年末調整|年税額と還付金を計算!計算例3選付き
年末調整の年税額と還付金を計算!計算例3選付き
(最終更新: 2016年12月28日)
毎月の給料から天引き(源泉徴収)される所得税額は扶養親族の数を基に一時的に計算されているため、
- 配偶者の年収
- 支払っている生命保険料や地震保険料
- 給料から天引きされている以外に支払っている社会保険料、小規模共済等
- 2年目以降の住宅ローン控除
を年末調整で加味し税額を計算します。計算の仕組みは下図の通りです。
この計算の結果、毎月給料から天引きされていた所得税額と正しく計算された年税額の差分が還付もしくは給与から徴収されることとなります。 ・所得税額>年税額→ 過分に徴収した所得税を還付 ・所得税額<年税額→不足の所得税を給与から徴収
(国税庁Webサイト参照)
以下では、どのような場合に還付金がいくらあり、どのような場合に不足額が出て給与から徴収されるのか、具体的な計算例を見ていきます。 (* 以下の計算例は、平成26年時点のものです。最新の税率は、文中の国税庁HPをご参照ください)
目次
年末調整の計算例その1 ~所得控除があり還付されるケース~
山田太郎さんの事例で見ていきましょう ・年間給与総額5,520,000円 ・年間給与に対する徴収税額 170,974円 ・給与から控除した社会保険料等 819,694円 ・生命保険料控除120,000円 ・地震保険料控除50,000円 ・配偶者特別控除 260,000円 ・一般の控除対象扶養親族1人 (16歳の長男)
源泉徴収簿の年末調整の欄に、それぞれの所得控除を表に記載しましょう。 ⑨「給与所得控除後の給与の金額」は国税庁HPの「平成28年度分の年末調整のための給与所得控除後の給与等の金額の表」を参考にしてください。 平成28年度分の年末調整のための給与所得控除後の給与等の金額の表 ⑯「配偶者控除額、扶養控除額、基礎控除額及び障害者等の控除額の合計額」は国税庁HPの早見表を参考にしてください。 配偶者控除額、扶養控除額、基礎控除額及び障害者等の控除額の合計額の早見表
山田太郎さんの場合は扶養親族が1人ですので380,000円+基礎控除380,000円=⑯760,000円です。 ⑲の算出年税額は国税庁HPの「平成28年分の年末調整のための算出所得税額の速算表」を参考に計算してください。 「平成28年分の年末調整のための算出所得税額の速算表
年末調整の結果、75,774円が12月の給料に加えて還付されます。
年末調整の計算例その2 ~税額控除があり還付されるケース~
鈴木次郎さんの住宅ローン控除を織り込んだ年末調整計算をしましょう ・年間給与総額6,120,000円 ・年間給与に対する徴収税額 214,414円 ・給与から控除した社会保険料等 742,032円 ・扶養親族無 ・配偶者控除380,000円 +基礎控除380,000円=⑯760,000円 ・住宅ローン控除 170,000円
年末調整の結果、196,314円が12月給与に加算され還付されます。 住宅ローン控除は「税額控除」、つまり控除金額170,000円分の税金が安くなるので節税効果が「所得控除」より大きいですね。
年末調整の計算例その3 ~不足額が出て、給与から徴収されるケース~
齊藤三郎さんの配偶者はパート収入が年90万円なので、いままで控除対象配偶者として給料の源泉税を計算していました。 (90万円-65万円=所得25万円≦38万円以下)
ところが、年末に奥様に生命保険金満期受取一時金が入り(一時所得50万円)、年末調整では控除対象配偶者から外れてしまいました。
合計所得金額 給与所得金額250,000円+一時所得金額500,000円=750,000円
配偶者控除380,000円ではなく、配偶者特別控除30,000円で年末調整計算を行います。 ・年間給与総額6,120,000円 ・年間給与に対する徴収税額 214,414円 ・給与から控除した社会保険料等 742,032円 ・配偶者特別控除30,000円 ・扶養親族なしなので、⑯は基礎控除380,000円
年末調整の結果、12,986円の徴収不足になり、その分は12月の給料から差し引きます。 年末調整は記載漏れ、計算間違いのないようにしましょう。年末調整で還付を受けられれば12月の給料でフトコロが温かくなりますよ。