2019年09月03日(火)0ブックマーク

所得税と源泉徴収の関係とは?源泉徴収税の基本を税理士が解説

経営ハッカー編集部

所得税と源泉徴収の違い

サラリーマンには耳なじみのある「源泉徴収」という言葉も、深い意味や仕組みなどについて問われるとよくわからないという人が少なくないものです。

法人や個人の経営者であれば、源泉徴収税の基本は当然理解しておくべき知識のひとつですが、サラリーマンやフリーランスであっても理解しておいて損はない知識です。

所得税に関するルールは、知らなければ知らないほど複雑なイメージばかりが根付いてしまいます。

そこで今回は、所得税と源泉徴収税について解説していきます。

 

源泉徴収税とは

源泉徴収税とは、給与等の支払者が納税者にかわって納税するために、納税者から徴収する所得税のことです。

給与の源泉徴収税は、給与の総支給額から社会保険料を差し引き、扶養人数に応じて計算されます。

報酬の源泉徴収税は、所得税と復興税を合わせた10.21%の税率で計算されます。

源泉徴収税の納付期限は、給与や報酬の支払月の翌月10日です。

給与支給人数が10人未満で事前に申請を行っている事業者は、年に2回の納付にまとめることも可能です。この場合、7月10日が半年に1度の納期限です。

サラリーマンであれば、毎月の給与から所得税が差し引かれていることが給与明細で確認できます。

 

源泉徴収制度とは

所得税納税の原則は確定申告ですが、給与や賞与、報酬などの支払い分から所得税の一部を差し引いて、給与や報酬を支払った側が納税できる仕組みを「源泉徴収制度」といいます。

源泉徴収の対象となるのは以下の項目です。

・給与
・賞与
・退職金
・役員報酬
・税理士等の報酬
・原稿料や講演料

源泉徴収義務者となるのは法人・個人の経営者で、経営者自身に支払われる報酬からも源泉徴収を行います。

個人事業主が配偶者に専従者給与を支払う場合においても、源泉徴収を行う必要があります。

源泉徴収の「源泉」とは「給与や報酬を支払う者」で、「徴収」とは「給与から所得税を差し引き、本人に代わって納税すること」です。

つまり、源泉徴収を「する」のは給与や報酬を支払う側で、源泉徴収を「される」のは給与や報酬を受け取る側です。

“ライターに支払う原稿料や、専門家に講演を依頼した場合の講演料、デザイナーにデザインを依頼した場合のデザイン料は、源泉徴収が必要です。”

<引用元>経営ハッカー:源泉徴収が必要な報酬や料金には、どのようなものがあるのか?

 

所得税を納付すべきは本人?

所得税は原則として「申告納税制度」です。

原則どおりに納付するとしたら、サラリーマンやフリーランスが企業から受け取った収入をもとに税額を計算して税務署に納付するという流れになります。

企業がサラリーマンやフリーランスに1,000円の報酬を支払い、報酬を受け取った人が税金として100円を納付する場合、報酬を支払った企業は−1,000円、報酬を受け取った人は税金100円を差し引いて+900円、税金を受け取った税務署は+100円という内訳になります。

源泉徴収の場合、報酬と税金の支払いを行うのは企業のみです。

サラリーマンやフリーランスが受け取るのは、税金100円を差し引いた後の900円です。

報酬から差し引かれた税金は、企業が直接税務署に納付します。

源泉徴収をしてもしなくても3者の入出金状況は同じですが、お金の流れが異なります。

 

源泉徴収は義務

源泉徴収は給与や報酬の支払者に課せられた義務です。

源泉徴収しないまま給与や報酬を支払ってしまうと、源泉徴収をすべき法人や個人の側に罰則が適用され、不納付加算税として納付額の10%が課されてしまいます。

税務署からの指摘を受ける前に自主的に納付した場合の不納付加算税は5%です。

“源泉所得税の納付の際には、改元後においても、「平成」が印字された「源泉所得税の所得税徴収高計算書(納付書)」(以下「納付書」といいます。)を引き続き使用することができます(注)。”

<引用元>国税庁:改元に伴う源泉所得税の納付書の記載のしかた

 

源泉徴収されていれば申告は不要?

源泉徴収で納税される所得税はざっくりとした金額なので、年間の収入が確定したら所得税も確定させなければなりません。

この作業に該当するのが「年末調整」や「確定申告」です。

サラリーマンであれば年末調整を、フリーランスであれば確定申告をしてすでに納付されている所得税を精算します。

 

まとめ

源泉徴収は、事業者にとっては複雑で手間のかかる制度ですが、法律で義務付けられたことであり罰則もある以上、給与や報酬を支払う事業者側は適切に対応していかなければなりません。

源泉徴収をされる側はどうしても受け身で考えてしまう部分ですが、源泉徴収の仕組みについての基本はしっかりと理解しておきましょう。
 

 


この記事は、税理士法人のむら会計 野村 篤史様に寄稿いただきました。 経営ハッカーでは、記事制作にご協力いただける方を募集しております。 お申し込みはこちらから

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