2019年03月08日(金)1ブックマーク

育児休業中の給付を受けるための「育児休業給付金」の手続きについて

経営ハッカー編集部

育児休業は、男女ともに与えられた労働者の権利です。ただ、家族が増えて何かとお金が入り用になる時期、育児のために仕事を休むことで経済的に負担が大きくなる懸念があります。そうした時に頼りになるのが、育児休業給付金です。

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育児休業給付金の対象になる人、ならない人

育児休業給付金は、雇用保険から支払われます。
以下の条件に当てはまっている場合、パートや契約社員、男性でも育児休業給付金の対象となります。

  • 雇用保険の被加入者
  • 育休中、休業開始前の給料の8割以上の賃金を支払われていない
  • 育休前の2年間で、1ヵ月に11日以上働いた月が12ヵ月以上ある
  • 就業している期間が支給単位期間ごとに10日以下となっている

以下の人は育児休業給付金の対象になりませんので注意しましょう。

  • 自営業などで雇用保険に加入していない
  • 妊娠中に退職した
  • 育休開始時点で、育休後退職することが決まっている
  • 育休を取得せずに職場復帰する

(出典:ハローワークインターネットサービス『育児休業給付とは』 )

 

育児休業給付金はいつから、いくらもらえる?

育児休業給付金は一般的に、育休に入って2ヵ月目から、会社を通して申請します。それ以降は、2ヵ月おきに申請します。そのため、実際に支給が始まるのは3ヵ月目頃からです。気になる金額は、育休開始日から180日目までは月額給与の67%、181日目から育休最終日までは50%が支給されます。

月給の上限は44万7,300円、下限は7万4,100円と定められています。例えば、育児休業前の月給が30万円の場合、最初の180日間は30万円の67%に当たる20万1千円の育児休業給付金が支給されます。

育児休業給付金をもらえる期間は、産後休業終了~子どもが1歳(後に説明する「パパママ育休プラス制度」を利用した場合は1歳2ヵ月)までです。ただし、下記の理由にあてはまる場合は育休期間を延長し、1歳6ヵ月か2歳まで支給されます。

  • 保育園の確保ができない
  • 配偶者が死亡、病気、その他の理由で育児が困難
  • 離婚で配偶者が子と同居しなくなった
  • 6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に次の子を出産する予定、もしくは産後8週間を経過していない

(出典:ハローワークインターネットサービス『育児休業給付とは』 )

 

男性の3割は「イクメン」志向だが経済的課題

昨今、「イクメン」という言葉が生まれ、男性の育児参加が奨励されています。また、育児休業をとる男性も出ていますが、それでも残念なことに、男性の取得率はたった3.61%、しかも取得日数は5日未満にとどまっています。

ただし、内閣府の「平成27年度少子化社会に関する国際意識調査報告書」の調査によると、子どものいる男性のうち30%は、「1ヵ月以上の育休を取りたかった」と答えています。

男性が育休を積極的に取れない背景には、社会や職場の無理解の他に、経済的な問題があると考えられます。また、厚生労働省の調査では、フルタイムで働く女性の平均賃金(2016年)は月額24万4600円で過去最高となったものの、男性と比較するとわずか73%にとどまります。欧州に比べると男女の賃金格差が大きい日本では、家庭でメインの収入源となる男性が育児休業をとることで、経済的に苦しくなることが懸念されます。

(出典:内閣府『少子化社会に関する国際意識調査報告書』 )
(出典:厚生労働省『平成28年賃金構造基本統計調査の概況』 )

 

育児休業給付金の裏ワザ!夫婦で育休すると給付金が多くなる?!

ただ、夫婦で育児休業と休業給付金の制度をうまく活用することで、より多くの給付を受けることができる場合があります。育児休業給付金では、男性の育休取得を奨励するため、両親ともに育児休業をする場合の特例(パパ・ママ育休プラス)という制度が設けられているのをご存知でしょうか。

この制度を利用すると、育児休業の取得期間が1歳2ヵ月まで延長されます。子どもが1歳になるまで母親が育休を取得し、その後父親が2ヵ月間取得するという取り方も可能ですし、両親の取得期間が重複することも可能です。

ただし、以下の条件があります。

  1.  育児休業を取得しようとする人の配偶者が、子の 1 歳に達する日
    (1 歳の誕生日の前日)までに育児休業をしている
  2. 本人の育児休業開始予定日が、子の 1 歳の誕生日以前であること
  3. 本人の育児休業開始予定日が、配偶者が取得している育児休業の初日以降であること

母親のほうが父親よりも給与が低い場合、この制度を利用して半年ずつ育児休業を取得した方が、給付金が増えるケースがあります。例としては、以下のようなケースです。

例1:母親:月給180,000円(産後休業のあと10ヵ月間の育休を取得)
180,000円×0.67×6ヵ月(72万3600円)+180,000円×0.5×4ヵ月(36万円)=1,08万3,600

例2:母親:月給180,000円、父親:月給250,000円
(両親が6ヵ月ずつ12ヵ月の育休を取得した場合)
180,000円×0.67×6ヵ月(72万3600円)+250,000円×0.67×6ヵ月(100万5,000円)=172万8,600円

両親の月給が異なることに加えて、上で説明したように、6ヵ月以降は給付額が休業前の50%まで減額されてしまうので、両親が6ヵ月ずつ12ヵ月の育休をとったほうが支給額も多くなるのです。

(出典:両立支援のひろば『パパ・ママ育休プラス制度』

 

育児休業給付金だけでない!育児休業中は社会保険料も免除される!

育児休業中は、男女ともに社会保険料が免除されるため、こちらの申請も忘れてはいけません。対象となるのは以下に当てはまる人です。

(ア)1歳に満たない子を養育するための育児休業
(イ)1歳から1歳6ヵ月に達するまでの子を養育するための育児休業
(ウ)1歳6ヵ月から2歳に達するまでの子を養育するための育児休業
(エ)1歳(上記(イ)の場合は1歳6ヵ月、上記(ウ)の場合は2歳)から3歳に達するまでの子を養育するための育児休業の制度に準ずる措置による休業

また、免除される期間は、育児休業の開始月から終了予定日の翌日の月の前月(育児休業終了日が月末最終日の場合は育児休業終了月)までとなっています。

なお、産前産後休業保険料免除制度や育児休業保険料免除制度によって保険料が免除されている期間については、将来年金を受け取る場合に社会保険の被保険者期間として取り扱われるので、年金額が減額される心配はありません。

免除制度を申請するだけで、保険料を納めずとも社会保険のメリットは受けられ、将来の年金額にも響かないのですから、申請しない手はないでしょう。申請する場合は、「健康保険・厚生年金保険育児休業等取得者申出書」を作成し、職場を通じて提出します。

(出典:日本年金機構『育児休業保険料免除制度』 )

 

育児休業に関する制度をうまく活用して子育てを

子どもは国の宝です。しかし、昨今は経済的な問題で子どもを諦めてしまうケースや、育児のために両親のどちらかが仕事を辞めざる得ないケースもあります。

今回ご紹介した制度は、働きながら子育てをする人を経済的に応援するための制度です。
雇用保険に入っている人なら給付金を受け取る権利があるので、こうした制度をうまく活用していきましょう。

 

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