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2019年05月30日(木)

クラウドERPとは? 普及が進むクラウド型ERPのメリット・デメリット

経営ハッカー編集部
クラウドERPとは? 普及が進むクラウド型ERPのメリット・デメリット

IT分野のアドバイザー企業であるガートナー社が4年前に興味深い発表をしました。
日本ではオンプレミス型(自社内運用)のERPを利用する企業が多勢である一方、うち約40%がクラウド型ERPに関心を寄せているというのです。 

国内外を問わず大手ソフトウェアメーカーが次々とクラウド型ERPへの対応を進め、クラウド型ERPを専門とする企業も頭角を現してきている現状を鑑みれば、ERPへの需要はクラウド型への移行段階に入っていると言って良いでしょう。

クラウド化が進むERP

現在の日本で使われているクラウド型ERPは、自社専用に借り上げたスペース(サーバー)を利用するプライベートクラウドタイプと、IDとパスワード等により一つのスペース(サーバー)を複数の企業で使い分けるパブリッククラウドタイプの二種類が主流になっています。 

プライベートクラウドタイプの場合、ベースとなるシステム自体は共同ですが、一つのERPを占有することができるのが特徴で、一つのERPを複数企業が住み分けて利用するパブリッククラウドタイプと大きく異なっています。いずれもオンラインサービスであるため、導入までのハードルが低く、コスト削減効果も期待できるので、企業が関心を寄せるのも自然な流れと言えそうです。

クラウド型であるメリット

クラウド型の最大のメリットは、インターネット環境とPCがあればすぐに利用開始できる点にあり、環境設定のためのコストや労力を大幅にカットすることが可能となりました。 

システムのバージョンアップやトラブル解決に関しても、ERP提供元に全て任せられるので、自社で労力や時間を割く必要がなくなり、切れ目なく本来の業務に力を注ぎ続けることができます。 

国内外に支社を持つ企業であれば、経営管理データを本支社間で同時共有できますから、問題発見から解決に至るまで混乱のないチームワークを発揮できるはずです。

オンプレミス型(自社内運用)と比較した際のクラウド型のメリット

オンプレミス型ERPは一つのパッケージライセンスを買い取って使う形となるため、完全なる自社内運用である点は秘密保持の観点から非常に好ましいのですが、特性上どうしても制限される面がありました。 

それは、ライセンスを持たない支社とのデータ共有が難しい点、運用だけではなく管理も自社で行うため専任の人員が必要である点、バージョンアップの際には都度対応が求められる点等ですが、これらは企業全体として情報を最大限に活かす上で障害であったと言っても過言ではありません。 

クラウド型であれば、自社オフィスあるいはPCさえあれば、どこからでもデータにアクセスできます。例えば北海道で受けた発注情報をクラウド型ERPに入力すれば、関東工場で間もなく商品製造を開始する迅速さが生まれ、状況は東京本社が全てにおいて随時把握することが可能なのです。情報管理の一元化を叶えてくれるクラウド型ERPなら、タイムロスを生じさせることなく他社に負けない経営戦略を次々と実行していくことが可能になるでしょう。

クラウド型ERPのデメリット

メリットとデメリットは常に対峙するものです。クラウド型ERPを採用することにより、インターネット環境さえあればいつでもどこでも利用可能である点や、導入時のコスト削減が可能になる点等を挙げましたが、メリットを障害に変えないための備えはいつでも必要です。 

例えば、社内外を問わず常に安定したインターネット回線を保持できるように、社内では予備回線の契約を行い、社員にはモバイルWi-Fiを持たせ外出時に備えるなどしておけば、その効果を最大限に享受できるようになるでしょう。 

インターネットインフラは今まで以上に重要になりますので、常にインターネット回線に接続できるような環境を整えておく必要があります。またクラウド型ERPは月々の利用料金が発生するため、長期的に見れば少なくないコストになるのではないかとの不安も生じるでしょう。 

ただし着目すべきは、オンプレミス型と比較した時のトータルコストです。利用ユーザー数に比例して料金が変化するのがクラウド型ERPの特徴であるため、社員数の多い企業などは一見ランニングコストが多大に見えるかもしれません。 

しかし買い切りのオンプレミス型の場合、サーバー購入、初期設定及び運用に関わる費用、バージョンアップ費用、自社内運用のための専用人員コストなど、ERP費用の他に継続的に発生する費用は決して小さくありませんので、全体像をしっかりと見据えた上で、クラウド型・オンプレミス型いずれか特徴を活かせる方を選択するのが好ましいです。

 

クラウド化によって業務はどう変わる

一つのシステムをクラウド上で利用できる最大のメリットは、やはり、場所と時間を問わず共通のデータに常にアクセス可能であるという点にあります。営業部門・会計部門・生産部門等が別個にデータを保持整理している従来のあり方では、いざ戦略を立てる上でも互いのデータを一から説明し、他部署に理解を促し、ようやく一つの流れを作り上げる必要がありました。 

顧客がインターネットに慣れ、常に膨大な情報を交換し合っている現代では、企業側もスピードを大切にして動くことが重要であり、従来のような時間のかけ方はデメリットの方が大きい時代になっているのです。 

削減するのはコストだけではなく、手間や時間も対象であり、総合的にスリムな経営を実現することが業績維持・改善への重要なカギとなるのです。

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