有限会社はなぜ設立できない? | 会社設立の基礎知識

現在の会社法では、有限会社が設立できないのはよく知られていることなのではないでしょうか。会社法によって、有限会社の設立はできなくなりました。今回は、有限会社についてみてきたいと思います。
なぜ有限会社は設立できなくなったのか
なぜ、有限会社は設立できなくなったのでしょうか。有限会社は、同族経営の小さな企業に適しているとされ、株式会社のような複雑な制度や期間の設置を簡略化してよい場合に都合が良い会社制度でした。しかし、近年の会社では同族経営の会社が設立されることも減り、また、有限会社として設立できる場合であっても株式会社としての設立する数が多くなったため廃止されたとされています。
現存する有限会社のメリット
有限会社は新規に設立することができなくなりましたが、現存している有限会社はそのままの名称で残っていることがあります。こうした企業は、取締役の設置をしなくてもよく、また決算の公告の義務を持たないというメリットがあります。また、有限会社の数が年々減っていることから、会社のアイデンティティの一つとしての評価も受けることがあるようです。
現行の会社設立制度
それでは、有限会社が設立できなくなった現状の会社設立ではどのような選択肢があるのでしょうか。代表的なものとして、株式会社と合同会社があります。株式会社は、有限会社の消滅にともない、資本金が1円でも設立することが可能となりました。しかし、現実的には株式会社は設立時に定款の認証代がかかることや、会社の運営を考えると多額の費用が必要になる場合が多いです。
合同会社は、有限会社の消滅と変わって現れた新しい会社の種類となります。株式会社と違い、定款認証がないことや、登録免許料が株式会社よりも安いことから、設立費用が比較的安く済みます。その他の違いについてはこちらをご覧ください。
まとめ
有限会社は、現代の会社の実態などに合わせて設立することができなくなりました。現在の会社設立では、株式会社や合同会社などの選択肢より会社の形態を選ぶことが必要になります。もし、会社設立を考えているのであれば、各会社形態の違いについてはチェックしておきましょう。