国民健康保険料の減免の仕組みを知って、いざと言う時に困らないようにしよう
日本の健康保険には、国民健康保険と社会保険の二つの制度があります。この二つの制度によって「国民皆保険」が成り立ち、私たちが病気になった時に安心して病院を受診することが出来ます。
しかし、自営業者などが加入する国民健康保険は、保険料が高額で、保険料の納付が困難になることがあるかも知れません。そんな時、減免の手続きをすることで、保険に加入し続けることが出来ます。
国民健康保険の基礎的な知識
企業に勤める人は社会保険に加入します。会社が事務的な手続きを行ってくれるため、手続きや納付などで手を煩わせることはありません。しかし社会保険に加入しない個人事業主などの場合は、国民健康保険の被保険者となります。国民健康保険に加入するのは、以下の人達です。 ・自営業など組織に雇用されていない人とその家族 ・会社を退職して任意継続や家族の扶養に入っていない人 ・会社を退職して雇用保険を受給している人 ・1週間の労働時間が30時間未満の短時間労働者
国民健康保険は市町村が運営する保険です。市町村で運営されているため、保険料が住んでいる市町村によって異なってきます。
国民健康保険料の計算方法
国民健康保険料のことを「国民健康保険税」と呼ぶ自治体もあります。国民健康保険は3つの区分に分けられています。
1)医療分(医療給付に充てるもの) 2)後期高齢者支援金分 3)介護分(40歳以上65歳未満の方のみ負担) ※65歳以上75歳未満の方の介護保険料は別途通知されます。
上記3区分の金額は、次の4つの項目の組み合わせによって計算された額の合計額になります。 a)世帯加入者の所得に応じて計算する所得割 b)世帯加入者の資産に応じて計算する資産割 c)世帯加入者の人数に応じて計算する均等割 d)一世帯当たりに掛かる平等割
4つの項目の組み合わせや料率、年間の最高額は区市町村によって異なります。また、資産割は適用しない自治体もあります。
国民健康保険料(税)を納めなかったらどうなるのか
国民健康保険料は金額の負担が大きいという特徴がありますが、支払いが滞ってしまうとどうなるのでしょうか。
すぐに保険の制度そのものが利用できなくなるというわけではありませんが、保険証が短期のものに変更されたり、滞納している保険料の支払いを求められます。最終的には差し押さえが入るケースもあるようです。
保険料の納付には減免措置がある
国民健康保険料を納めたくても納められない事情があるときは自治体に相談しましょう。各自治体で要件に違いはありますが、軽減や免除の措置が用意されています。主なものに以下のようなケースがあります。 ・所得が一定の基準以下の場合 ・社会保険から後期高齢者医療制度に移行した方の扶養家族であった、65歳以上75歳未満の方が国民健康保険に加入するとき ・倒産などの非自発的な失業者で65歳未満の人が国民健康保険に加入するとき ・同一世帯の者が後期高齢者医療制度へ移行することで、国民健康保険単身者となる場合 ・軽減制度を受けている世帯で、後期高齢者医療制度へ移行することで、世帯内の国民健康保険被保険者の数が減ったとき
その他に、見込み所得の激減や災害等のによって減免制度を適用する自治体もあります。軽減の対象になる財産の損害率などは自治体によって違いますので、各市町村の窓口へ問い合わせてみましょう。
まとめ
国民健康保険は、各市町村が運営しています。細かい手続きについての違いはありますが、加入者がケガや病気をした時に診療費の一部を負担するだけで病院にかかることが出来る優れた制度です。
国民健康保険は加入者が納める保険料と国からの補助金で運営されていますので、保険料は適切に納付したいものです。しかし、相互扶助の観点から、納付が困難な時には減免措置が用意されていますので、遠慮なく相談することが、無保険の状態を防ぐためには最良の方法だといえるでしょう。