有給休暇の買い取りはできる? | 知っておきたい基礎知識
有給休暇制度、しっかりと利用を促進できていますか? 近年、従業員が有給休暇制度を利用しないことは社会問題の一部として語られるようになりました。早ければ2016年内には、有給休暇の取得が義務化されるという話もあります。今回は、有給休暇の買い取りについて説明したいと思います。
1)有給休暇の定義について
有給休暇の定義について知っておくと、どのような概念で有給休暇を与えなければならないのかを理解することができるのではないでしょうか。有給休暇とは、労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持や培養を図るとともに、ゆとりのある生活の実現を目指した制度であり、この文章は労働基準法にも明記されています。普段何気なく付与している有給休暇ですが、しっかりとその意義が法律に明記されているということは確認すべきだと言えるでしょう。
2)有給休暇の買い取りはできるのか?
それでは本題に入りますが、有給休暇の買い取りそのものは違法なのでしょうか? 労働基準法には、有給休暇の買い取りについての文言はありません。しかし、通達として有給休暇の買い取りの予約をすることはできないことが明記されています。ですから、有給休暇を買い取ることは基本的にはできないものだと認識しておいて間違いないでしょう。
本来の有給休暇の意義を考えると、従業員にリフレッシュする機会を与えるのが目的ですから、しっかりと与えた分の有給休暇は消化してもらうことに務めることが重要です。
3)有給休暇の買い取りを行うケース
有給休暇の買い取りを行うことが多いケースもあります。有給休暇を労働基準法で定められているより多い日数与えており、その分を買い取ること、もしくは、時効が過ぎてしまう場合や、退職の際に消滅してしまう有給休暇がある場合などは、有給休暇の買い取りが可能だとされています。しかし、買い取る義務はありませんので、このような買い取り制度を導入する場合は会社のサービスの一環として行われる場合が多いようです。
まとめ
有給休暇の消化の義務化のニュースもあり、今後、有給休暇に関する関心は大きく高まってくるものだと思われます。どのような制度になっているのか、一度会社の規則などを確認し、しっかりと労働基準法を中心とした法律が守られているのかをチェックすることが会社には求められるのではないでしょうか。