2019年04月08日(月)1ブックマーク

J-SOXとは?内部統制を機能させることが健全な企業への第一歩

経営ハッカー編集部
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アメリカで企業改革法(SOX法)が成立した流れを受けて、日本版のSOX法として、J-SOXと呼ばれる制度が導入されることになりましたが具体的にどんな制度なのでしょうか?

今回は、J-SOXとはどのような制度なのか解説していきます。

目次

    J-SOXとは

    J-SOXとは、内部統制報告制度のことです。内部統制報告制度とは、金融商品取引所の上場企業が、事業年度ごとに公認会計士または監査法人の監査を受けた内部統制報告書を、有価証券報告書と合わせて内閣総理大臣に提出することを義務化したものです。

    内部統制報告書とは、金融商品取引法第24条によると、会社の属する企業集団および当該会社に係る財務計算に関する書類、その他の情報の適正性を確保するために必要な体制について評価した報告書のことです。つまり、財務諸表を適正に作成できる体制がきちんと整っていることを自社で検証して表明することを意味しています。

    この制度が導入されたことで、上場企業の経営者は、財務報告にかかる内部統制を整備だけでなく、運用した上でその状況を評価して外部に報告が必要となりました。

    J-SOXが日本で導入されたのは、2001年にアメリカで起きた不正会計事件がきっかけです。企業改革法(SOX法)がアメリカで成立し、それに伴って内部統制の有効性を評価する内部統制報告制度が導入されました。日本もこの流れを受けて、2008年に日本版のSOX法として、J-SOXが誕生しました。

    内部統制の目的とは

    会社はなぜ内部統制を行う必要があるのでしょうか?

    内部統制を行うのには以下のような4つの理由があります。

    ・業務の有効性と効率性の構築
    ・財務報告の信頼性
    ・法令等の遵守
    ・資産の保全

    ■業務の有効性と効率性の構築


    会社にとって、会社の設定した目標にどれだけ到達しているか、目標達成に向けて合理的な資源を有しているかなど、効率的な経営が行えているかが重要です。内部統制は、会社の事業活動に関わっている全ての業務を適切に評価・対応できる体制を構築する、もしくは支援する目的で行われます。

    ■財務報告の信頼性


    財務報告の信頼性が低下すると会社の社会的信用も低下します。そのため、会社は企業活動が健全であるということを社内・社外に伝える財務報告の信用性を高めなければなりません。内部統制は、これらの財務報告について虚偽報告がなされないような体制の整備や運用を支援する目的で行われます。

    ■法令等の遵守


    事業活動を行う際は、法令や基準、自社内外の行動規範などの事業活動に関わる法令を遵守することで会社の社会的信用を高めることが必要です。しかし、遵守しない場合は社会的な信用が失墜し、事業の運営に重大な損失を与えかねません。内部統制は、そのようなことにならないようにこれらの法令を遵守する目的で行われます。

    ■資産の保全


    正当な手続きや承認下で資産の取得や使用、処分などが適切に行われている場合には問題ありません。しかし、不正取得の場合には、社会的信用に多大な影響を与えるほか、損害を被ってしまいます。内部統制は、そのようなことにならないように適切な資産保全が実施される体制を構築・整備することを目的で行われます。

    内部統制を実現するための方法とは

    内部統制を実現するためにはどのような方法を導入すればいいのでしょうか?内部統制を実現するための方法は以下の6つです。

    ・統制環境の整備
    ・リスクマネジメント
    ・統制活動
    ・情報伝達
    ・モニタリング
    ・ITへの対応

    ■統制環境の整備


    統制環境とは、社内で内部統制を実行していくために必要な基礎部分です。会社固有の見識、行動、強み、特徴などで経営トップによる意向や姿勢のことです。社風や組織としての文化づくりを行い、信用ある組織体制を整えていきます。

    ■リスクマネジメント


    リスクマネジメントとは、会社が掲げている目的達成の障害となる要因を選別して、分析、評価を行い適切な対応を取ることです。様々なリスクを想定し、事前に対応を行っておくことでリスクを緩和します。

    ■統制活動


    統制活動とは、職務規定の整備や業務手順書の周知徹底と遵守のほか、マニュアル類の整備などを行い、それに基づいて行動することです。業務の中に「承認」「検証」「記録」などの適切な手続きを組み込んでいきます。

    ■情報伝達


    情報伝達とは、必要な情報を適切に識別、把握、処理することで的確に社内に伝わるようにすることです。経営方針の周知を徹底させることも含まれています。

    ■モニタリング


    モニタリングとは、内部統制がしっかりと機能しているかどうかを監視し、評価する仕組みを作ることです。モニタリングには、日常的に行う自己評価のほかに経営者・取締役会が行うものもあります。

    ■ITへの対応


    ITへの対応とは、情報の信頼性、正当性、正確性、安全性を実現するためのものです。ITへの対応をしっかりと行うには、専門的な知識を身につける、もしくは外部機関を利用することが効果的です。会社の管理体制の構築を実現するためには、ITの活用は必要不可欠と言えるでしょう。

    経営者に求められていることとは

    経営者は、内部統制をきちんと行うことができているか責任を持たなくてはならないため、基本的な計画と方針を定める必要があります。計画と方針の内容は以下の通りです。

    ・内部統制の方針・原則、範囲
    ・内部統制の構築を行う責任者の任命や全体的な管理体制
    ・内部統制構築の手順と日程
    ・内部統制に関わる人員と構成、教育・訓練の方法

    内部統制をしっかりと機能させるためにも、計画と方針を作成した後はいち早くそれらを実践していくようにしましょう。

    まとめ

    会社は、業務の有効性と効率性の構築、財務報告の信頼性、法令等の遵守、資産の保全という4つの目的に基づいて、内部統制を行っていく必要があります。

    内部統制を実現するためには、統制環境の整備、リスクマネジメント、統制活動、情報伝達、モニタリング、ITへの対応の6つを取り入れることが必要です。

    しっかりとした内部統制を行っていくには、経営者の取り組み姿勢が重要です。しっかりと計画と方針を定めて実践していく体制を作っていくようにしましょう。

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