同族会社は税金が高い?同族会社が抑えておきたい税制3つ
同族会社は税金が高くなる?
同族会社という言葉は、馴染みのある言葉かもしれません。 しかし、同族会社には、きちんとした定義があり、税金が高くなる可能性があることをご存知でしたか? 今日は、同族会社の定義とその税制をまとめました。
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同族会社の税金が高くなる3つの制度!
同族会社には、以下の3つの制限が掛けられます。
- ①:みなし役員 役員でない従業員へ支払うボーナス(賞与)であっても、損金(法人の経費のこと)にで きない可能性があります。
- ②:行為計算の否認 税務署長の権限で、損金の算入などが認められないことがあります。
- ③:留保金課税 利益を会社内に溜め込み過ぎていると、課税される可能性があります。 (特定同族会社の場合のみ)
以下では、同族会社の定義と上記の3つの制限を詳しく紹介します。
同族会社の定義とは?
同族会社は、会社の株主の3人以下とその株主と特殊の関係のある個人及び法人が、議決権の50%を超える数を有する場合などに認定されます。
上記の「特殊の関係にある個人および法人」とは以下の通りです。
- その者の配偶者、六親等内の親族、三親等内の姻族
- その者といわゆる内縁関係にある者 ・その者の使用人
- その者から受ける金銭その他の資産によって生計を維持している者
- その者およびその者の同族関係者である個人が合計で発行済み株式総数の50%以上を所有しているほかの会社
参考:同族会社(国税庁)…厳密な定義はこちらでご覧ください。
①:みなし役員
同族会社の従業員のうち、同族会社の判定の基礎となる株主の同族関係者で次の要件を全て満たし、かつ、経営に関わっていると認められる者は、役員とみなされます。その者に対する賞与が損金算入されません。
- その者が、その会社が同族会社であることについての判定の基礎となった上位3位以内の株主グループに属していること
- その者の属する株主グループの持株割合が10%を超えていること
- その者およびその者の配偶者(これらの者の持株割合が50%以上の会社を含む)の持株割合が5%を超えていること
②:行為計算の否認
同族会社では、税務署長の権限で、取引を否認される可能性があります。これが「行為計算の否認」という規定です。 とても恐れられている規定ではありますが、適用される事例は極めて少ないのが現実です。
③:留保金課税
同族会社の場合、株主と経営者が同じですので、「配当金は会社の損金にならないため、配当を出して個人の課税所得を増やすことをよく思わない」ような経営者も見受けられます。そのため、実際に利益が出ていたとしても配当金を支払わない会社も多くあります。そこで、会社が得た利益のうち、配当金を支払わず社内留保した金額が一定の控除額(留保控除額という)を超える場合には、その超える部分(課税留保金額という)に対して次の税率を乗じた金額が、通常の法人税とは別に課税されます。
- 年3,000万円以下の部分の10%
- 年3,000万円を超え1億円以下の部分
- ・年1億円を超える部分の20%
*参考:特定同族会社(国税庁)…留保金課税は、特定同族会社の場合のみです。 留保金額の計算(国税庁)
同族会社が気を付けるべきポイントとは?
中小企業では、知らず知らずのうちに同族会社となっている会社も多いでので、同族会社の税務上の扱いを頭の片隅においておきましょう。 また、実際に多くの税金を払ってしまっているということであれば、株主構成の変更を考えてみるのも手でしょう。
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