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2014年12月18日(木)

マイナンバー制度導入に向けて準備しておきたい4つのこと

経営ハッカー編集部
マイナンバー制度導入に向けて準備しておきたい4つのこと

ついにマイナンバー制度導入!国民も準備をしておこう

ナンバー 1968年に「各省庁統一個人コード」の導入を佐藤内閣が頓挫して以来、40年以上の時を経てようやく日本にも導入されるに至った国民総背番号制「マイナンバー制度」。国民の全ての情報を1つのコードをもとにして、一元的に管理するこの制度は2016年1月より導入されます。各省庁・行政機関はこのための準備に追われているに違いありませんが、この導入に際して、国民でもいくつか準備しておかなくてはいけないことがあります。ここではそのうち3つを紹介しておきます。

[目次] ■1)制度とそのリスクへの理解を深めよう ■2)企業のセキュリティを高めておこう ■3)社会保険未加入事業者は…… ■4)もしマイナンバーが漏えいしたら? ■1にセキュリティ、2にセキュリティ、3も4も5もセキュリティ

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■1)制度とそのリスクへの理解を深めよう

「1つのコードをもとにして、一元的に情報管理をする」と説明しましたが、この説明をもっと深く理解している必要があります。というのも日本国民というのは何かとセキュリティ意識が低く、海外から見ればとんでもなくずさんな情報管理を平然としている場合が多いのです。

例え、このマイナンバーが第三者の手に渡った瞬間、あなたの個人情報は完全に丸裸になります。

例えば、秘密の日記を閉まっている金庫のナンバー、携帯電話のセキュリティロックの番号、あるいは通販サイトでのログインナンバー、各銀行口座の暗証番号など全ての暗証番号を一つの番号に統一していて、それが流出するよりも恐ろしい状況が発生するのです。どんなところに住んでいて、いくらぐらいの年収があって、配偶者はこれまで何人いて、子供はどれくらいの年齢で、どんな病院にどれくらいの頻度で通っていて、車は何台持っているのか、銀行にどれくらいの預金があり、どれくらいの借金があるのか? 

今の日本ではこういった情報を行政機関から引き出すことができるので、マイナンバーが流出するということはこれ以上の情報が流出するのと同意義なのです。確かに制度導入により行政の効率化が図られ、よりよい国家運営につながるでしょうが、この制度に伴うリスクを行政だけでなく国民側も理解しておかなければ悲惨な結果になってしまいます。

■2)企業のセキュリティを高めておこう

これはもちろん個人の話だけではなく、企業の問題でもあります。企業には自然とその従業員に応じたマイナンバーが集まります。企業は行政側に従業員の給与所得や住民税額などの情報を提供しなくてはいけませんから、マイナンバーなしにそれらの業務を行うことは出来ません。それはいくら少人数の企業でも同じことです。

例えば従業員1000人の大企業であれば、マイナンバー制度の導入に際して万が一のためにセキュリティを向上させて備えるという発想もあるでしょう。しかし従業員10人の企業ではそのような発想は、余裕がないのでなかなか出にくい。しかし「うちはこんなに小さな会社だし、大丈夫だろう」という慢心は禁物です。

企業規模が100分の1でも、1つマイナンバーが流出すればその流出したナンバーの人にとっての災難は、従業員が何万人いても変わりません。セキュリティ面での強化は必須の急務なのです。

しかし、流出の危険性は外部からの意図的な攻撃だけにあるのではないことを肝に銘じておきましょう。つまり、内部での流出にも気を遣わなくてはいけないということです。そこに悪意がある場合もありますが、ない場合の方が多いでしょう。

例えば経理のAさんに営業のBさんがマイナンバーを伝えるためにメモを残し、そのメモをAさんが何の気なしに本のしおりに使ってしまい、それが何かの拍子に飛び出し……というような経路でナンバーの流出が起きる可能性もあるのです。社内での意識を徹底し、そのようなあまりにも不幸な不慮の事故が起きないように今から準備しておきましょう。

■3)社会保険未加入事業者は……

法人は例外なく、個人事業主でも5人以上の従業員を雇用している場合は、社会保険の加入が必要です。これは法律で定められているので、これらの事業者の社会保険未加入は法律違反になります。しかしながら、日本ではまだまだ社会保険未加入の事業者が多いのも事実。そのような事業者は雇用条件が低いところも多く、職にあぶれた人たちにとってはあるいみ救済になっているのかもしれませんが、それは大局的に見れば何の解決にもなりません。

今回のマイナンバー制度が導入されるとこれまで誤魔化してきた情報が一元化されるので、あっという間に社会保険未加入のまま事業をしていることがわかってしまいます。こうなると事業はもちろん継続できませんから、最悪2016年の導入までに社会保険に加入しておく必要があります。なにも違反者を守ろうとしてこんなことを書くのではありません。一刻も早くいわゆる「ブラック企業」で働く人たちを、まっとうな労働環境に置かなくてはならないのです。

■4)もしマイナンバーが漏えいしたら?

もし意図的にマイナンバーを漏えいさせるような人物が現れたら、政府はどのような対応をとるのでしょうか。

例えばマイナンバーを使う仕事(例えば経理・人事)に従事していた人間が、正当な理由もなくマイナンバーを自分や第三者の利益のために盗んだり、引き渡したりすると、3年以下の懲役、または150万円以下の罰金となっています。マイナンバーの漏えいに関する罰則で最も重いのは4年以下の懲役または200万円以下の罰金で、「個人番号利用事務、個人番号関係事務などに従事する者や従事していた者」が、「正当な理由なく、業務で取り扱う個人の秘密が記録された特定個人情報ファイルを提供」した場合に適用されます。

このような犯罪を防止するために政府は「特定個人情報保護委員会」という独立した第3者機関の設置を決定しています。この委員会は公正取引委員会、国家公安委員会と同様の権限を持つ、非常に強力な委員会として位置づけられており、政府もこのマイナンバーのセキュリティ面に関して、大きな注意を払っていることがわかります。

この委員会が行政機関や地方公共団体、その他関係機関とマイナンバーを取り扱う事業者に対して指導や助言をし、違反行為の防止・是正を推進していくことになっています。

■1にセキュリティ、2にセキュリティ、3も4も5もセキュリティ

日本に限らず国民というのは政府の秘密情報が漏えいすることを鬼の首でも取ったかのように喜びます。しかし、これは本来恐ろしいことなのです。国がお金をかけて、システムや人を使って守ってきた情報すら、暴こうと思えば暴けてしまう。であれば個人の情報なんて簡単に盗めてしまうということでもあるのです。

マイナンバー制度はメリットも大きいですが、その分この番号が流出したときの弊害は年金番号が1つ流出したのとは比べ物にならない大きさになります。この制度において何よりも国民が気を付けるべきことはセキュリティです。 マイナンバーは非常に厳密な個人情報であるため、「収集して、保管して、利用する」という作業だけでも非常に面倒です。

そんな場合に、マイナンバー管理サービスを使うと、経営者や税理士の方は、顧客や従業員とマイナンバーのやりとりをしたり、自社内で保管したりする手間を省くことができます。

ちなみに、こちらのサイトから登録(無料)すると、マイナンバーガイドなど様々な特典がついてくるのでオススメです。

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