雇用保険の資格取得時、「13.職種」欄について
雇用保険の被保険者資格取得届を提出するときに必要な職種区分は、どの様に分けられているのでしょうか。新入社員を雇い入れると、 雇用保険の手続きが発生します。その中に、一人一人の仕事内容によって、「職種」を書き込む欄があり、その分類は11種類あります。職種の違いとは何でしょう。今回は、「職種」について見てみます。
※平成28年1月から、マイナンバーの欄が追加されましたので、職種欄は13になっています。
雇用保険の被保険者資格取得届とは?
労働者を一人でも雇用すると、農林水産業の一部を除いてすべて雇用保険の適用事業になります。その適用事業所に雇われた人は皆、1週間の労働時間が20時間未満の短時間労働者を除いて、雇用保険の被保険者になります。 労働者を雇った会社側が、ハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。個人番号や被保険者番号などと共に、賃金や雇用形態、職種等を届け出ます。
「13.職種」欄は二桁の数字で表します
13.職種の記入欄には、二つの枠が設けられています。01〜11までの二桁を記入します。区分についての説明は裏面にあります。2015年までの様式よりも2項目増えて、運輸通信の職業、技能工、採掘などの職業及び労務の提供が細分化されています。
A 管理的職業・・・・・01 B 専門的・技術的職業・・・02 C 事務的職業・・・・・03 D 販売の職業・・・・・・・04 E サービスの職業・・・05 F 保安の職業・・・・・・・06 G 農林漁業の職業・・・07 H 生産工程の職業・・・・・08 I 輸送・機械運転の職業・・09 J 建設・採掘の職業・・・・10 K 運搬・清掃・包装等の職業・・11
となっています。次項でそれぞれについて説明します。
それぞれの職種について
A)管理的職業・・・・・01
会社・団体等の役員及び経営組織の課以上の長である管理職員を言います。 具体的には、会社部長、課長、支店長、工場長、営業所長などで雇い入れられる人です。
B) 専門的・技術的職業・・・・・02
教育の仕事、医学の知識を必要とする専門的な仕事、芸術作品の創作・演奏・上演の仕事に従事する人、その他の研究者、法務従事者、公認会計士などの専門家及び技術者の人になります。医師、看護師、技師、教員、デザイナー、俳優、学者、記者、カメラマンなども、この職業区分になります。
C) 事務的職業・・・・・03
現金の出納、帳簿、文書、記録などの作成・管理。事務機器の操作、調査などの経営管理の補助的な業務に従事する人。経理事務や営業事務など、事務職全般を言います。
D) 販売の職業・・・・・04
商品・不動産・有価証券などの売買、売買の仲介・代理、勧誘などの業務に従事する人。ショップ店員、販売員、販売外交員、サービス外交員、保険外交員などを言います。
E) サービスの職業・・・・・05
家事サービスや、身の回りの用務をする人。娯楽などの接客サービスに従事する人。 料理、洗濯、職業スポーツなど、その他のサービスの業務に従事する人です。 理・美容師や料理人、バーテンダー、管理職・事務職を除く旅館等の従業員、クリーニング工場の従業員、清掃員、ガイドなどに従事する人になります。
F) 保安の職業・・・・・06
個人や財産の保護、秩序の維持などに従事する人を言います。守衛、監視員、警備員、消防員などになります。
G) 農林漁業の職業・・・・・07
農業、林業、漁業に従事する人です。特に例を上げるまでもないと思えます。魚などを養殖する事業の人も含まれます。
H) 生産工程の職業・・・・・08
各種作品製造の工程作業に従事する人。それぞれの技術補助など、短期間で習得でき、かつほとんど判断を要しない簡単な作業に従事する人を含めます。機械工、溶接工、修理工、組立工、塗装工、大工、左官などから、配達人、その他雑役をする人も含みます。
I) 輸送・機械運転の職業・・・・・09
電車・自動車・船舶・航空機の運転・操縦、定置機関・定置機械・建設機械の運転などの業務に従事する人です。電車やバスの運転士、タクシードライバー、トラックやトレーラー・重機など各種自動車の運転手、車掌、バスガイド、船長他船舶の運航に関わる機関誌やボイラー技士、ヘリコプターをはじめとする航空機の操縦士、発電員、変電員、ビル施設の管理者などが当たります。
J) 建設・採掘の職業・・・・・10
建設の作業、電気工事の作業、建設・土木工事現場における土砂の掘削などの作業、鉱物の採掘・採取の作業をする人。型枠大工や鳶など、建築現場で作業をする人、左官や畳工、内装工、送電線の架線・敷設作業員、電気工事作業員、ダムやトンネルの掘削作業員、採鉱員などが該当します。
K) 運搬・清掃・包装等の職業・・・・・11
貨物・資材・荷物の運搬、建物・道路・公園の清掃、品物の放送などの作業に従事する人。郵便配達員、港湾荷役作業員、倉庫作業員、新聞配達員、荷造り作業員、建物清掃員、ハウスクリーニング作業員、産業廃棄物収集作業員などになります。
職種によって、雇用保険料に違いはある?
雇用保険料率には、「一般の事業」、「農林水産・清酒製造の事業」、「建設の事業」の3つの区分があります。会社の事業内容による違いはありますが、個人の職種による違いはありません。
平成28年度の例で見ますと、 一般の事業で、労働者の負担が4/1000、事業主の負担が7/1000、計 11/1000 農林水産・清酒製造の事業で、順に 5/1000、 8/1000、 計13/1000 建設の事業で、 5/1000、 9/1000、 計 14/1000 になっています。
まとめ
従業員を雇い入れた時に、雇用保険の被保険者資格取得届は速やかに提出しなくてはいけません。「職種」欄は雇用保険被保険者資格取得届の裏面に○○的職業と、羅列されています。
ほとんどの職種は○○的職業で判断が付きますが、「職種」の区分に悩んだ時は、参考にして下さい。