マイナンバー導入後の扶養控除等(異動)申告書の変更点と書き方をわかりやすく解説
最近、マイナンバー制度が新聞等でも取り上げられるようになりました。サラリーマンが年末調整で提出する扶養控除等(異動)申告書の変更点や留意点について説明します。
<参考>年末調整に迷った時に読む、給与所得者の扶養控除等申告書の書き方
1)平成28年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書について
[平成28年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書] 画像引用元:国税庁のページを一部加筆
確定様式ではありませんが、こちらが「平成28年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」です。赤で囲った場所が変更点で、本人及び扶養親族等のマイナンバー(個人番号)の記載欄が追加されています。それでは、書き方を見ていきます。
2)本人
ここは控除対象配偶者及び控除対象扶養親族等がいない方も記入します。「平成28年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」よりマイナンバーを記載します。
画像引用元:国税庁のページを一部加筆
3)控除対象配偶者
ここには配偶者を扶養に入れる場合に記入します。平成28年度の所得の見積額が38万円以下の配偶者が該当します。配偶者を控除対象とする場合、配偶者のマイナンバーも記載する必要があります。
サラリーマン(パート、アルバイト含む)の場合、見込収入から65万円を引いた金額を「平成28年中の所得の見積額」の欄に記入します。たとえば見込収入が103万円の場合は、103万-65万=38万円と記入します(収入が65万円未満の場合は0円となります)。
画像引用元:国税庁のページを一部加筆
4)控除対象扶養親族
ここには16歳以上(平成13年1月1日以前に生まれた人)の扶養親族を記入してください。控除対象扶養親族についても、扶養親族のマイナンバーの記載が必要となります。
控除対象扶養親族のうち19歳以上23歳未満(平成6年1月2日~平成10年1月1日生まれ)の場合には「特定扶養親族」となるため、住所のとなりの欄にある「特定扶養親族]の項に○を付けましょう。
画像引用元:国税庁のページを一部加筆
5)16歳未満の扶養親族
ここには16歳未満(平成13年1月2日以後に生まれた子)の扶養親族を記入します。16歳未満の扶養親族についても、扶養親族のマイナンバー(個人番号)の記載が必要となります。この欄は住民税の算定のために必要となります。
画像引用元:国税庁のページを一部加筆
6)マイナンバー(個人番号)とは
マイナンバーは平成27年の10月から、簡易書留で届けられます。受け取りにはサインや印鑑が必要なため、不在で受け取れなかった時は、再発送の手続をしてください。また、ご家族のマイナンバーも同封されます。封筒には通知カードが入っており、扶養控除等(異動)申告書作成に必要ですので、しっかり保管しておいてください。
ここでの留意点は、通知カードは住民票登録地に郵送されるということです。仮に郵便局の転送サービスを利用していても、発送は転送不可となっているため、住民票と今の住所が異なる方は、住民票の移転手続が必要となります。
また、ご家族以外の扶養親族がいる方は、扶養控除等(異動)申告書の提出にあたり、個人番号(マイナンバー)を入手する必要があります。
〈参考〉 今さら聞けないマイナンバー制度(番号制度)とは?重要ポイントまとめ これであなたもマイナンバー博士!マイナンバー制度を徹底解説
7)まとめ
以上、「平成28年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の記入方法について説明してきました。今年は、マイナンバー制度導入で記載事項が追加されますので、事前の準備が必要です。
なお、平成27年度分において収入が103万円~141万円未満の配偶者は「配偶者特別控除(最高38万円)」が受けられます。この控除を受ける場合「平成27年度 給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」を勤務先に提出してください。もし収入が103万円を超えてしまった場合は、平成27年度の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」も修正する必要があります。
※本人の合計所得金額1千万円を超える場合は、配偶者特別控除を受けることができません。