「社員が辞める!後釜はどうする?」 求人媒体別のメリットとデメリット
職業選択の自由は日本国憲法第22条が保障しています。終身雇用と言われた日本も、リクナビを使い終わった瞬間から、リクナビネクストに登録する昨今。となりのデスクの人が来月にはいなくなるなんてこともありふれた話です。
あなたが信じる従業員も、明日にはわからない時代。残念にもやめてしまう社員が出た場合、後任をどうやって探しますか。採用コストもかけられないし、うちは中小だからそんないい人は来ない・・なんていっていられません。人口減少の日本。人材確保は企業経営の死活問題です。
ハローワークのメリット・デメリット
まずはご存知のハローワーク。職業安定所とも言われていましたが、今ではハローワークという名前がだいぶ浸透してきました。ハローワークを通じて求人するメリットとしては、採用コストが低いこと、ハローワーク経由でハンディキャップを持つ方や高齢の方等特定の条件に当てはまる求職者を雇うと助成金の点で有利な場合があります。
デメリットは、求人票を出すにはハローワークに行かなければならない点、またハローワークを求職者が利用する場合、実際に行って登録したりハローワークの紹介状がないと応募ができなかったりするため、応募までにひと手間が必要で、在職者で転職を考えている方はあまり登録していない傾向があります。
ハローワークは失業者の支援、早期再就職を目指す機関でもあるのでそれは仕方ないかもしれません。その点で、ハローワーク経由の応募者はすでに失業している場合が多く、転職を検討している段階にある潜在的な人材市場にアピールしにくい点が挙げられます。
次は掲載報酬型と成功報酬型求人媒体です。コンビニや駅においてあるフリーの求人誌、新聞の折り込みで入ってくるチラシ等がこの種の媒体に当てはまります。
求人媒体運営会社のメリット・デメリット
ハローワークで求人が掲載されると、応募者よりもそれを見た求人媒体運営会社から「うちでも掲載しませんか」と連絡がくる場合があります。こういった会社は、掲載すると料金が発生するタイプと、掲載後採用が決まると料金が発生するタイプがあります。
メリットは幅広い求職者、潜在的求職者に求人できること、また媒体によっては経理・財務系、IT系、外資系等専門に特化しているため、その分野の経験や資格を持った人を効率の良く選考採用することが可能になります。掲載時の条件や文章等も相談にのってくれるところもありますので、魅力ある求人情報を発信できます。
一方、デメリットとしては、初期にかかる費用、いわゆるイニシャルコストが高めです。数万円から数十万円は必要です。また掲載して応募してきた全員が不採用でも、採用後一週間でやめてしまってもコストはかかります。
掲載料を払うような媒体は仕方ないとして、成功報酬型であれば、雇ったこと求人会社に言わなければお金かからないんじゃないの?と思う方もいるかもしれません。
しかし、こういった成功報酬型求人媒体の場合、媒体を通じて応募した人に「採用時には祝い金支給」という形をとっていることがあります。採用が決まった際は求職者から連絡が来るようにしているので、採用者側がだまっていたとしても媒体側はわかります。そういうことはしてはいけません。
派遣会社を利用するメリット・デメリット
派遣会社に欲しい人材の条件を伝えることで、登録者の中から条件に合う人を派遣してもらえます。問い合わせをすると早い段階で営業マンがヒアリングにきて、求める人材の選定を始めてくれます。派遣を受け入れない限りコストはかかりません。
また複数の派遣会社に依頼することで、人材選定の範囲も広がります。希望者がいると面談という形で登録者との顔合わせがあり、お互いに了解が得られれば派遣として時給制で来てもらうことになります。
メリットとしては、求人の初期費用がかからないこと、登録の際に派遣会社がスキルチェックをしてくれていること、更新のタイミングで派遣継続の可否を検討できること、雇用にまつわる社会保険業務や給与計算の手続きをしなくて済むこと等があげられます。
一方、デメリットとしては直接雇用より時給にして500円以上高くなること、直接雇用へ切り替えの際派遣会社に別途紹介料を支払わなくてはいけない可能性がある等が挙げられます。
また派遣労働者を半永久的に派遣としておくことはできません。同一の事業所における派遣労働者の継続的な受入れは、3年が上限になります。派遣法の改正にも注意する必要があります。
自社ホームページや張り紙等で募集するメリット・デメリット
最後に、自社のホームページや張り紙等で募集する方法です。メリットとしては、よほど手の込んだ採用ページや張り紙を作らない限り、採用コストは低いといえます。また、近隣の求職者の目にとまりやすいため、近場に住む人が応募してくる確率が上がります。
デメリットとしては、アピールできる市場が限られること、採用のすべての過程を自社で対応する必要があります。また取引先等の目にも入ることから、求人条件から会社の財務状況等が推測できてしまう側面もあります。
自分が就職活動した時代にはなかったものが増え、より多様化してきた求人求職事情。前回採用した求人方法で今回もうまくいくとは限りません。
ちなみに求職者が最も増えるのは12月のボーナス支給以降、1月から3月の年度末。よりよい人材市場にアクセスするためにも退職予定者にそこまでやめるのを待ってもらうというのも一つの方法です。そして、優秀な人材が離れないようにする日々の努力、それが一番重要なのかもしれません。