経営ハッカー | 「経営 × テクノロジー」の最先端を切り拓くメディア
2019年05月30日(木)

「ワークフロー」とは? 言葉の意味や導入メリットを解説

経営ハッカー編集部
「ワークフロー」とは? 言葉の意味や導入メリットを解説

ワークフローとは

ワークフローシステム

ワークフローとは、1つの業務における作業の流れを図式化し可視化したもののことです。業務を可視化することにより、作業が効率化し、ミスが少なくなるといったメリットがあります。そして可視化した業務の流れをコンピューターに取り入れ、作業の一部を自動化したものをワークフローシステムといいます。

BPMツール
ワークフローとよく混同されるものとして「BPM」というものがありますが、ワークフローとBPMには次のような違いがあります。

ワークフローは稟議書の申請・承認など各種書類における作業を効率化し、ミスをなくすツールとして活用されているもので、業務に対する作業の効率化をはかることを目的としています。
一方、BPMは企業全体としての「計画→実施→検証→改善」といったPDCAサイクルのなかで、それぞれのプロセスにおける業務が適切に行われているかを可視化して、その改善をはかるために活用されます。

現行の紙の文書によるワークフローの課題

通常、稟議書などの各種申請書には上司もしくは役員など、上長からの印鑑承認を必要とします。この一連の流れのなかには、「承認までに時間がかかる」「紙代や印刷代などの経費がかかる」「書類の保管場所が必要」「書類を紛失してしまう危険性がある」「経過を把握できない」という、紙の文書であるがゆえの課題があります。

承認までに時間がかかる

紙の申請書による承認申請だと、主に社外で活躍をする営業職にとっては申請書を作成、提出するためにわざわざ会社に寄る手間が発生します。また、書類を提出しても承認をする上長が出張などのために会社に不在の時もあり、その場合は申請から承認までに長い時間がかかってしまいます。

紙の経費・保管場所の確保・紛失の恐れがある

紙の文書での書類には印刷代など、その用紙自体に関わる経費が、申請書類が多ければ多いほどかかります。また紙媒体であるがゆえ、書類を保管しておく必要がありますし、保管場所を確保することも必要になります。また、保管場所ができたとしても紙の文書だとどこに保管したかが検索できないので、データとは違い紛失してしまう恐れがあることも避けられません。

進捗状況を把握できない

申請書を提出したとしても、承認されないことや、気づかないうちに否認されていることがあります。さらに、承認者が単純に忘れていたり見逃していたり、などということも考えられます。紙の申請書だと一度自分の手元から離れると、どこまで承認されているのかなど、その進捗状況を把握することが難しいという欠点もあります。

ワークフローシステム導入のメリット

ワークフローアプリ

ワークフローシステム導入にあたっては、「仕事が効率化される」「業務の可視化ができる」「ペーパーレス化が実現できる」という大きなメリットがあります。ただし、導入の前には一連の業務の流れを定義づけし、可視化の準備をしておくことが必要です。

仕事が効率化される

ワークフローシステムの導入により「ミスが少なくなる」「申請・承認までの流れが速くなる」というメリットがあり、仕事が効率化されます。
紙の文書の場合、申請内容にミスがあった場合などは書き直しの手間を必要としますが、ワークフローシステム導入することにより、たとえこれらのミスがあっても、その箇所を修正するだけでいいので、手間が大幅に減ります。

また、ワークフローシステムの場合、申請者・承認者共に場所・時間を問わずにそれらの作業ができる場合が多く、申請から承認までの時間が短縮できます。

業務の可視化ができ、内部統制におけるメリットもある

紙文書での申請の場合は、申請者・承認者共に書類が手元に届くまで、その業務がどこまで進んでいるのか進捗状況を把握することが難しい状況となります。対してワークフローシステムを導入することで、今その業務がどの段階なのかを確認することができるので、誰がどの作業を行っているのか、承認はどこまで進んでいるのかを把握することができます。

また、それらの情報の可視化によってコンプライアンスの強化もされるため、内部統制においてもメリットがあります。

ペーパーレス化に伴うメリット

ワークフローシステム導入によるペーパーレス化によって、印刷代など紙に関わる経費が削減できます。また、書類はデータで管理されるので、保管場所の確保を必要としなくなり、紛失の恐れもなくなります。

ワークフローシステムの主な機能

ワークフローシステムの主な機能とそのメリットはさまざまですが、例として以下の図を参考にしてください。

機能 メリット
申請書のフォーマット作成 書式に迷わない。ミスが減る。
書類の承認ルート作成 誰に申請するのか迷わない。
申請書の決済処理 WEB上で申請~承認までが行われ、時間の短縮ができる。
他システムとの連携 「人事システム」「給与システム」などその他システムとの連携で業務がより効率化できる。
クラウド上でも利用可能 PC・スマートフォンなど端末を気にせず利用することが可能になる。

 

まとめ

ワークフローシステムの導入にあたっては、まず前準備として業務の見直しをすることと、作業の流れを定義づけすることが必要です。そこから自社の業種・業態・社員数などを考慮し、導入を推進する必要があります。

自社にあったワークフローシステムを導入することができれば、業務効率化による生産性の向上や、ペーパーレス化による経費削減など多くのメリットを得ることができるでしょう。

この記事の関連キーワード

関連する事例記事

  • 資本金・資本準備金・資本余剰金の違いとそれぞれの役割を徹底解説
    上場準備2022年03月15日経営ハッカー編集部

    【公式雛形あり】上場企業の決算期変更メリットから手順までを網羅的に紹介

  • 資本金・資本準備金・資本余剰金の違いとそれぞれの役割を徹底解説
    上場準備2022年03月11日経営ハッカー編集部

    上場企業なら知っておきたい! 決算書の開示義務とその対象

  • 資本金・資本準備金・資本余剰金の違いとそれぞれの役割を徹底解説
    上場準備2022年02月25日経営ハッカー編集部

    連結決算が義務となる上場企業とその条件

  • 資本金・資本準備金・資本余剰金の違いとそれぞれの役割を徹底解説
    上場準備2022年02月24日経営ハッカー編集部

    決算業務の効率化に向けて上場企業の担当者が考えたい4大ポイント

  • 資本金・資本準備金・資本余剰金の違いとそれぞれの役割を徹底解説
    上場準備2022年02月18日経営ハッカー編集部

    【チェックリスト付】決算早期化を効率的に実施するための10項目

関連記事一覧