マイナンバー制度でタンス預金をする人が増えるのか?知っておくべき「預金口座への適用」
2016年1月より施行されるマイナンバー制度。まずは社会保障や税金などの分野に適用されることが決定しておりますが、改正されたマイナンバー法では新たに銀行口座へのマイナンバーの適用が決定しました。マイナンバーと銀行口座が結びつくと、プライバシーの観点より、タンス預金をする人が増えるのではないかという見方もありますが、実際はどうなのでしょうか?今回は、マイナンバーとタンス預金の関係を説明します。
1)改正されたマイナンバー法により、マイナンバーに銀行口座が紐付けされることに
まずは、マイナンバー法の改正について見ていきましょう。改正マイナンバー法では、新たにマイナンバーに銀行口座が紐付けされることになりました。
しかし、紐付けが行われるのは平成30年(2018年)移行からであり、現状では紐付けは義務付けられていません。ですから、最近よくある「今すぐ口座を作るべき」というような論調がありますが、実際のところ、それまで急ぐ必要はないということがわかるでしょう。
ただ、政府は平成33年ごろには義務化する方向で動いているので、そうなると銀行口座とマイナンバーが紐付けられ、誰の口座にどれぐらいの預金があるのかを把握できることになるのではないかという見方が広がっています。
2)銀行口座に税金がかけられる?タンス預金が増えるワケ
銀行口座が政府によって監視されているだけでも少し気味が悪く感じる人が多いかもしれませんが、さらに、銀行口座の預金に税金がかけられる可能性もあります。
政府が「貯蓄税」という税金を新たに設けるのではないかという議論が最近話題になっています。確かに、マイナンバーによって税の分野と預金口座の情報が紐付けられれば、このような税金の徴収も可能になるでしょう。
3)タンス預金にする意味は実はそれほどない?
それでは、タンス預金にする人が増えるとして、実際に効果はあるのでしょうか?結論から申しますと、それほど効果はないだろうという見方ができます。その理由は、年末調整など、収入に関してもマイナンバーによって管理されているため、預金口座に入っている額と収入に差があったとしても、タンス預金の額はだいたい想像することが可能だからです。
また、現実的に何十万、何百万という大金を預金口座から引き下ろしてタンス預金にするというのはコスト面、セキュリティ面から言ってもそれほど現実的ではありません。ですから、タンス預金は一時的には増加するかもしれませんが、最終的にはそれほど増えないのではないでしょうか。
まとめ
「貯蓄税」もあくまで検討や噂のレベルでしか議論されていません。むしろタンス預金にすることでリスクが増大するのであれば、慎重にマイナンバー関連の情報を集め、そこから判断するのが賢い判断だと言えるでしょう。