【年末調整】法定調書合計表と支払調書とは?書き方と提出方法まとめ
年末調整後の手続きで必要となる、法定調書合計表と支払調書。概要から書き方、提出方法などをまとめました。 なお、給与支払報告書の書き方や提出については、 「給与支払報告書」の書き方と提出方法まとめ」をご覧ください。
目次
1) 法定調書合計表と支払調書とは
一言で表すと、「社員への給与支払い」や「外部に対しての報酬支払い」を税務署に対して証明するために提出する書類です。各書類について詳しく見ていきます。
A)法定調書合計表
法定調書合計表の正式名称は、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」といいます。法定調書合計表は、以下からなりたちます。
- 給与所得の源泉徴収票合計票
- 退職所得の源泉徴収票合計表
- 報酬、料金、契約金および賞金の支払調書合計表
- 不動産の使用料等の支払調書合計表
- 不動産などの譲受けの対価の支払調書合計表
- 不動産等の売買又は貸付のあっせん手数料の支払調書合計表
2)支払調書
「支払調書」は、法律に規定されている報酬などの支払いが、その年に同一人へあった場合に発行するものです。企業は原則として支払調書を同一の内容で2枚作成します。1枚は支払先に送付し、もう1枚は税務署に提出します。 また支払調書は「所得税の前払いを行った」証明になる書類もあります。個人事業主は、支払調書を受け取り、確定申告の際に所得税の計算の際に使用します。
支払調書はいくつか種類がありますが、その中でもよく使われるのが「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」です。この支払調書は、おもに下記に当てはまる場合に提出の義務があります。
(1) 弁護士や税理士などへの報酬、作家などへの原稿料、講演料などで、同一人へその年に支払った金額合計が5万円を超えるもの (2) プロ野球などのスポーツ選手などへの報酬、契約金で、同一人へその年に支払った金額合計が5万円を超えるもの (3) 外交員や集金人、プロボクサーなどの報酬・料金、バー、キャバレーなどの報酬・料金・広告宣伝のための賞金で、同一人へその年に支払った金額合計が50万円を超えるもの
2) 法定調書合計表の書き方
以下の4ステップで法定調書合計表を記入していきます。
Step1) 基本情報を記入 Step2) 給与所得の源泉徴収票合計表の欄に記入 Step3) 退職所得の源泉徴収票合計表の欄に記入 Step4) 報酬、料金、契約金および賞金の支払調書合計表の欄に記入
Step1) 基本情報を記入
基本情報を記入しましょう。
・Step2) 給与所得の源泉徴収票合計表の欄に記入
・(A)俸給、給与、賞与等の総額 この欄は、「給与所得の源泉徴収票」を税務署に提出するか否かに関わらず、給与を受けた人すべて(年の中途退職者も含む)について記入します。
・「人員」欄 給与等の支払を受けた方の実人員を記入します(丙欄適用の人員は含まない)
・「左のうち、源泉徴収税額のない者」欄 「給与所得の源泉徴収票」の「源泉徴収税額」欄の税額が「0」の人数を記入します
・「支払金額」及び「源泉徴収税額」欄 支払った俸給、給与、賞与などの総額と源泉徴収税の総額を記入します。 記入の際、年の中途で就職した人が、就職前に他の支払者から受けた給与等の金額や徴収された源泉徴収税額は含めないよう注意しましょう。
・(B)源泉徴収票を提出するもの 以下のいずれかの項目に当てはまる人数、支払った俸給、給与、賞与などの総額と源泉徴収税の総額を記入します。
- 給与等の支払金額が150万円以上の役員
- 給与等の支払金額が500万円以上の社員
- 給与等の支払金額が250万以上の弁護士、税理士など
Step3) 退職所得の源泉徴収票合計表の欄に記入
・(A)退職手当等の総額 退職手当金等の支払を受けるすべての受給者数やその支払額、源泉徴収税額を記入します。
・(B)退職手当などを受けた者のうち、支払調書を提出するもの (A)のうち、法人役員数の合計と支払金額、源泉徴収税額を記入します。
・Step4) 報酬、料金、契約金および賞金の支払調書合計表の欄に記入
各区分に当てはまる人数やその支払い総額と源泉徴収税の総額を記入します。
3) 支払調書の書き方
■4) 法定調書合計表と支払調書の提出方法と注意点
所轄の税務署に提出する際は、法定調書合計表と支払調書に加えて、該当する給与所得者(社員・役員)の源泉徴収票が必要となります。源泉徴収票は社員に渡すだけでなく、もう1部作成して税務署へ提出する点に留意してください。
これらの書類を提出すると、2枚複写の法定調書合計表のうち、1枚が会社の控えとして渡されますので、大切に保管しておきましょう。
なお法定調書の提出枚数が1,000枚以上の場合、光ディスク等またはe-Taxによる提出義務が課されますのでご注意ください。 詳しくはこちら
■まとめ
法定調書合計表や法定調書は、記入間違いによって訂正が発生してしまうと手間がかかります。ゆとりをもって正しく作成できるようにしましょう。
また上述のとおり、給与支払報告書関連の書類の記載方法については 「「給与支払報告書」の書き方と提出方法まとめ」をご覧ください。