マイナンバー制度の通知は10月から!企業の対応まとめ
マイナンバー制度は2007年の「消えた年金記録問題」を機に「国民総背番号制」の議論が復活し、成立した法律です。マイナンバー制度の導入により行政の効率化や利便性向上が期待されます。
2015年10月からマイナンバーの通知が行われますが、企業は一体どのような管理体制を作ればいいのでしょうか?
1)「個人番号」と「法人番号」6つの相違点
マイナンバーには2種類あります。個人に付与される「個人番号」と、法人に対して付与される「法人番号」です。これらにはいくつかの相違点があります。
1. 管轄
法人番号の管轄が国税庁であるのにたいして、個人番号の管轄は総務省・市町村です。
2. 桁数
法人番号は13桁であるのに対して、個人番号は12桁です。
3. 送付場所
法人番号は登記上の住所地に送付されるのに対して、個人番号は住民票の住所地に送付されます。
4. 番号の公開
法人番号はホームページで公開するのに対して、個人番号は非公開です。(個人番号は原則として、他者に公開してはいけません)
5. 利用制限
法人番号は利用制限がないのに対して、個人番号は社会保障、税、災害対策のみに利用可能(法改正により、追加されることがございます)利用制限があります。
6. 利用開始
法人番号は2016年1月申告書提出分より利用が開始されるのに対して、個人番号は2016年1月より利用開始です。つまり、法人番号は使用されるのが2016年1月より前になる場合もあります。
<参考>マイナンバーの桁数は?法人番号と個人番号の違いを専門家が解説
2)マイナンバー導入にあたって確認すべき7つのポイント
2016年1月からの制度開始にあたって体制整備にあたってするべきことは以下の通りです。
1.社内体制の整備
マイナンバーの導入は企業にとって大変煩雑なものです。導入にあたっては部門間の垣根を超えた特別プロジェクトチームを作る必要があるでしょう。各部門ごとに役割分担を明確にし、密な連携を可能にするため、定期的なミーティングなどを開催しましょう。
2.対象者の洗い出し
誰からマイナンバーを収集すべきか洗い出すことにより、収集段階でパニックに陥らないようにしましょう。パートやアルバイトの方を含む全ての従業員が対象になりますが、それ以外にも、
・税理士、社会保険労務士などの委託先外部専門家 ・不動産関係の支払い調書の関係者 ・配当、利息の支払い調書の関係者
がマイナンバー対策の事前準備の対象者になる場合があります。
3.対象者への周知と番号の収集
マイナンバーの通知カードは住民票に記載されている住所に郵送されます。住所の違う従業員がいる場合は住民票の異動手続きを進めるようにアナウンスしましょう。そして通知カードは大変大切な物ですので、厳重に保管し、紛失しないようにアナウンスしてください。
4.方針の明確化、規定整備
マイナンバーの収集・保管、利用に関する基本方針の策定、取り扱い規定の整備をする必要があります。
5.安全管理措置
番号法では特定個人情報流出防止のため、
・組織的安全管理措置 ・人的安全管理措置 ・物理的安全管理措置 ・技術的安全管理措置
をしなければならないことを義務づけています。 <参考>安全管理措置とは?5つの手順まとめ|マイナンバー制度の基本知識
6.社内管理システムの再構築
マイナンバーの導入により社会保険や納税申告書など各種書式の変更となります。それにより、社内システムの再構築が必要になります。マイナンバー対応のシステムに乗り換えが必要な場合は、コストや安全性を考慮して決める必要があるでしょう。
7.委託先の体制確認と監督
士業への手続きをアウトソーシングしている場合、下請に書類処理等を委託している場合は契約書等を作成しなければなりません。
まとめ
いかがだったでしょうか?マイナンバー導入にあたって、企業がやるべき事はたくさんあります。しかし、やるべき事を事前にこなしていれば、10月以降の処理にも焦らず対応出来ると思います。マイナンバー制度導入という社会システムの分岐点を頑張って乗り切りましょう。