私がチャットツールをやめたいと思った5つの理由とその代替策
@人事 編集長の安齋慎平です。私は過去、編集者としてライフハッカー[日本版]編集部やオールアバウト編集部に勤務し、現在は人事向けメディアの運営に携わっております。経営ハッカーでは、経営者・個人事業主に役立つ情報をお送りできればと思っております。
さて、社内でのやりとりに便利なクラウドコミュニケーションツールである『チャットツール』。導入している企業も多いのではないでしょうか? 私もチャットツールを利用している一人です。社内のメンバーと直接チャットでのやりとりができるほか、プロジェクトごとにグループを作ることができるので、複数のプロジェクトが走っている会社で特に威力を発揮します。
しかしながら、最近ではチャットツールを使っている上でいろいろな弊害を感じるようになりました。そう感じた理由の5つと代替策 をご紹介します。
1.直接電話したほうが早い
チャットツールを使っていると、どうしてもツール内でやりとりを完結させようとしがちです。ですが、チャットツールは文章で説明するツールであるため、説明するに足る文章を書くのに時間がかかります。結果、長い文章になってしまい、「何が言いたいのか」伝わりづらいものになってしまいます。
説明するのに文章が長くなりそうなときは、アナログな方法ですが「電話」したほうが早いです。「電話」は、こちらが伝えたいことの「説明」と相手の「同意」を同時に得られる という意味で効率が良いツールと言えます。
逆に、メッセージを伝えたい相手が出張や会議などで席を外すことが多い場合は、電話よりもチャットのほうが、相手としても都合が良いでしょう。URLやファイルサーバーのアドレスを共有したいときもチャットが便利。シチュエーションによって「電話」が向いている場合と「チャット」が向いている場合があるので、それぞれ使い分けて仕事するのが良いと思います。
2.常にチャットが届くので仕事に集中できない
私は10人前後のプロジェクトチームを率いていますが、ひっきりなしにチャットの投稿が届きます。しかも私の所属している会社は社員・アルバイトが80名近くいるので、様々な部署からチャットが飛んできます。
私がひとたび「~をお願いします」と依頼をメンバーに出すと「わかりました」という返事が数人から届くので、それだけでチャットが埋もれてしまう始末。あまりにもチャットの通知が届くので、本当に重要な連絡を見落としてしまいそうになったことも。気軽に誰にでもメッセージを送れるというのも考えものです。
チャットツール登場以前は、社員全員への周知はメーリングリストなどで行っていたはず。メールでの共有で、特に支障はなかったはずです。さらに言えば、朝礼や全体会でリマインドを行えば、社員への周知は十分できると思っています。
3.仕事と関係のないチャットが届く
仕事に関する内容であればまだ良いのですが、「○○さんの誕生日会」や「忘年会」といった、仕事とは直接関係のないチャットも届くので(もちろんそれはそれで大事なのですが)、重要なチャットが埋もれてしまう懸念があります。チャットツールを利用した人ならわかると思いますが、アプリ内が通知で埋もれてしまうと、どれを先に読めばいいのかという優先順位がわからなくなってしまいます。
最近ではLINEのようなアプリもありますし、誕生日会やその他イベントのやりとりはチャットツール以外のアプリを使うと良いでしょう。飲み会の調整はチャットベースではなく、『調整さん 』で事足ります。とにかく、チャットツール内に仕事とプライベートが混在しないようにしていくことを社員全員で心がけていくと良いと思います。
4.長文で説明されるのでわかりにくい
「1.直接電話したほうが早い」でも書きましたが、チャットツールは基本的に言葉で説明します。自然と説明が長くなり、チャットも長文になってしまいがちです。特に何らかの成果物の説明をチャットで行おうと思うと、言葉では説明できない部分も出てきます。
チャットをしていてあまりにも長文になりそうなときは、テレビ会議など「映像」を使ってコミュニケーションを取るのが良いと思います。『Googleハングアウト 』のように、優秀なツールはたくさんあります。いずれも自分のパソコン画面を相手に共有できるので、言葉だけでは説明できないときに利用するのが良さそうです。
5.プライベート中にもチャットが飛んでくる
チャットツールは24時間365日利用できます。スマホアプリからでも投稿ができるので、平日休日関係なくチャットが飛んできます。仕事の生産性を上げるためにも、仕事のオンとオフは分けたいもの。気軽にメッセージを送れるチャットツールは、時としてプライベートに土足で踏み込むことになります。
しっかりと休日に休養したい場合は、チャットツールをオフにしましょう。勤務先のメンバーには「休日はメールで連絡」するようにお願いするのが得策です。そして、「疑問点等は就業時間内にすべて解決する」ように社員の意識改革をするべきだと考えます。
まとめ:チャットだけではなく「face to face」なコミュニケーションも
かつてチャットツールもグループウェアも無かった時代は、質問や相談事があると、その人の机まで出向いて、「ちょっと今いいですか?聞きたいことがあるんですけど……」という感じで話しかけていたのを思い出します。質問や相談が終わると、「最近、趣味のほうはどうですか?」とか「今度飲みに行きませんか?」という風に、雑談をしていました。そういった何気ない雑談が良い気分転換になっていましたし、社内のコミュニケーションを円滑にするきっかけとなっていました。
チャットツールだけで仕事を進めるのも良いですが、やはり味気ない気がしてなりません。今後はチャットツールの良い点を活かしつつ、「face to face」なコミュニケーションも取っていきたい ものです。ちなみに私はお菓子をメンバーに配ることで、face to faceのコミュニケーションを増やしています。仕事中は甘いものを欲する人が多いので、評判も上々です。ぜひお菓子を配ってみては?
※本記事における執筆者の見解はあくまで個人的なものであり、@人事を代表するものではありません。