年末調整の「世帯主」は誰?知っているようで知らない世帯と世帯主の定義とは
年末調整において夫婦と子どもの3人家族の世帯主は誰かと聞かれれば、「夫」だと考える方は多いのではないでしょうか。実際に家族の中で夫が世帯主となっていることは多く、そのことについては疑問を抱くポイントですらないかもしれません。
しかし、世帯は血縁関係の有無や収入に関係なく作ることができますし、世帯主になろうと思えば小さな子どもでもなることができます。そこで今回は、当たり前と思い込んでいるだけで意外と知らない年末調整の「世帯主」について考えていきたいと思います。
年末調整の世帯主は誰?
年末調整の時期が近づいてくると、会社は「保険料控除等申請書兼配偶者特別控除申請書」や「給与所得者の扶養控除等(異動)申請書」などの各種書類取りまとめに向けた準備に追われます。扶養控除等(異動)申請書の中には「世帯主」という項目があるのですが、そこには誰の名前を記入したらいいのでしょうか。自分では「この人だ」と思っていても、そうである根拠を見たことがないならもしかすると違うかもしれません。
“年末調整では、「平成〇〇年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と、「平成〇〇年分 給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書」の、2枚の書類に記入して提出する必要があります。”
<引用元>経営ハッカー:年末調整|給与所得者が知るべき年末調整を行なう理由と制度の概要
扶養控除等(異動)申請書の世帯主
扶養控除等(異動)申請書にある「世帯主」の欄に記入すべき世帯主とは、居住している家の住民票に記載されている世帯主のことです。自分自身が世帯主であれば自分の氏名を、配偶者が世帯主であれば配偶者の氏名を、親や子が世帯主であればその氏名を記入します。確認せずに思い込みで世帯主を記入してしまわないよう、世帯主が誰なのかはきちんと確認しておきましょう。間違えて提出してしまうと後が面倒なので、ここは確実にいきたいところです。
”給与の支払を受ける人(給与所得者)が、その給与について扶養控除などの諸控除を受けるために行う手続です。”
<引用元>国税庁[手続名]給与所得者の扶養控除等の(異動)申告
年末調整の世帯と世帯主の定義とは
国が定義する「世帯」とは、生計を共にしている人の集まりであり、世帯主は世帯の中心にいる人です。世帯かどうかのポイントは、「同一生計」であるかないかというところです。世帯主は申告制で、意外にも年齢や所得などの条件は一切ありません。
同一生計のグループはすべて世帯
同一生計で暮らす人々のグループであればそれはすべて「世帯」と考えます。家族であれ親戚との同居であれルームシェアをする友人同士であれ、同一生計で生活している人々の集まりであればどれもひとつの世帯です。「2世帯住宅」などという言葉を耳にしますが、もし同一生計で生活している家族であれば実質的には1世帯ということになるわけです。ただし、単身赴任や入院などで家族と別居している場合は、同一生計の1世帯とみなされます。
世帯主には誰でもなれる
ひとつの世帯からは「世帯主」を誰か1人立てる必要があります。世帯主となるための条件に年齢、性別、所得、血縁の有無などは一切関係なく、世帯主として居住している市町村にあらかじめ申告された人が世帯主となります。
多くの場合、夫婦であれば夫が世帯主として登録されていますが、この原則を当てはめて考えると妻や子どもが世帯主でもいいということになります。同じ家に住んでいても生計が別なのであれば、それぞれの世帯として住民登録することが可能になります。つまり、親子2世代で同居していてそれぞれの生計が別である場合、親の世帯と子の世帯の2世帯に分けることができるわけです。
親の高齢化などの事情により世帯主を変更したい場合には、異動届や本人確認書類などの必要書類と共に「世帯主変更届」を役場に提出するなど、しかるべき手続きを行えばいつでも変更することができます。世帯主の変更が生じた場合には、変更日から14日以内に届け出をしなければいけないことになっています。
まとめ
年末調整の書類に世帯主を記入する際は、住民票に記載されている世帯主の名前を記載しましょう。それによって次に記載する「続柄」の部分が「本人」「夫」「妻」「子」のどれになるのかがはっきりするでしょう。