2022年03月11日(金)0ブックマーク

上場企業なら知っておきたい! 決算書の開示義務とその対象

経営ハッカー編集部
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今回は、上場企業の担当者が把握しておきたい「決算」の開示についてご説明します。後半には、決算書作成に向けて理解したい書類一覧をまとめましたので、これまで作成してきた書類の意味を再度確認しながらご覧ください。

目次

    決算とは

    決算は、企業によって開示義務があります。ここでは、開示義務のある企業や開示する対象、開示しなくてはならない書類についてご説明します。
     

    決算を開示する義務のある企業

    金融商品取引法により、上場企業には決算を開示する義務があります。未上場の株式会社でも、会社法上の大会社に該当する場合、貸借対照表と損益計算書の開示が義務づけられています(※1)。なお、大会社とは資本金が5億円以上もしくは負債の合計額が200億円以上の株式会社です。
     

    決算を開示する対象

    決算を開示する対象は「税務署」「株主」「債権者」の3つです。税務署は、上場企業と大会社だけでなく、全ての企業が開示する義務があります。対して株主と債権者は、請求があった場合にのみ開示する必要があります。
     

    決算書が公開される場所

    各社のHP内にあるIRページはもちろん、以下でもご覧いただけます。

    決算書を確認できる場所

    EDINETは有価証券報告書などの開示書類が閲覧できる金融庁のサイトです。上場企業の場合には株価などの情報が確認できるファイナンス情報サイトからでも見られます。また有料情報の場合、会社四季報や日経テレコンなどの情報誌からでも確認はできます。
     

    決算書として提出される書類

    決算書とは、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書、株主資本等変動計算書など、企業の財務状況を把握できる書類をまとめたものです。法人税の申告をはじめ、金融機関に融資を求める時にも提示が要求されます。なお金融商品取引法では、上場企業など有価証券報告書の提出義務がある企業が作成する決算報告書を、財務諸表と呼びます。法律によって名称は異なりますが、一部を除き、必要な書類はほぼ変わりません。

     

    決算書作成に向けて理解したい書類

    ここからはfreeeが公開している情報を参考にしながら、 決算書作成に欠かせない書類をいくつかご説明します。ぜひ、ご自身が作られている書類の内容を振り返りながらご覧ください。

    【参照】

     

    貸借対照表

    保有している資産、負債、純資産を見える化することで、評価時点における企業の財政状態を表します。英語表記から、バランスシート(B/S)とも呼ばれます。企業の経営状態を客観的に把握するために欠かせない財務三表の一つです。
     

    損益計算書

    事業収益とそれにかかった費用の差額から、利益または損失を明らかにすることで、ある期間における企業の経営成績を表します。英語表記から、P/Lと呼ばれる場合もあります。貸借対照表と並んで、財務三表の一つです。
     

    キャッシュフロー計算書

    事業によって得られる収入と支出を「営業活動」「投資活動」「財務活動」の3区分で管理することで、お金の出入りを明確にします。上場企業には作成義務がある書類です。英語表記から、C/Fと呼ばれる場合もあります。貸借対照表、損益計算書と並んで、財務三表の一つです。
     

    株主資本等変動計算書

    貸借対照表の純資産の部分を抜き出して、株主資本、評価・換算差額、新株予約権、少数株主持分の4区分で管理することで、お金の変動とその理由が把握できる書類です。英語表記から、S/Sと呼ばれる場合もあります。
     

    個別注記表

    重要な会計方針に関する注記を行う書類です。貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書に対する注記を行います。
     

    附属明細表

    ここまでに紹介した書類に対し、把握しきれない重要事項を補足します。固定資産等明細表や引当金等明細表など、補足内容に応じ、適宜作成します。
     

    勘定科目内訳明細書

    取引時によく利用される勘定科目の収支詳細が記入されている書類です。貸借対照表及び損益計算書の各勘定科目の内訳を示します。なお2018年の税制改正により、資本金1億円超の大法人を対象に記載省略基準と単位が簡素化されました。詳細は、e-Taxのページをご覧ください。

    【参考】
    e-Tax 「勘定科目内訳明細書の記載内容の簡素化」の具体的な内容について教えてください。

     

    「税務署」「株主」「債権者」に対する開示内容

    ここまでの内容を踏まえ、決算の開示義務がある「税務署」「株主」「債権者」に対し、どのような内容を開示する必要があるかをご紹介します。
     

    税務署へ開示しないといけない内容

    決算から2カ月以内に全ての企業が税務申告書と併せ、決算書を提出しなくてはなりません。決算書として提出するのは、「貸借対照表」「損益計算書」「株主資本等変動計算書」「個別注記表」の4つです。
     

    株主へ開示しないといけない内容

    会社法では、持ち株比率が3%以上の株主に対し、会計帳簿の閲覧及び謄写請求権が認められています。ここで開示されるのは、税務署に決算書として提出した4つの書類です。この請求に従わない場合、企業は罰則を受ける場合もありますので、注意してください。これは上場企業に限った話ではなく、全ての株式会社に該当するルールです。
     

    債権者へ開示しないといけない内容

    会社法では、債権者に対しても決算書の開示を認めています。しかし、誰でも見られるわけではありません。請求が行えるのは、企業に対しお金を貸している金融機関や出資先、買掛金による取引を行なっている企業などです。株主同様、開示されるのは税務署に決算書として提出した4つの書類です。株主の時と同じく、請求に従わない場合は罰則の対象となります。こちらも、全ての株式会社に該当するルールです。

     

    まとめ

    決算報告に欠かせない、決算書を開示するときに作成する資料を中心にご説明しました。上場企業の場合、決算は投資家や金融機関からいつでも閲覧できる状態になっています。常に周囲からチェックされていることを忘れずに日々の業務へ取り組みましょう。

     

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