体のメリットと言えるでしょう。
顧客管理は小規模な飲食店では非常に重要になります。お客様の性別、名前、年齢といった基本的な情報だけではなく、前回は何のメニューを購入したんだっけ? どんなメニューを多く注文しているんだろう? という事がわからないと、その人のニーズに合わせることはできないですよね。
Airレジも以前は顧客管理機能が弱かったのですが、最近はメニューの履歴がしっかり残るようになりました。まだ不足している点はありますが、弱点はかなり克服されたと思います。
予約管理を使えるのは現状Airレジだけです。ネット予約と連動しない等、使い勝手が悪い点もありますが、これからの発展が期待できます。「Airリザーブ」という別アプリも無料で提供していますので、予約はそちらで管理するという方法もあります。
「キッチンプリンタに連動」とは、ホールスタッフがお客様から注文を取ると、注文内容をキッチンにプリンタで知らせる事ができる機能のことです。広い飲食店の場合には業務効率に影響してきますので注意が必要でしょう。
店舗別売上管理はAirレジとSquareは完全に対応していません。複数店舗の場合は、1店1店バラバラのデータを集め、本部が集計する形となってしまいます。
経理業務の効率アップを考えるのであればfreee等のクラウド会計ソフトとの連動は重要になります。連動する事が出来れば、売上台帳を作って、会計ソフトに入力して、金額が間違っていないか確認して……といったムダな作業を一掃できます。クラウド会計を使って経理に時間をかけたくない! と考えているならば、必須の機能となってきます。
3)クラウド型POSレジ導入の際に気をつけること
・クラウド型POSレジはネットが無いと使えません
ネットが一時的にでも使えなくなった場合、レジが使えなくなったり、クレジットカード決済ができなくなったりと大きな混乱が想定されます。
「オフラインモード」でネットが無くても使えるものもありますが、安定して使えるネット環境を用意しておきましょう。
今までの手作業とは違う作業になるという心の準備をしておきましょう
多くの飲食店オーナーでクラウド型POSレジを導入しない理由が、前の手作業と違う事に抵抗があるからです。
慣れてしまえば業務効率が上がる事は頭でわかっていても、今忙しいし変えるのはちょっと……といった感じで及び腰になってしまうのです。
お客様の少ないディナーだけ使ってみる、クレジットカード決済だけ使ってみる、など無料プランを利用してとりあえず使ってみることをオススメいたします。
無料のクラウド型POSレジを売上報告だけに使っていらっしゃったオーナーもいました。手書きで紙に書いていた売上合計金額を、クラウド型POSレジに入力するだけの使い方です。POSレジとしての機能はほとんど活用できていませんが、データとして残せたり売上金額を税理士に報告する手間が省けたり、業務効率アップにもつながっていて、脱完璧主義で私はとても良い使い方だと思いました。
一人では中々始められないという方は、同業で使っている方に聞いてみたり、税理士やコンサルタント等と二人三脚で使ってみるというのも素早い導入には効果的です。
4)まとめ
クラウド型POSレジは非常に便利ですが、初期設定が大変だったり、手作業との違いに戸惑ったりという事があると思います。いきなり全部を使いこなすのではなく、一部の機能だけでも「とりあえず使ってみる」事が大事です。自分に合ったクラウド型POSレジを見つけるためにも、ぜひ一度試してみてください。
次回は私もおすすめのAirレジを紹介したいと思います。