源泉徴収票の発行の重要さとは?スムーズに発行するための方法
(最終更新: 2017年8月28日)
給与事務や確定申告に必要となる「源泉徴収票」。
世の中にはその重要性に気づかず、源泉徴収を発行しない会社もあるようです。その結果、従業員が「発行してくれない」と税務署やハローワークで嘆いている場合もあります。
今回は、源泉徴収の発行はなぜ重要なのか、またスムーズに発行するための方法をご紹介します。
目次
1. 源泉徴収票とは
源泉徴収票は、その従業員に対して1年間に支払われた給与額や控除された税額・保険料額などを記載する書類です。通常は12月に年末調整を行った後、給与が支払われたすべての従業員ごとに作成・交付します。そして、対象となる一部の従業員の源泉徴収票について、年末調整の対象となった年の翌年1月31日まで税務署に提出します。
また従業員が退職することになったら、退職後1ヶ月以内に退職手当額や源泉所得税額を記載した所得の源泉徴収票を発行します。
2. 源泉徴収票の役割
退職者が転職先や年末調整や確定申告を行うとき
退職者が転職先で年末調整を行ったり、退職後に自身で確定申告を行ったりするときに、源泉徴収票の情報が必要となります。
退職者が失業給付をもらうとき
退職をした人のなかには、失業給付をもらう人もいます。その場合は、ハローワークに源泉徴収票を提出しなければなりません。失業給付の申請が遅れるほど、お金を手にするまで時間がかかってしまいます。そうなると、貯金がない人であれば生活をするのが困難になるのです。
退職後も安心した生活を送ってもらいたいと思うのであれば、迅速に源泉徴収票を発行しましょう。元従業員が新たなスタートを切ることができるようにするのも経営者の役割なのです。
3. 源泉徴収票を発行しないとどうなる?
税務署から連絡がくる
上述のように、年末調整や確定申告で必要となる源泉徴収票を発行しない場合、税務署から電話などの連絡がきます。答えない場合には、変な疑いをかけられてしまい捜査されることにもなりかねません。「何も怪しいことをしていません」というように、正々堂々とするためにも源泉徴収票の発行は重要なことなのです。
従わない場合は所得税法226条により罰せられる可能性も
なかには、税務署のお願いに対して従わないケースもあります。それが悪質なものになると「所得税法226条」によって罰せられます。懲役や罰金などに科せられる場合もあるのです。もし処罰されると、色々と手続きも面倒なので素直に源泉徴収票を発行する方がよいでしょう。
退職者を困らせないスムーズな対応も大事
退職者を困らせないようにすることも経営者として大事。もうあなたの従業員ではないといっても、一定期間はあなたの会社で働いていた人間に変わりありません。トラブルになると後が面倒なので、長い目で見てもすぐ対応するのが一番でしょう。
4. 源泉徴収票の発行をスムーズに行う方法
源泉徴収票を手間なく作成するために、いくつかの方法がありますのでご紹介します。
ソフトウェアを活用して作成する
給与計算ソフトや年末調整ソフトウェアでは、源泉徴収票を発行する機能も含むものが多く見られます。そういったソフトウェアを活用することで、源泉徴収票の発行をスムーズに行うことが可能です。
たとえば 人事労務freeeでは、年末調整後や退職手続き後、1クリックで源泉徴収票を作成することが可能です。オンラインで発行できるので、従業員・退職者との受け渡しも手間なく行えます。
>> 人事労務freeeの源泉徴収票の発行について詳しく見る
源泉徴収票のフォーマットをエクセルに保存しておく
エクセルのデータにフォーマットを落とし込んでおくことで、源泉徴収票を入力するのは楽になります。金額を入れるだけなので初心者でも作業しやすいでしょう。しかもインターネット上でダウンロードできるので楽です。
11月分までの給料や税金支払い額を前もって記載する
源泉徴収票の発行は12月末に行なう会社が多いです。前もって、11月までにあった収入や支払税金額を計算しておくのも大事なことだと言えるでしょう。そうすることで、12月分の所得や支払額を加算すれば良いだけなので、作業時間も短縮されます。
不安な人は税務署やハローワークで作り方を習っておく
もし発行について不安であれば、税務署やハローワークで源泉徴収票の作成方法を習っておくことも大事です。知識がない状態で作成しても、間違ってしまう場合もあります。もし毎年作成している人も、少しでも不安がよぎったら教わるべきでしょう。そうすることで効率良く発行することができるはずです。
5. まとめ
源泉徴収票の発行についてご紹介しました。今回説明した内容については、会社としては当たり前のことになります。「面倒だからいいや」だと、最終的には自分のクビをしめることになりかねません。しっかりと義務を果たすよう、業務を行っていくようにしましょう。