お金の流れを把握する|出納簿の読み方、書き方、作り方徹底解説!
基本となる3つの出納簿を徹底攻略しよう!
出納簿の記帳は、現金や預金、売掛金・買掛金などに関するお金の流れを把握するための補助簿として非常に重要な日常業務です。様々な種類の帳簿がありますが、とくに複式簿記における総勘定元帳の作成の前提となるものです。
会社の経理担当のみならず、出納簿を見れば会社全体のお金の流れを把握できるため、将来にわたる経営方針を決めるためにも役立ちます。 ここでは経理で扱う出納簿のポイントをまとめていきます。
[目次]出納簿の読み方、書き方、作り方徹底解説! ■1)複式簿記で使われる出納簿 ■2)仕訳帳 ■3)総勘定元帳 ■4)現金出納帳 ■まとめ
■1)複式簿記で使われる出納簿
複式簿記では主要簿と補助簿に大きく分けて記帳されます。主要簿は仕訳帳と総勘定元帳で構成されています。一方、補助簿は中心となる現金出納帳のほか、会社のお金の流れによって必要な帳簿が変わります。補助簿には以下のようなものがあります。
1)補助記入帳
・現金出納帳 ・小口現金出納帳 ・当座預金出納帳 ・普通預金出納帳 ・仕入帳 ・売上帳 ・受取手形記入帳、 ・支払手形記入帳
2)補助元帳
・得意先元帳(売掛金元帳) ・仕入先元帳(買掛金元帳) ・商品有高帳
これらのうち、「仕訳帳・総勘定元帳・現金出納帳」をとくに必須帳簿と呼びます。 ここではどの会社でも備えている必須帳簿の3種類を解説します。
■2)仕訳帳
会社と外部との間で何らかの取引が行われた際、時系列で記帳していくのが仕訳帳です。取引内容の種類に関係なく取引順に記帳されていきます。家計簿でたとえれば、ランダムにレシートを並べて、手にした順に買った商品と値段を付けていく感じです。仕訳帳には「年月日」「摘要」「元丁」「借方」「貸方」が赤線で印刷されています。
ただし、現在では多くの企業で会計ソフトによる電算処理が行われているため、伝票からダイレクトに仕訳帳への記帳が完了します。仕訳帳は複式簿記のため、借方と貸方の仕分が必要です。とくに摘要欄は勘定科目を記載します。そして、勘定科目によって借方のものと貸方のものを区別して記帳します。仕訳帳は簿記の基本となるもので、取引の発生中にそのまま記入していくだけなので最も人間の感覚に近い出納簿といえるかもしれません。
■3)総勘定元帳
仕訳帳と総勘定元帳は密接不可分な関係にあります。会社の取引を逐一記入していく点では同じです。しかし、大きく異なるのは総勘定元帳の場合、勘定科目別に帳簿していくことにあります。仕訳帳はお金の一日の流れを感覚的につかみやすい一方、取引を勘定科目ごとに見て行くには大変不向きです。いちいち、一年分の仕訳帳の膨大な取引数から「売掛金」だけをピックアップするのは、考えただけでも途方に暮れそうになります。
そこで活躍するのが総勘定元帳です。仕訳帳で記入された内容は総勘定元帳に科目別に記入されることになります。これをとくに転記と呼びます。総勘定元帳というと分厚い帳簿が一冊どーんと机にあるイメージが浮かぶかもしれませんが、実際は勘定科目ごとの小さな出納簿が寄り集まった感じです。
総勘定元帳で注意したいのは、標準式と残高式の様式があることです。標準式は借方と貸方に視点を注ぐもので、残高式は残高を中心に着目して読み取ることができます。
■4)現金出納帳
出納簿の基本中の基本なのが現金出納簿です。文字通り現金の出入りを記帳していくものであらゆる商品やサービスを現金で支払った場合に記帳していきます。現金出納簿は家計簿に最も近いイメージのレイアウトです。「日付」「相手勘定科目」「摘要」「入金」「出金」「残高」が左から順に並んでいます。
相手勘定科目には現金で支払ったり受け取ったりした内容を記載します。
たとえば、交通費や水道光熱費の支払いには出金処理、銀行から預金を引き出したときには入金処理をします。現金出納帳で最も大切なポイントは、目の前にある現金と帳簿上の金額がいつでも同じでないといけないことにあります。すべての現金の流れを集約して記帳しているはずであり、1円でも残高に違いがあることはあり得ないからです。おつりを少なくもらっていたりするとすぐに齟齬が出てきますので、現金出納帳は帳簿の誤りに気づきやすい出納簿ともいえます。
■まとめ)出納簿の読み方、書き方、作り方徹底解説します!
出納簿は主要な物から補助的な物まで非常に種類の多い簿記上の書類です。しかし、とりわけ必須帳簿と呼ばれる「仕訳帳」「総勘定元帳」「現金出納帳」の3つは目に触れる機会も多く読み方や書き方をしっかりと抑えておきたい出納簿といえます。最も大切なのは勘定科目の仕分とお金の流れのどの角度に着目するかにあります。現金出納簿あたりから慣れ親しんでおくと会社の経営状態も少しずつ理解していけそうですね。
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