あの会社の人事評価制度はどうなっている?大企業の人事評価まとめ
みなさんの会社の人事評価制度はどのようになっていますか?ただ単に制度が存在しているのみで、形式だけになっていませんか?
時代が進み、技術革新・国際化等により社会が急速に発展していくにつれ、プライベートを大事にし、“会社はお金を稼ぐための場所”と合理的に物事を考える人間が増えています。
当然そのような労働者が増えるにつれ、「よりよい職場」、「よりよくお金を稼げる職場」を求めて転職する労働者が増えてきているのも事実です。
このような環境の下、企業としても優秀な人材を集めるため、そして、優秀な人材の流出を防ぐために、人事評価制度を新たに見直さなければならない時代になってきているのかもしれません。
1)人事評価制度とは
それでは、人事評価制度とは一体何のためにあるのでしょうか?
私も一般企業で働いたことがあるのですが、最初は「ボーナスに多少差が出るくらいのもの」といった認識でした。しかし、実際は“賃金や賞与に反映させるため”のみではなく、会社の経営理念・方針を浸透させることや役割と目標の明確化、社員の教育といった非常に重要な機能を人事評価制度はもっているのです。
企業とは、おのおのの従業員が好き勝手やる「烏合の衆」であってはいけません。1+1=2となるのではなく、1+1が3にも4にもなるように組織を運営する必要があります。
そのためには企業の理念・方針といったカルチャーを従業員に浸透させ、それぞれの従業員が行うべき役割を明確にし、進むべき方向を従業員全員に伝えることが大切になります。
カルチャーの浸透は結果として企業の成長に繋がります。企業として目指すべき目標や従業員が取るべき行動を明確に評価基準として落とし込むこと、そして成果を出した人間はそれに応じて報われるようにする基準・決まりを設けることでカルチャーの浸透や企業の成長実現することができます。
2)人事評価制度の種類
人事評価の制度には「成果に対するもの」と「行動に対するもの」、そして「どちらにも属さないもの」があります。
成果は目標に対する達成度であり、行動とは目標を達成するためのプロセスと考えてよいでしょう。どちらに優劣があるという訳ではありませんが、どちらの比重をより重くするかで企業の捉え方がわかります。
成果の比重をより重くする場合は実力を重視する企業と考えられます。プルデンシャル生命などの外資系の生命保険会社はその例だと言えるでしょう。
一方、行動の比重をより重くする場合は人間性を重視する企業です。人事評価で「人望」を重視するトヨタはこの例の一つとなります。
また、上記2つとは一線を画し、年齢や学歴、コミュニケーション頻度などの成果や能力と全く関係ない部分で評価される場合もあるようです。
3)大企業の人事評価制度
さて、それでは大企業と呼ばれる企業は一体どのような評価制度を採っているのでしょうか。ファーストリテイリング、ソフトバンクグループ、キーエンス、ヤフーの4社を例に取り、それぞれのホームページや転職サイトの口コミ等の情報を参考に簡単にまとめたものが以下の図になります。 上記の4社の人事評価を見てみると、大企業の中でも評価制度が異なっていることはおもしろい部分だと言えるでしょう。社長の考え方や企業の業界内のポジション、営業への評価や必要人材などの要因によって評価制度にも違いが出てくることがわかります。
4)人事評価制度の落とし穴
大企業の評価制度を紹介しましたが、どのような評価制度でも、大企業になれる可能性があります。
しかし、どのような評価制度でも自社の理念・方針などの組織文化に沿ったものでない場合は、有効に機能しない可能性があります。
私が以前働いていた会社は「行動」のみを評価基準としていました。行動のみを評価する場合、評価基準に落とし込むの対象を決めるのが非常に難しく、結局評価制度は形式だけ取られていました。
売上を上げても個人の評価には反映されず、従業員のモチベーションは低下し、それに伴い売上も落ちてしまいました。
これは制度設計上の問題でもありますが、評価基準を間違えてしまうと思わぬ落とし穴があることは知っておいた方がいいでしょう。
まとめ
人事評価制度は非常に強いメッセージ性を持っています。内容次第で従業員のモチベーションを大きく左右するものであるということは肝に銘じておくべきです。
また、評価に主観が入ってしまうことは避けられません。いかに評価者の主観が入らないように評価制度を設計するのかも非常に重要な要素です。
そもそもの人事評価制度の目的とは何なのかを考慮に入れながら、自社の目指すべき方向性そして社員のモチベーションの向上につながる人事評価制度を確立して下さい。
寄稿事務所:合同会社UKトラストグループ