クラウド型ワークフローの基礎知識
従来のオンプレミス型ワークフローの特徴
ワークフローシステム導入にあたり、以前からあるオンプレミス(自社所有)型というのは、自社サーバーへソフトウェアをインストールして、そのシステムを利用するものです。そのため、そこでやりとりされる情報は、社内ネットワークしか通過しないので、社外への情報漏洩の危険性が極めて少ないという特徴があります。また、既に利用している社内システムと比較的結合しやすく、自社の要望通りにある程度自由にカスタマイズできるというメリットもあります。
一方で、オンプレミス型は主に金銭面や導入期間においての課題があると言われます。システム導入にあたり、自社でサーバーを用意する必要がありますし、ソフトウェアの購入やインストール、初期カスタマイズ、ネットワークの調整など多額の初期費用がかかってしまいます。さらにオンプレミス型の場合はサーバーなどのハードウェア保守も自社の責任で行わなくてはならないので、それらの月額保守費用やソフトウェアのメンテナンス費用もかかります。
また、初期のハードウェア導入からシステムのインストール、カスタマイズなどを考慮すると、システム環境を整えて利用できるようになるまでには最短でも1カ月以上必要だというのも課題の一つと言えるでしょう。
クラウド型ワークフローの特徴
クラウド型ワークフローシステムは、インターネット上のサーバーを利用してシステムを利用するものです。そのため、ソフトウェアを自社のサーバーにインストールして利用するオンプレミス型とは違い、インターネットがつながる環境さえあれば、どこでも利用可能であるということが最大の特徴です。また、オンプレミス型と比較すると、サーバー本体、ソフトウェア、初期インストールといった初期費用がほとんどかからないため、低コストで運用を開始することができます。
オンラインで契約後、すぐにIDやパスワードが提供されるサービスもあるので、これらを使えば、その日から運用を開始することも可能です。
クラウド型ワークフローのメリット・デメリット
クラウド型ワークフローシステムの導入のメリット・デメリットについては以下のことが挙げられます。
メリット
- 低い初期コストで始められる
- システム導入までの期間がとても早い
- インターネット環境があれば端末に関係なく利用できる
クラウド型ワークフローのメリットの一つは前項の特徴のところで解説したように、初期費用がほとんどかからないという点です。クラウド型サービスは基本的に月額課金制ですが、この月額費用も1ユーザーあたり高いもので数千円、安いもので数百円と非常にリーズナブルです。
さらに、システムを利用するために必要なことは、オンライン上でのアカウント登録のみなので、製品によってはその日から利用することもできます。このスピード感は、オンプレミス型には真似のできないメリットです。 また、インターネット環境さえあれば、どこでも利用可能ということが最大のメリットです。ちょっとしたすき間時間や移動時間など、場所や時間に縛られることなく仕事を進めることができるため非常に効率よく作業することができます。
デメリット
- セキュリティには若干の不安がある
- 他システムと連結できないため、カスタマイズが難しいときがある
- 大人数の場合はオンプレミス型よりコストがかかることもある
クラウド型ワークフローシステム導入のデメリットとしては、インターネット上の外部サーバーを利用することになるので、どうしてもセキュリティに関しては多少のリスクを背負ってしまうという点が挙げられます。さらにオンプレミス型と違い他システムとの連結が難しく、完全に自社の希望通りにカスタマイズすることは難しい場合が多いです。
料金に関してはユーザー数による月額課金制なので、大企業など大人数を抱える企業の場合はオンプレミス型よりもコストがかかってしまうこともあります。
まとめ
以上のようにオンプレミス型、クラウド型はそれぞれに特徴があり、メリットとデメリットが表裏一体となっていることが多いです。そのため、自社の業務進行に合った正しいワークフローシステムの導入は、自社の業種や業態、社員数などを充分考慮したうえで行う必要があるでしょう。