2015年11月09日(月)0ブックマーク

消費税の免税をフル活用|会社の節税対策

経営ハッカー編集部

keisan

はじめに

その課税期間の基準期間における税抜課税売上高が1,000万円以下の事業者は、消費税の納税の義務が免除されます。この免税制度の仕組みを上手に使うことで、節税できる場合があります。ここでは、消費税の免税制度を活用した株式会社(法人)の節税対策について確認します。

 

1)消費税の免税事業者となるケース

消費税の納税の義務が免除される事業者を「免税事業者」といいます。法人が消費税の免税事業者となるのはどのような場合か、改めて確認します。

(1)設立1期目に免税事業者となる場合

新たに設立された法人については、原則として免税事業者となります。ただし、設立1期目の開始日における資本金額が1,000万円未満であることが要件です。

(2)設立2期目に免税事業者となる場合

設立1期目と同様、設立2期目の開始日における資本金額が1,000万円未満であれば、免税事業者となります。ただし、特定期間(※)である設立1期目開始の日以後6ヶ月の期間における、課税売上高と給与等支払額の合計額のいずれかが1,000万円以下であることが要件となります。

※特定期間とは、法人の場合は原則として、その事業年度の前事業年度開始の日以後6ヶ月の期間をいいます。

(3)設立3期目以降に免税事業者となる場合

設立3期目は資本金額に関係なく、基準期間(※)である設立1期目における税抜課税売上高が1,000万円以下であれば、免税事業者となります。ただし、特定期間である設立2期目開始の日以後6ヶ月の期間における、課税売上高と給与等支払額の合計額のいずれかが1,000万円以下であることが要件となります。

設立4期目以降も同様に、基準期間の課税売上高が1,000万円以下で、特定期間における、課税売上高と給与等支払額の合計額のいずれかが1,000万円以下であれば、免税事業者となります。

※基準期間とは、法人の場合は原則として前々事業年度を指します。

2)消費税の免税制度を活用した会社の節税対策

上記を踏まえた上で、法人の節税対策を行う場合、具体的には以下の手段が考えられます。時系列順に行うべき節税策を確認しましょう。

(1)設立1期目開始までに行うべき節税策

①設立1期目の開始日における資本金額が1,000万円未満になるよう、払込金額を調整する。  例えば、会社設立にあたり、会社に1,000万円の払い込みをする場合には、500万円を資本金、残りの500万円を資本準備金とすることで、設立1期目は免税事業者に該当します。

②法人の設立1期目を7か月以下になるよう調整し、特定期間そのものをなくす。 設立2期目において、前事業年度が7か月以下の場合には、例外的に、特定期間はないものと考えます。特定期間がなくなれば、特定期間の売上と給与の金額は、免税事業者の要件から外れます。

そこで、設立1期目の売上と給与の両方が1,000万円を超えそうな場合は、法人の設立1期目が7か月以下になるよう、事業年度を調整すれば、設立2期目も免税事業者になることができます。

(2)設立2期目開始までに行うべき節税策

①設立2期目の開始日時点で、資本金額が1,000万円未満になるよう調整する。  例えば、設立1期目に増資を行い、資本金額が増えることが予想される場合は、払い込み金額を調整するなどして、設立2期目の開始日における資本金額を1,000万円未満にしておきましょう。また、資本金額が1,000万円以上になった場合は、減資を行い、資本金額を減らすことも検討しましょう。

②特定期間の給与支払期日を遅らせる。  資本金額の要件を満たしても、特定期間である設立1期目の上半期の売上高又は給与支払額のいずれかが1,000万円以下でなければ、設立2期目は免税事業者になりません。

 ただし、売上の計上時期を遅らせることは、取引先との兼ね合いもあり、現実的ではない場合があります。そこで、給与の支払期日を下半期に遅らせることで、給与支払額を減らせる場合があります。

(3)設立3期目以降の節税策

①基準期間における課税売上高を1,000万円以下に抑える。  例えば、建設業を営んでいる法人の場合には、消費税法上の収益の認識基準を、工事進行基準から工事完成基準へと変更することで、売上計上時期を遅らせて、基準期間における課税売上高を1,000万円以下に抑えるのもひとつの方法です。

また、商品販売業であれば、出荷基準から検収基準へと収益認識基準を変更することも有効です。ただし、収益の認識基準を変更した場合は毎期継続適用しなければなりません。

②給与を外注費に切り替える。  特定期間の給与支払期日を遅らせることが難しい場合には、給与として支出している事業を外注して、給与の支払額そのものを減らす方法が考えられます。例えば、建設業を営む法人が、自社で行っている建設工事の一部を、他社に外注する場合が当てはまります。

 

3)消費税の免税制度を活用した会社の節税対策のまとめ

①設立1期目と2期目開始日時点で、資本金額が1,000万円未満になるよう調整する。 ②会社設立前に、設立1期目の売上と給与を試算し、その両方が1,000万円を超えそうな場合は、法人の設立1期目が7か月以下になるよう、事業年度を調整する。 ③設立2期目以降の節税策として、特定期間における課税売上高と給与支払額を抑える。 ④設立3期目以降の節税策として、基準期間における課税売上高を1,000万円以下に抑える。

おわりに

多額の設備投資を行う場合等、課税事業者を選択した方が良い場合があります。新設法人の消費税の節税対策は、会社設立前から計画的に行いましょう。

お金を増やすための方法としては、収入を増やす、運用する、節約するといった方法が挙げられます。 この中で最も簡単に実行できて、効果がすぐに実感できるのは、 「節約」です。 世の中には、節約が得意な方と苦手な方がいらっしゃいます。 関与先様の浪費を止めることはもちろん、節約をし過ぎることなく、投資すべき時は、投資をするようアドバイスをすることも 税理士の仕事の一つだと考えています。
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