源泉所得税についてあなたは知っていますか?納期から意味合いについて紹介
ほとんどの会社で発生するのが「源泉所得税」です。所得税と何が違うの?と思う方もいるでしょう。そこで今回は、「源泉所得税」の意味から納期、さらに初めての人も分かる簡単な手続き方法も紹介します。
そもそも源泉所得税とは何か?
会社で預かっている従業員の所得税
会社は、従業員に毎月給料を支払っています。ほとんどの会社では、従業員の給料から所得税を差し引いて口座に振り込まれています。会社で預かっている所得税分を、「源泉所得税」と呼びます。
従業員の代わりに会社が税金を納付する仕組み
なぜ会社があなたの代わりに所得税を預かるかと言いますと、従業員の所得税を会社で一括して納付するためです。本来であれば、従業員は給料をもらった後に、自分で納付に行かなければなりません。
しかし、それでは役所も大混雑しますし、納税する側も役所で処理する側も大変になってしまいます。そこで源泉徴収という仕組みを採用し、お互いの負担を減らす意味合いも込められているようです。
初めて源泉徴収をする人も分かる簡単な手続き方法
1.「給与支払事務所等の開設届出書」を出す
まずは、自分の会社から給料を支払うということを伝えるところから始まります。そこで「給与支払い事務所等の開設届出書」を税務署へ提出をしなければなりません。これを提出することで、源泉徴収をする意志を伝えたことになるのです。
書類を出さず会社で勝手に「源泉徴収にしましたから」と言っても、税務署は認めてくれません。場合によっては、従業員たちがペナルティをくらう恐れもあるため、必ず手続きしましょう。
2.従業員に「扶養控除等申告書」を提出してもらう
所得税の金額は給料の金額だけではなく、扶養人数によっても違います。そのため従業員に「扶養控除等申告書」に記入してもらう必要があるのです。
その資料を見ながら、所得税の金額を計算していくのが毎月の流れです。これについては、変更がなくても毎年提出してもらう必要があるため注意覚えておきましょう。
3.給料が発生する都度、従業員の所得税を差し引く
2番目までの作業が終わって、初めて給料から所得税を差し引き、源泉徴収の仕組みを利用できます。余談ではありますが、給料のほかボーナスが発生した際も所得税を差し引かなければならないため、忘れないようにしましょう。ちなみに、ボーナスの際は給料とは源泉所得税の計算方法は違うため要注意です。
源泉所得税の納期とは?
給与支払月の翌月10日までに納付をする
源泉所得税は、原則給料支払月の翌月「10日」までに納める決まりになっています。ただし、10日が「土日祝」の場合は、休日明けの日にちが納付期限となっているので、少し余裕があるでしょう。
源泉所得税の納付方法は3つ
まず1つ目の方法が、現金と一緒に納付書を添付して払う方法です。銀行の信用金庫などの受付へ行くと支払処理をしてくれます(ただし場所によって支払手数料が違う場合もあるため注意)。
2つ目は、口座振替で支払う方法です。これだと、自動で引き落とされるため残高が残っていれば支払漏れになる心配はほとんどないでしょう(ただし全ての銀行口座が大丈夫とは限らないため、税務署担当者に確認することも大事)。
最後の方法は、インターネットバンキングを使った納税方法です。これは、パソコンやスマホで支払うことができるため、手軽に利用できます。しかし、最近ではパソコンにウイルスが入り、情報を読み取られる被害も出ているため、セキュリティ面の対策をしっかり行っていると言うのが大事です。
源泉徴収対象者が10人未満であれば、納期の特例を利用できる
ただし、「納期の特例」という制度も存在します。源泉徴収対象者が10人未満であれば、半年分の納付をまとめてできます。現在設定されているのが7月10日払(1月~6月の源泉所得税)と、1月20日払(前年7月~前年12月の源泉所得税)です。ただ、特例を使用しても納付金額は変わらないので頭に入れておきましょう。
申告をしなかったら追徴金などのペナルティもある
もちろん、申告をしなければペナルティはあります。納付が遅れるほど延滞利息が発生し、納付予定だったもともとの金額の1〜2割増しで払わなければいけないことも起こるのです。そのため、早めに支払っておいた方が良いでしょう。
源泉徴収を怠らず行い、正しい納付をしよう
正しく納税をすることで、会社も守られます。悪質なことを行うと、税務署も本気を出して乗り込んできます。日頃から処理を怠らないことが、経営するうえで大事です。お金については、ルーズにならないようにしましょう。