年末調整|シャチハタを印鑑として認められる場合と認められない場合
年末調整時に使える印鑑とは?
皆さんは、年末調整の記載について正確な知識をお持ちでしょうか。例えば、会社員であれば年末に近づくと年末調整表が配られます。提出書類で記載ミスをしてしまった。こんな時あなたならどうしますか?基本的には間違えてしまった所には訂正印が必要です。その際に認印を使うか、シャチハタ印を使うか、悩んだことはありませんか?
今回は年末調整の中で、シャチハタ印の使用が可能なのかについて情報をまとめてみました。ぜひ参考にして下さい。基本的に公式書類にはシャチハタ印は使用できません。ただし一部例外があります。
[目次]
■0)そもそもシャチハタとは?
■1)何故シャチハタ印が駄目なのか?
■2)シャチハタ印が認められる場合とは?
■3)シャチハタ印が認められない場合とは?
■0)そもそもシャチハタとは?
便利で手軽に使用できるため、活躍の場が多いシャチハタですが、そもそもシャチハタってどんな印鑑のことを言うのでしょうか。 シャチハタとは、インクが内部から浸透して捺印するタイプの印鑑で、浸透印などとも言います。一般的な印鑑との大きな違いは、その「素材」にあります。 シャチハタの印影の表面は、ゴムでできており、劣化がしやすく、また押印する力加減で印影が変わってしまうこともあります。さらに、汎用性が高く、同じ印影のものが多いため、セキュリティ面でも問題が残ります。 また、シャチハタは朱肉ではなく、インクのため紫外線により劣化するという欠点もあります。 これらの理由から、一定の重要な書類についてはシャチハタ以外での印鑑による捺印が必要となるのです。
■1)何故シャチハタ印が駄目なのか?
確定申告の書類は非常に煩雑で、ご家族をお持ちの方は提出する書類、記載する書類が非常にたくさんあります。そんな中、記載する場所を間違えてしまった、記載する金額を間違えてしまったということは通常に起こり得ることです。この際には、訂正印が必ず必要になります。この場合に使う印鑑は後で述べますが、シャチハタ印を使っても良いかという疑問がわいてきます。
そもそも何故シャチハタ印では駄目だと思うのでしょうか?
シャチハタ印が許可される場合は時と場合によりますが、問題はシャチハタ印が「ゴム印」であることにあります。ゴム印の場合、誰でも簡単に作れて手軽に押せてしまうのです。ここが問題になります。年末調整時に提出する書類は「誰でもいい」という書類ものではなく、各個人の所得や控除関連が記載された個人に帰属するものです。その為、年末調整の書類の記載訂正にゴム印を使ってはいけません。
基本的に、年末調整の書類だけでなく、国や都道府県や市へ提出する公式書類に「シャチハタ印」は一切認められていないことも覚えておきましょう。
■2)シャチハタ印が認められる場合とは?
年末調整の書類としては給与所得者の扶養控除等(異動)申告書、保険料控除申告書、配偶者特別控除申告書があります。これらは基本的に帰属している会社内で保管することになっています。
つまり、これらの書類は税務署からの申請がない場合には、公式に会社外へ提出されることはありません。その為、会社の担当部署が「シャチハタ印でもOK」と認めれば何ら問題はありません。特に担当部署が何も言わない場合にも、基本的に会社内に残す資料なのでシャチハタ印で問題ありません。但し、上記で述べたようにシャチハタ印でも良いのであって、望ましくは正式な印鑑を使用することをお薦めします。
■3)シャチハタ印が認められない場合とは?
一方、シャチハタ印が認められない場合を考えてみます。年末調整書を帰属している会社経由で出す際には、提出された書類は会社に保存されるためにシャチハタ印でも問題ありません。但し、個人事業主や住宅ローン控除の申請等の際に、自分で年末調整の書類を税務署に持って行く時には注意が必要です。
確定申告書は公的書類であるので、シャチハタ印を始めとしたゴム印は一切認められません。確実に税務署で受理されません。ここで上げた例のように、各個人が直接税務署に持っていく場合には、それらの書類は税務署が預かることになりますので、税務署のルールに則った書類以外は受理されません。ここでいうルールとは「公式書類に使用できる印鑑はゴム印を除くもの(=各個人以外の所有が難しいもの又は実印)のみである」というものです。
会社を経由すればシャチハタ印も認められるのに、各個人が持ち込む場合には不可になるために何だか不思議な気もします。しかし、会社で提出する書類がシャチハタ印であっても良いというルールが例外なのです、基本的に公式書類に相当するものに、シャチハタ印は使用できません。あくまでも会社が保管し、その書類に問題がないことが前提にあるからこそ、会社に提出する年末調整関連の書類の訂正にシャチハタ印が例外的に認められていると考えればよいでしょう。
難しいかもしれませんが、基本的にシャチハタ印は正式な印鑑として認められていません。使用できる範囲は郵便、近所、職場の回覧の認印程度しか使用できないと考えましょう、あくまでサインの代わり程度の役割りしか担えません。
■ポイントをおさらい
もう一度おさらいの意味でポイントをまとめますと
・年末調整の対象者は12月とそれ以外の年度途中で二つに大別出来る
・12月の年末調整対象者は、高額年収等の例外を除けばき新人、中途を含めて年末まで勤務している全員
・年度途中の対象者は死亡退職等自分で申告できない人や海外転勤となった人。普通に退職した場合は年末調整の対象外。
といったようなことになります。
複雑に思われがちな年末調整ですが、例えば対象者については区分してそれぞれ理解するよう努めれば、憶えやすくもなります。
これを機会に、年末調整の対象者をしっかりと憶えるようにして下さい。